猫が食べたら危険な植物一覧【➅~⑩】
➅アジサイ
青や紫などの涼しげな花で街を彩るアジサイは、梅雨どきに咲く花の代表ともいえる存在です。病気や害虫にも強く育てやすいため、ガーデニング初心者にもおすすめですよ。鉢植え、庭植えのどちらでも育てられます。花色は土壌の酸性度によって変わるため、青を強くしたければ酸性に、赤みがかった紫やピンクにしたい場合はアルカリ性に調整しましょう。
毒性と症状
アジサイはつぼみや葉、根に「青酸配糖体」という物質を含んでいます。これがアジサイの分解酵素や胃の消化酵素と反応してつくられるのが、有毒な「シアン」という成分です。誤食すると嘔吐や下痢などの症状のほか、ひどい場合は動悸や痙攣、呼吸困難にも至ります。死亡例も報告されていて、猫だけでなく人間も摂取しないよう注意が必要です。
⑦アロエ
ヨーグルトや化粧水などでもおなじみのアロエは、アフリカを中心に自生する多肉植物です。原種は500種類ほどあるといわれ、大木から高さ5cm程度のミニサイズのものまでバリエーションに富んでいます。暑さ・寒さのどちらにも強い種類も多く、日本でも育てやすい植物ですよ。病気に強いのも特徴です。
毒性と症状
アロエの皮と葉汁には、「バルバロイン(アロイン)」という下剤成分が含まれています。猫が食べると下痢や体温低下、腎炎を引き起こします。飼い主のアロエヨーグルトを食べたという例も報告がありますが、果肉には有害物質が少ないため、食べる量に気を付ければ問題ないでしょう。ただし砂糖や添加物が含まれており、避けたほうが安全です。
⑧ポトス
あざやかなグリーンとつるがスタイリッシュな雰囲気のポトスは、とてもポピュラーな観葉植物です。数多くの観葉植物の中でも特に流通が多く、気軽に入手できます。日陰でも元気に育ち、病気や害虫にも強いうえ、数を増やすのも簡単です。株分けや挿し木でどんどん増やして、家をグリーンでいっぱいにできますよ。
毒性と症状
ポトスには「シュウ酸カルシウム」という成分が含まれます。結晶が針のような形をしていて、食べる量にかかわらず口内に激痛が走ります。症状は口の中の炎症やよだれ、嘔吐や下痢です。食べる量が多かったり子猫だったりした場合、炎症によって喉が腫れ、呼吸困難に陥る例もあります。
⑨シャクナゲ
常緑性の花木であるシャクナゲは、ピンクや白、オレンジなどの華やかな花色で人気です。色合いの似たツツジとよく混同されますが、ツツジは4月上旬から咲きはじめるのに対して、シャクナゲの開花は4月下旬~5月に始まります。また、シャクナゲは花が球状にまとまって咲くため、ツツジよりもゴージャスな雰囲気があるのも見分け方のポイントですよ。
毒性と症状
シャクナゲは「グラヤノトキシン」という有毒成分に注意が必要です。細胞を興奮状態にする作用を持ち、嘔吐や下痢、脱力、不整脈などの症状を起こします。この成分はツツジ科の植物が共通して持つもので、サツキやエリカなどでも同様の症例があります。ちなみにツツジの蜜にも毒性がありますが、人間が少量含む程度であれば大丈夫でしょう。
⑩ポインセチア
クリスマスシーズンの装飾としてポピュラーなポインセチアは、メキシコ原産の短日植物です。くっきりした赤と葉の濃いグリーンが、クリスマスムードを盛り上げてくれますね。鉢植えを窓辺に飾るほか、リースやツリーのオーナメントにするのもおすすめです。実際の花は中心の黄色い部分で、赤や白の部分は苞(ほう)という葉の一種ですよ。
毒性と症状
ポインセチアの葉や茎に含まれるのは、「ユーフォルヒン」や「フォルポーエステル」などの毒です。特に汁に多く含まれていて、人間でも皮膚炎の症例がありますよ。猫が食べると口内炎のようにかぶれて水ぶくれになります。発熱や嘔吐、下痢といった症状も現れ、人間の子どもでも死亡例があるほど危険な植物です。
猫が危険な植物を食べてしまったら?
猫の異変を確認したら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。特にユリ科の植物の場合は、緊急を要する事態です。ユリ科の花を飾っていない場合でも、葉や花にかじった跡があったり、葉の量が減っているように感じたりする場合は、猫に異常が出ていないか確認します。少しでも様子に違いがあれば、念のため動物病院を受診するのが安全です。治療では催吐処置や胃洗浄を行います。症状の重さによっては入院することもありますよ。
ボタ爺
動物病院では、以下のようなことをお医者さんに伝えるといいぞ。
ボタニ子
獣医師から指示があった場合は、言われた処置を済ませてから病院に行こう。
動物病院で伝えること
- どんな症状が出ているか
- いつ頃から症状が出ているか
- どんな花を食べた、または食べた可能性があるか
- 食べた量
猫が危険な植物を誤食しないために
猫の誤食の防止策としては、キャットグラス(猫草)を与えるとよいでしょう。ホームセンターや園芸店、ペットショップなどで購入できます。安全性はもちろん、かわいらしい容器に入っているものも多く、インテリアとしてもおすすめですよ。どうしても観葉植物や鉢植えを室内に飾りたい場合は、飾ってある部屋に猫を入れないようにしたり、鉢をケースで覆ったりするとよいでしょう。
ボタニ子
生花ではなく、生花そっくりの造花を飾るのもおすすめだよ!
危険な植物を猫から遠ざけよう
猫は飼っている人にとって、大切な家族の一員です。植物の毒で病気になったり、死んでしまったりするのはとても悲しいことですね。観葉植物や花を飾るときには、猫にとっての安全性をきちんと確認しましょう。完全室内飼いをしている猫であれば、部屋に飾るのは造花にして、ガーデニングは猫が近寄れないベランダや花壇だけで楽しむのもおすすめですよ。
- 1
- 2
出典:写真AC