ラベンダーグロッソの育て方【特別な管理】
切り戻し
ラベンダーグロッソの管理のなかでも大切なのが「切り戻し」と呼ばれる剪定作業です。ラベンダーは木質化する植物ですが、定期的に剪定することで木質化のスピードを遅くできます。また、樹形を整え枝や花数を増やすだけでなく、蒸れを防ぎ成長しやすくなります。切り戻しの適期は花芽ができる前の、早春の3月ごろです。
ボタニ子
ボタ爺
高さのある植物じゃから剪定せずに放っておくと倒れることがあるんじゃ。倒れるほどになる前に、しっかり剪定するんじゃよ!
木質化ってなんですか?
木質化とは、長期栽培している多年草に見られる現象で、茎が木のように硬く茶色く変色することをいいます。ゼラニウムやローズマリー、ラベンダーなど低木によく見られ、基本的には止められません。特にハーブ系の植物の木質化が進むと香りや味が落ちるため、こまめな剪定などで木質化を遅らせるか、挿し木などで新たに増やして対応しましょう。
やり方
切り戻しのやり方はとても簡単で、株の上から約2/3の位置でバッサリ切り落とすだけです。注意すべきは「新芽の位置」です。各枝ごとに根元近くの緑色の小さな芽を探し、その上部分でカットしてください。新芽がついていないと剪定後にスムーズに成長できず「大きくならない」「花が咲かない」ケースがでてくるため、よく観察してから剪定しましょう。
花後の管理
花が咲いたら収穫も兼ねて剪定しましょう。花後の剪定は通気性をよくし、花や株の成長促進につながります。剪定は難しくなく、花が咲いている根元の茎からカットするだけです。伸びすぎている枝や地面についてしまっているもの、枯れている枝もあわせて剪定すると、夏の蒸れ対策にもなります。
ボタニ子
うまく花が咲かない原因の多くは、剪定不足にあるんだって!面倒くさがらず、しっかり剪定してね!
夏越し
ラベンダーの中でも暑さに強いタイプですが、高温多湿状態が続くと弱りやすく枯れる原因になるため夏越し対策をしましょう。鉢植えの場合は、風通しのよい半日陰の場所で管理してください。庭植えの場合は、直射日光や雨が当たりにくい場所に植えて管理しましょう。盛り土で水はけと通気性を確保するのもおすすめです。
ボタニ子
雨水による泥はねも弱る原因になるよ!泥はねは病気の原因にもなるの。雨が続くときはビニールで株元をマルチングすると安心かも!
冬越し
ラベンダーグロッソの耐寒気温は-10℃ほどと寒さに強く、基本的に冬越し対策は必要ありません。ただし、凍結や霜が続くと株が弱り枯れることがあるため、寒冷地で栽培する場合は冬越し対策をしたほうが安心です。鉢植えであれば風をしのげる場所や室内に移動させましょう。庭植えの場合は株元を腐葉土やワラ、パークチップなどでマルチングしてください。
増やし方
ラベンダーグロッソの増やし方でおすすめなのは「挿し木」です。発根率が高く育てやすいため、初心者の方でも失敗少なく増やせます。挿し木の適期は晩春である5月~暑くなる前の6月ごろです。ラベンダーは成長するとともに木質化が進み、香りが落ちていきます。木質化は止められないため、ある程度成長したら挿し木で増やして更新していくのがおすすめです。
種からの増やし方は簡単ですか?
ラベンダーグロッソは種からも増やせますが手間がかかります。種がつきにくいため、植えている株から種を採取するのは難しいです。また種まきは増やし方の中でもとても時間がかかることもあり、あまりおすすめしません。成功率が高く成長も早い増やし方は挿し木です。
挿し木のやり方
枝の先端部分を約10cm切り取ります。下の部分(1/3ほど)の葉を取り、土に挿すほうの枝先を斜めにカットしてください。斜めにすることで吸水率が上がります。30分~1時間ほど水揚げしたら挿し穂の完成です。挿し穂の準備ができたら、赤玉土やバーミキュライトなどの清潔な土に挿しましょう。倒れることのないように、しっかりと挿してください。
ボタ爺
挿し穂はたくさん作っておくと失敗したときにやり直さなくて済むぞ!花がついている場合は、栄養がとられないようにカットするんじゃ!
ボタニ子
完全に木質化した部分を使うよりも、新しく元気な部分を挿し穂にするほうが成功率が高いよ!
挿し木後の管理方法
挿し木が終わったら、直射日光の当たらない明るい半日陰で管理しましょう。成長に日光は必要ですが、根が安定しない状態で強い日に当ててしまうと失敗や枯れる原因になることから、半日陰が適しています。発根前は吸水しにくいため、毎日水を与えてください。3週間ほどで発根します。ひとつの容器にいくつかの挿し穂を挿した場合は、発根後ひとつずつポリポットに移し替えましょう。
ボタニ子
ある程度の大きさに育ったら、好みの容器に鉢上げしよう!簡単な増やし方だから、ぜひ挑戦してみてね!
香りのよいラベンダーグロッソを育ててみよう!
ラベンダーグロッソは花穂が大きく高さもあり、庭や花壇を華やかに彩ってくれるすてきな植物です。木質化で香りが弱くなってしまったら、挿し木で新たに増やしましょう。増やし方は難しくなく、たくさん増やしてプレゼントするのもおすすめです。多湿状態にならない植え方や、水枯れを起こさない水やりの仕方などの育て方のコツを押さえて、楽しく育ててみてくださいね。
定植後2~3年目から始めてね!以降は年に1回のペースで切り戻すといいよ!