フサアカシアの育て方
育て方①準備
必要なもの
- フサアカシアの苗木
- 用土
- (地植えにしないなら)植木鉢やプランター
- (地植えにしないなら)鉢底石と鉢底ネット
- 支柱
フサアカシアは枝が弱く折れやすいため、苗木の段階で幹の太めのものを選びましょう。湿気を苦手とするため、鉢植えで育てる場合は鉢底石をしっかりと敷いてください。地植えで育てるのが一般的ですが、植木鉢やプランターでも育てられます。苗木の段階では小さくても成長が早いため、植木鉢やプランターを選ぶ際には深さのある安定したものを選びましょう。
用土について
フサアカシアは土質を選びませんが、水はけのよい用土を好みます。鉢植えの場合は市販の培養土を使うか、赤玉土6~7:腐葉土3~4の割合で混ぜて準備しましょう。地植えの場合は植え付ける場所の土を掘り起こし、腐葉土を混ぜ込んでください。植え付ける場所の土の通気性が悪いようであれば、川砂や土質改善に役立つパーク堆肥などを混ぜるのもおすすめです。
育て方②栽培環境
アカシアの仲間は乾燥地に自生しているものが多く、湿気を嫌う性質を持っているため、水はけと風通しのよい場所で管理しましょう。根が細いことから苗木の段階では特に倒れやすく、枝も繊細で折れやすいため、強風の当たる場所は向いていません。また、フサアカシアは日光が大好きで成長にも光を必要とします。できるだけ日当たりのよい場所で育てましょう。

ボタ爺
育て方③植え付け・植え替え
植え付け
地植えの場合は苗木の根鉢の2~3倍の穴を掘って苗木を置き、上から用意した用土を入れましょう。苗木が安定するように上から押さえつけて完了です。鉢植えの場合は植木鉢やプランターに鉢底ネットと鉢底石を敷き、半分~6割ほど土を入れます。苗木を置いたら上から土をかぶせて安定させてください。いずれの場合も植え付け後はたっぷりと水を与えましょう。
植え替え
フサアカシアを鉢植えで育てる場合、成長が早く根詰まりを起こしやすいため、2~3年に1回を目安に植え替えましょう。鉢の様子から根詰まりに気づくこともありますが、「水の乾きが早い」「元気がない」なども根詰まりを知らせるサインです。根を傷つけないように注意しながら株を取り出したら、一回り大きな植木鉢やプランターに植え替えてください。

ボタニ子
真下に伸びる太い根を傷つけると、枯れることもあるから注意してね。地植えの場合は枯らさないためにも、植え替えはしないほうがいいよ!

ボタ爺
植え替え直後は根が安定しておらんのじゃ。水を吸い上げる力も弱り気味じゃから、たっぷり水を与えるんじゃよ!
育て方④水やり・追肥
水やり
地植えの場合は降雨のみで問題ありませんが、晴天続きで乾燥がひどい場合には水やりしてください。鉢植えの場合は、苗木が小さい時期や植え付けから1年未満なら、まだ根の張りが弱いため土表面が乾いたタイミングで水やりしましょう。その後は基本的に乾燥気味に育てます。土表面が乾いてから1~2日待ってから水やりしてください。

ボタニ子
夏場の高温期は地植えも鉢植えも乾燥しやすいよ!しっかり観察してあげてね!
追肥
フサアカシアのようなマメ科の植物は、土の中にいる根粒菌という微生物を取り込んで利用し成長に必要な窒素を作り出せるため、あまり肥料を必要としません。葉の色がよくないときや明らかに成長が悪い場合には、粒状肥料を根の周りに適量与えましょう。開花時期を過ぎたらお礼肥として、カリやリン酸の多い緩効性肥料か、液肥を与えてください。
育て方⑤支柱立て・剪定
支柱立て
苗木や小さな株の場合は幹も根も細く、折れたり倒れたりする危険性が高いため、植え付け時には支柱を立てましょう。支柱は、苗木や株全体を支えられる程度の大きさのものを選んでください。特に地植えの場合は移動させるのが難しく、台風などの強風時に支えが必要になるため、支柱はとても大切です。

ボタ爺
幹が太めなら支柱は外してもいいけど、細いようなら成長しても支柱は立てておくとよいぞ!成長にあわせて支柱のサイズも変えるんじゃよ!
剪定
生育促進や病気予防、樹形を整え花数を増やすためにも剪定が必要です。開花時期が過ぎてから花芽が形成される前の7月までが剪定の適期です。込みあっている枝や伸びすぎたものを切り落としましょう。枝を切り落とす際は、新芽か葉、小枝のいずれかを残した位置でカットしてください。鉢植えなどで大きく育てたくない場合は、幹を好みの高さで切りましょう。

ボタ爺
花芽が形成されて以降に剪定してしまうと、次の年に花が咲かなくなるかもしれんのじゃ。時期には気をつけてのう!
育て方⑥害虫・病気
害虫
基本的には害虫はつきにくいですが、環境や手入れ不足などによって発生する場合もあります。主に発生する害虫としては、葉や細い枝にはカイガラムシやミノガ、幹にはカミキリムシの幼虫、根にはコガネムシの幼虫などが挙げられます。吸汁あるいは食害、病気の媒介などによって枯れる原因を作り出すため、見つけ次第すぐに取り除きましょう。

ボタニ子
いずれの場合も、大量発生や被害がひどければ、薬剤散布で対応してね!
ポイント
- カイガラムシ:歯ブラシでこする
- ミノガ:増殖しやすい・見つけたらすぐに捕殺
- カミキリムシ:幹に穴や木くずがあれば要注意・樹勢を整える
- コガネムシ:数匹でも大きなダメージを与える・薬剤散布が効果的
病気
フサアカシアは病気にかかりにくいですが、強いて挙げるならうどん粉病に気をつけましょう。うどん粉病は土中にいる糸状菌と呼ばれるカビが原因の病気です。窒素分が多すぎると発病リスクが上がるため、肥料の与え方には十分注意してください。また、剪定をして通気性の確保に努め、日がよく当たるようにすることも発病予防につながります。
育て方⑦夏越し・冬越し
夏越し対策
フサアカシアは暑さに強く、夏越し対策は必要ありません。ただし暑さや高温には比較的強いですが、そこに多湿状態が加わると弱る原因になります。水やりのタイミングや頻度には気をつけましょう。
冬越し対策
冬の寒さには弱く、長く霜が当たるような場所では冬越しが難しいです。鉢植えの場合は冬の間は室内に移動させたほうが無難です。寒冷な地域に地植えする場合は、雪の重みや北風で枝が折れないように、適期にコンパクトに剪定し幹巻きやこも巻きをしましょう。さらに、数本の支柱で株を囲いビニールを巻き付けて覆うと、寒さや風をしのぎやすくなります。

ボタニ子
幹巻きやこも巻きには、ワラを編んで作られたむしろや幹巻きテープを使うと簡単だよ!

ボタ爺
対策をしても100%うまくいくわけではないんじゃが、何もしないよりは越冬しやすくなるぞ!
フサアカシアを育ててかわいい花を咲かせてみよう!
フサアカシアは銀白色と深い緑色のきれいな葉を通年楽しめることから、ヨーロッパを中心に世界各地の人々に愛されています。開花時期にはコロンとかわいらしい黄色い花だけでなく、甘く心地よい香りを楽しませてくれます。剪定など手入れをしっかりとして、ぜひ魅力いっぱいのフサアカシアを育ててみてくださいね。
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鉢植えなら状況に応じて移動させてあげるんじゃ。地植えにするなら植え付ける前にしっかりと場所を考えるんじゃよ!