パイナップルの増え方
パイナップルの苗は収穫した後、次にできる果実が小さくなります。常に同じように美味しいパイナップルを収穫して販売するために、3年以上同じ株を栽培する農家は少なく、最大でも4~5年ですべて植え替えられます。
種が少ないパイナップルはどんな増え方をしますか?
パイナップルの株は花が咲くだけでなく、たくさんの芽が出ます。一般的にパイナップル農場での増やし方は、よい果実のとれる株の芽を挿し木して苗を作る方法です。新芽は発生した場所ごとに成長する速さが変わります。
パイナップル株の構造
パイナップルの株の構造は、根、茎、葉を持ち、基本的な草花と同じです。成長したパイナップルの株は果実の上に冠芽(かんが、クラウン)、果実の下にえい芽(slip)、根元付近にきゅう芽(sucker、pup)と呼ばれる芽が出ます。
冠芽の挿し木
冠芽はパイナップルの果実の上に冠のように出た葉っぱの部分です。葉っぱの部分を果肉からきれいに切ってさし穂を作り、栽培すると3~5年で花が咲き果実ができます。栽培期間が長すぎるため、パイナップル農家ではあまり行われていません。
ボタ爺
ヘタを捨てずに利用できるので、エコロジー活動として農家や企業が栽培する場合があるぞ。
ボタニ子
パイナップルを食べた後、インテリアとして自宅で栽培するのにおすすめの増やし方ですよ。
えい芽の挿し木
えい芽は、パイナップルの果実の下あたりに出る新芽です。はじめは果実の下にもうひとつふたつ小さな果実ができたように見えるでしょう。えい芽ができると果実が育ちにくくなるため、約10cmに成長したら取ってさし穂をつくります。えい芽の挿し木は約1年半で実がなります。
ボタニ子
えい芽の挿し木は大量生産するパイナップル農場で利用する増やし方のひとつです。
きゅう芽の挿し木
きゅう芽は成長したパイナップルの株元、葉の根元や脇から出る新芽です。きゅう芽は成長させてかき取り、乾かしてから植えるとおよそ1年半で新しい果実ができます。きゅう芽を親株にひとつ残して育てると、そこに翌年花が咲きパイナップルの実がなります。
ボタニ子
きゅう芽の挿し木もパイナップル農場で行う増やし方です。
ボタ爺
繰り返しきゅう芽を残す方法で栽培すると果実が小さくなるぞ。
種から増やす
パイナップルは種をまいて増やせますが、種から育てると収穫まで7~8年かかるといわれているために、農場などにふさわしい増やし方とはいえません。スーパーや青果店で購入したパイナップルの種は、発芽させて観賞用として気長に育てるのがおすすめです。
ボタニ子
食べるために購入したパイナップルの種は発芽を抑える薬が使用されている場合があります。
ボタ爺
種はきれいに洗ってから発芽させるのじゃよ。
パイナップルのなり方に注目しよう
パイナップルは日本で身近に生える植物ではなく、どうやってなるのかを知る機会があまりありません。機会があればパイナップル畑の画像を見たり熱帯植物園に行ったりして、果実のなり方に注目してみましょう。市販の苗を購入して、暖かい所でパイナップルを栽培して花や実を楽しむのもおすすめです。
ボタニ子
沖縄県の本島北部や石垣島、ハワイなどに、パイナップルのテーマパークや観光農園があります。
ボタ爺
パイナップル畑を見学したり収穫を体験したりするのがおすすめじゃよ。
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出典:写真AC