オリーブの種類と特徴・見分け方【⑪~⑮】
⑪セビラーノ(銀葉/長大/開帳)
大きな果実を楽しみたい方にぴったり
セビラーノはスペインが原産の種類です。結実するとかなり大粒の果実がつきますが、結実する樹齢に達するまでに時間がかかるため、ある程度の大きさまで育てなければなりません。また、自家結実性がないため、花粉樹が必要です。うまく結実した果実はピクルスにして楽しみましょう。
⑫ワン・セブン・セブン(銀葉/大きい/開帳)
果実がおいしい希少品種!
ワン・セブン・セブンは、イタリアの国立研究所で育成された種類です。比較的大きい果実が実り、特に新漬けにすることで非常においしく食べられます。また、オイル用に改良された種類のため、オイル作りも楽しめます。樹勢がやや弱く、また病気に対して非常に弱いため、上級者向けの種類です。日本国内では「ワン・セブン・セブン(1-77)」という名前で流通していますが、正しくは「アイ・セブン・セブン(I-77)」という名前です。
⑬エルグレコ(銀葉/細長/直立)
美しい円錐形の樹冠が魅力
エルグレコはギリシャが原産の希少品種です。小さな果実がたくさん実るため、おもにオイル用として栽培されています。樹形は直立型ですが、枝がほぼ直角の方向に伸びていき、樹形が暴れることもあります。花粉量が多く、ほかの種類と一緒に育てるのもおすすめです。
⑭カヨンヌ(銀葉/スプーン状/開帳)
葉の形がかわいらしい
カヨンヌはフランスが原産の種類です。葉の先端がスプーンのようにカールし、とてもかわいらしい見た目です。葉の裏側の銀白色の部分が見えて、かわいさだけでなく美しさも兼ね備えています。自家結実性はありませんが、渋みの少ないフルーティーな味わいの果実が実り、メープルシロップ漬けにすると特においしく食べられます。
⑮アザパ(緑/丸く大きい/開帳)
初心者でも栽培しやすい!
アザパはチリが原産で、干ばつに強く、塩分耐性があります。樹勢が強いため、非常に育てやすい種類です。大きな果実は果肉が硬く、ピクルスや新漬けに適しています。自家結実性がやや弱いため、やや弱いため、ほかの種類と育てるのがおすすめです。果実はかなり大きめですが、一度にたくさん実る性質があるため、ひとつひとつの実が小さくなりやすいデメリットがあります。大きな果実を楽しむには結実した果実を減らす摘果が必要です。
オリーブの種類と特徴・見分け方【⑯~⑳】
⑯ピクアル(薄緑/やや大きめ/開帳)
自家受粉できて初心者にも向いている
ピクアルはスペインが原産の種類です。自家受粉でき、枝葉も茂りやすいため、果実も樹形もピクアル一種だけで楽しめます。完熟した果実は光沢感のある黒色で、ピクルスやオリーブオイルにおすすめです。シンボルツリーとして観賞用の庭木にするのもよいでしょう。
ボタニ子
⑰バロウニ(深緑/幅広/開帳)
環境の変化に強い
バロウニはチュニジアが原産の品種です。チュニジアという過酷な環境に適しているため、干ばつや環境の変化に対する耐性は強く、非常に育てやすい品種です。自家結実性があり、ひめりんご大の果実をつけます。果肉の味がしっかりしており、新漬けやピクルスにおすすめです。
⑱モライオロ(銀葉/披針形/直立)
非常に丈夫な品種!
モライオロはイタリアが原産の品種で、おもにオイル用として栽培されています。耐寒性があり、また干ばつにも強いため、育てやすい品種のひとつです。樹形は暴れず、美しくまとまるり、観賞用の庭木として楽しめます。
⑲ロシオーラ(緑色/幅広で丸い/直立)
さまざまな生育環境に適応
ロシオーラはイタリアが原産の品種で、耐寒性があります。非常に丈夫で、育てやすい品種のひとつです。自家結実性はありませんが、結実率は高く、毎年小ぶりな果実が実ります。
⑳アレクッツォ(緑色/やや丸み/開帳)
小ぶりな果実がたわわに実る
アレクッツォはトルコが原産の品種です。生育が旺盛で枝が暴れやすく、こまめな剪定が必要です。自家結実性はないため受粉樹が必要ですが、小ぶりの果実が豊富に実ります。また、花がたくさんつきやすく、アレクッツォは受粉樹としても適しています。
目的を決めてオリーブの種類を選ぼう
オリーブの木は日本国内で育てられているものだけでも60種類を超えています。自分がどんなオリーブ栽培を楽しみたいか、目的を持って選ぶことでオリーブの木の栽培や成長をより楽しめます。ぜひ自分がオリーブの木を育てる目的を想像しながら選んでみてください。
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シンボルツリーとは、庭や庭園の象徴になる庭木のことです。ルールなどはないため、お気に入りの庭木を選んで楽しみたいですね。