鬼百合の花言葉と名前の由来
花言葉
鬼百合にはたくさんの花言葉があります。優雅に咲く様子から「華麗」、花色の明るい印象から「陽気」「愉快」、花一つひとつが大ぶりであることから「誇り」などです。また、種を作らずともムカゴでしっかりと繁殖する様子から「賢者」という花言葉もつけられました。前向きな花言葉ばかりなので、贈り物にもピッタリです。
ボタニ子
名前の由来
①百合の名前の由来
百合は中国から来た植物で漢名を「百合(ひゃくごう)」といい、その読み方を変えて日本では「ゆり」と呼ばれています。百合の名前の由来は2つあります。1つ目は、ゆらゆらと揺れて咲く様子から「揺り=百合」とされた説です。2つ目は、球根の破片が幾重にも重なり合っている様子から「百もの根が寄り集まっている=寄り=百合」とされた説です。
②名前に鬼がついた理由
華麗に咲く花姿からは遠いイメージの「鬼百合」という名前ですが、由来は花の色みや花姿にあります。燃えるような濃いオレンジ色の花に黒の斑点を無数につけた姿は、優美ながらも独特な雰囲気をもっており、「赤鬼」を連想させることから「鬼百合」とつけられました。
③別名の由来
鬼百合には「天蓋百合(てんがいゆり)」という別名があります。シャンデリアのようにぶら下がって咲く花姿が、寺院などの本堂の仏像の下にある天蓋のように豪華であることを例えてつけられました。ちなみに英語で鬼百合は「tiger lily」と呼ばれていますが、これは鬼百合の花の模様や色合いがtiger(トラ)に似ていることが由来です。
鬼百合の球根は食べられる?
鬼百合の球根は食用にもなります。鬼百合の球根は「百合根(ゆりね)」と呼ばれ、玉ねぎやニンニクと同じく鱗茎(りんけい)に分類されます。百合根の栽培には、植え付けまで3年、植え付けてから3年の計6年かかることもあり、とても貴重な食材です。全体的に白く、鱗片に張りがあり、しまりのあるものが新鮮でおいしいです。
どの百合の球根でも食べられますか?
全ての百合の球根が食べられるわけではありません。「百合根」として食べられるのは、鬼百合、カノコユリ、コオニユリ、ヤマユリの4種類のみです。そのほかの百合の球根はアクが強く食用には向きません。
百合根の味と食感
百合根はクセのない淡白な味をしていますが、優しい甘みとさわやかな苦みを含んでいます。生ならコリコリ感を、加熱するとホクホク感を楽しめます。独特な香りを持っていますが、火を入れると香りが和らぎ甘みが増して食べやすくなるため、苦みや香りが苦手な方は加熱調理がおすすめです。
百合根の旬と収穫時期
百合根はいつでもおいしく食べられるわけではなく、旬の季節は晩秋~冬にかけてです。百合根は正月料理によく使われることもあり、出荷の最盛期は12月です。収穫してから2~3ヶ月置いたほうが甘みが増しておいしくなるため、12月の出荷最盛期に向けて早めに収穫します。温暖な地域では8月~秋にかけて、寒冷な地域では10月~冬まで収穫は続きます。
百合根の主な産地
百合根の主な産地は北海道で、日本の百合根生産の95%を占めています。そのほかの産地としては千葉や京都が挙げられますが、生産量は少なめです。北海道が百合根の名産地であるのは、冷涼な地域だからです。百合根は涼しい環境を好み、冬に霜が降りるような寒い場所でおいしく育ちます。
ボタニ子
北海道や千葉、京都以外でも、比較的涼しい気候の場所でなら、百合根は栽培できるよ!
旬の百合根の栄養素
旬の百合根は、カルシウム、鉄、カリウム、リン、食物繊維など多くの栄養素を含んでいます。中でもカリウムは百合根100gあたり740mgも含まれており、体内の水分と塩分のバランス調整やむくみ予防に効果的です。また、良質のでんぷんも多く含まれており、加熱によるビタミンCの損失が少ないのも嬉しい特徴です。
旬の百合根のおすすめの食べ方
旬の百合根が手に入ったら、ぜひいろいろな調理法で食べてみましょう。汚れを切り落とすだけであとは丸ごと使えるため、どんな料理にも使いやすく栄養たっぷりに仕上がります。数ある百合根を使った料理の中でも、子供から大人まで楽しめるレシピを3つご紹介します。
食べ方①サラダ
材料
ゆりね1個(70g前後)
生ハム50g
ほうれん草50g
オリーブオイル大さじ1/2~1
白ワインビネガー小さじ1/2
ハーブソルト適量
作り方
- 百合根の汚れを切り落とし、一片ずつにわける
- 耐熱容器に百合根を入れ、2分半ほど加熱して冷ましておく
- ほうれん草は茹でて食べやすい大きさに切る
- 生ハムは一口大にカットする
- ボウルにオリーブオイル、白ワインビネガー、ハーブソルトを入れてよく混ぜる
- 5に具材を全て入れて混ぜ合わせて器に盛る
作るときのポイント
- 百合根のホクホク感を楽しみたければ長めに加熱する
- 生ハムの塩分によって、ハーブソルトの量は調整する
- トマトやパプリカなどカラフルな野菜を加えると、彩りがよくなっておすすめ
食べ方②ポタージュ
材料(2~4人分)
ゆり根2個(250〜300g位)
玉ねぎ1/3〜1/2個
バター10g
水400g
コンソメキューブ1個
牛乳250g
塩小さじ1/2位
コショウ適量
作り方
- 百合根の汚れを切り落とし、一片ずつにわける
- 玉ネギは皮を剥いて、3mm幅に切る
- 鍋にバターを入れて温め、1と2を炒める
- 3にコンソメキューブと水を入れ、中火で10~15分煮る
- 粗熱が取れたら、ミキサーで撹拌する
- 5を鍋に戻して牛乳を加え温める
- 塩とコショウで味を調える
作るときのポイント
- 百合根の汚れをきちんと取っておくことで、より白く仕上がる
- 百合根と玉ねぎは、炒め過ぎないように気をつける
- 百合根の大きさによってとろみ具合が変わるため、煮詰めて調整する
食べ方③きんとん
材料(4人分)
ゆりね300g
砂糖100g
水100cc
塩少々
作り方
- 百合根の汚れを切り落とし、一片ずつにわけて水にさらす
- 鍋に水、砂糖、塩少々を入れ、水分が半分になるまで煮詰める
- 1をザルに上げ、2に入れて煮る
- 百合根が軟らかくなったら、木べらなどでつぶす
作るときのポイント
- 味が悪くなるため、百合根は長時間水にさらさない
- 好みで砂糖の量を変えて甘さを調整する
- 裏ごしすると、舌触りがより滑らかになる
魅力たっぷりの鬼百合を楽しもう!
鬼百合は、古くから人々に愛されてきた馴染み深い植物です。春には艶やかな緑の葉を、夏~秋にはオレンジ色の鮮やかな花を、冬には栄養たっぷりのおいしい百合根を楽しめます。あちこちでよく見かける花だからこそ、特徴や魅力を知っておくことでより面白く観賞できます。春夏秋冬いつでも魅力あふれる鬼百合を、ぜひいろいろな形で楽しんでみてくださいね。
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鬼百合は、7/22、8/30、9/1、9/15、10/4の誕生花なの。プレゼントの参考にしてね!