ウツギの種類【ユキノシタ科4種】
①トキワウツギ
たくさんの小さな花で枝がしだれる
トキワウツギは中国原産で、開花時期が4月~5月です。枝先に1cm~2cmの小さな花をたくさん咲かせるため園芸種として人気があり、「雪姫」という名前で流通しています。トキワウツギの花弁は5枚で少し外側に反り返り、中央はめしべやおしべを守るように円柱状のものが突き出ています。
②ウツギ
奈良時代から日本人に愛されたウツギ
ウツギは1.5m~2mに成長する植物で、開花時期は旧暦の4月卯月(うづき)にあたる5月~7月です。ユキノシタ科ウツギ属のウツギは万葉集にも登場するほど昔から、日本人に愛されてきました。花は白く直径は1cmほどですが、円すい型にたくさん咲かせ、別名を「卯の花」といいます。
③サラサウツギ
更紗(さらさ)の名前が似合う美しさ
サラサウツギは樹木が1.5m~2mに成長するユキノシタ科ウツギ属の植物で、枝分かれが多いのが特徴です。蕾が淡い紫がかったピンク色で、開花するとその色は外側の花弁として残ります。花の内側は純白の八重咲きで、別名をヤエウツギといいます。サラサウツギは5月~6月にボリュームある花が下向きにいっせいに開花するため、迫力があるのも特徴です。
ボタニ子
④マルバウツギ
葉の形がそのまま名前についた
マルバウツギは葉の形が卵型だったり楕円形だったりするため、そのまま丸い葉として名前がつきました。マルバウツギの開花時期は4月下旬~5月です。ユキノシタ科ウツギ属としては小さい白い1cmほどの星形をした花が、空を向いてたくさん咲きます。マルバウツギは花の中にオレンジ色の輪があることと、花の下の葉には柄がないことが特徴です。
ウツギの種類【アジサイ科6種】
①ガクウツギ
ガクが白い花弁に見えるガクウツギ
ガクウツギは東海地方以西の山に自生する、アジサイ科アジサイ属の植物です。白い花弁に見えるものは咢が変形した装飾花で、本物の花は淡い黄緑色~黄色で0.5cmほどの両性花です。開花時期は5月~6月で、装飾花の咢は3枚のものが多くまれに4枚や5枚のものもあります。ガクウツギより花や葉が一回り小さく、開花時期が6月~7月で低山に自生するのはコガクウツギです。
②ノリウツギ
複数の種類があるノリウツギ
ノリウツギの開花時期は7月~9月でウツギと名前がつきますが、アジサイ科アジサイ属の仲間です。ノリウツギの花に見えるクリーム色がかった白い花弁は咢が変化した装飾花で、最初は上を向いて咲きます。中央にある両性花が終わるころに、ピンク色に変色し下を向くのが特徴です。ノリウツギの原種は素朴ですが、華やかな園芸種が多数で流通しています。
③サクラウツギ
花色から名前がつけられた
サクラウツギは5枚花弁があるものと八重の種類があり、どちらも花色が桜色のためこの名前がつきました。サクラウツギの開花時期は5月~6月で、枝先に花を咲かせます。花弁の先の色が濃く、中央に向けて淡い色にグラデーションになり中央は白くなるのが特徴です。ウツギの中では最も色が濃いとされ、ベニバナバイカウツギとも呼ばれます。
④シロバナヤエウツギ
ウツギの八重種
シロバナヤエウツギはアジサイ科ウツギ属の植物で、開花時期は5月~7月です。シロバナヤエウツギは八重種で、真っ白な花を枝先に円すい型にたくさんさかせて、清楚ながらも豪華な印象を与えます。シロバナヤエウツギは美しいため園芸種と間違えやすいですが、日本固有の自生種で野山に生え、2mほどに成長します。
⑤ヒメウツギ
小さな花をたくさん咲かせる
ヒメウツギの開花時期は4月~5月で、1cm~1.5cmの純白の花をやや下向きにたくさん咲かせます。アジサイ科ウツギ属でウツギに似ていますが、ヒメウツギはウツギよりも小さく樹高は60cm程度でほふく性です。ヒメウツギは日本固有種で古くから自生していますが、近年では園芸種も多く作られています。花を多くつける品種のため、満開のときは株が見えなくなるほどです。
⑥バイカウツギ
白梅を連想させる花
バイカウツギは日本が原産で、開花時期は5月~7月です。アジサイ科バイカウツギ属で、別名をサツマウツギといいます。白い梅に似た花が咲きますが、梅の花びらが5枚なのに対してバイカウツギは4枚です。一重が多いものの、八重や半八重、葉に斑がはいるバリエガタなど複数の種類があります。どの種類も甘いよい香りがし、香水の原材料として扱われることもあるようです。
サラサウツギはウツギの中で一番美しいと、いわれることがあるそうよ。