アカシアの花言葉
アカシアの花言葉はいくつかありますので、それぞれご紹介します。
アカシアの花言葉① 優雅
爽やかな甘い香りからでしょうか。しなやかな枝も優雅な印象です。
アカシアの花言葉② 友情
花期がちょうど卒業の季節と重なりますね。友情を込めてプレゼントするのもいいかもしれません。
アカシアの花言葉③ 秘密の恋
昔、アメリカ原住民の若者が恋を告白するときにアカシアの花を使った、というエピソードから来ているようです。ただし、北米に自生するのはニセアカシアであるため、もともとニセアカシアにつけられた花言葉が転用されたと考えられます。
アカシアの花言葉④ 豊かな感受性
こちらは本来の「ミモザ」であるオジギソウと同じ花言葉なので、2つが混同した際に花言葉も混ざったものと思われます。オジギソウの指で触れると閉じる習性を「感受性」と表現するのは素敵ですね。
ミモザ?ニセアカシア?名前の混乱について
上記の花言葉の説明にも出てきましたが、アカシアは日本一名前がこんがらがっている植物といっても過言ではありません。まずはよく似ているのに名前が違う?という「ミモザ」との関係について解説します。
ミモザとの違いは?
小さな黄色いポンポンを集めたような花「ミモザ」はアカシア属の仲間です。たくさんあるアカシアの種類の中でも、ギンヨウアカシアやフサアカシアといった花が黄色で球状の品種を指してミモザと呼ぶのです。
ミモザの名前の由来
しかし、どうして一部のアカシアだけ呼び名がちがうのでしょうか?
それは19世紀、オーストラリアからヨーロッパに持ち込まれた時にさかのぼります。ギンヨウアカシアを見て「オジギソウに似ている」と思ったヨーロッパの人がアカシアをオジギソウの名前で呼びました。
オジギソウの学名は Mimosa pudica(ミモサ プディカ)。この植物(アカシア)はミモザの名前とともに広まり、ヨーロッパで定着した人気品種は「ミモザ」と呼ばれるようになったのです。ちなみに多くの種の原産であるオーストラリアでは、これらをひっくるめて「ワトル」と呼んでいます。
ニセアカシアはちがう花?
ミモザとアカシアはほぼイコール、というのは分かっていただけたかと思いますが、アカシアにはもうひとつややこしい存在があります。
「ニセアカシア」という名前を聞いたことはないでしょうか?ニセアカシア(学名Robinia pseudoacacia、別名ハリエンジュ)は北米原産のマメ科の樹木で、寒さに強いため北海道でよく街路樹として植えられています。
もちろんニセとはいっても劣っているわけではありません。学名のpseudoacaciaが「アカシアに似ている」という意味なので、直訳したに過ぎないのです。(どちらのアカシアも、甘い香りとロマンチックなイメージは共通です。)
同じマメ科ではありますが、花の形はかなりちがいます。黄色の球または穂状のアカシアに対して、ニセアカシアは白い蝶のような形の花を咲かせ、時期も5〜6月の初夏です。
本家のアカシアは暖かく乾燥した地域を好むので、関東より北では庭木としてもほとんど見られません。このように全くちがう2つのアカシアですが、ニセという言葉にあまりいい印象がないせいか、「ニセアカシア」も、ただ「アカシア」とだけ表されることが多いようです。
これもニセアカシア?
では、「ニセアカシア」が「アカシア」として表されている例をあげていきます。
①はちみつ
代表的な例がアカシアはちみつ。はちみつ売り場でかなりのシェアを占める人気のはちみつですが、実はニセアカシアの蜜なのです。 (たしかに、食品名に「ニセ」とつくと余計な不安を感じさせてしまいますものね。)
②童謡「この道」
《この道はいつかきた道 ああ そうだよ あかしやの花が咲いてる》
北原白秋の童謡「この道」にはアカシアが登場しますが、このアカシアも「ニセアカシア」のことです。
詩のモデルになったのは、北海道の札幌市にあるニセアカシアの並木道だということです。
③歌謡曲、J–POPのアカシアの花
昭和のヒット曲「アカシアの雨がやむとき」(西田佐知子)、それと同じ歌い出しの「人魚」(NOKKO)など、アカシアが出てくる歌は枚挙に暇がないほどですが、これらもニセアカシアのことだとされています。他にも松任谷由実、レミオロメンなどがニセアカシアを歌にしています。
ヨーロッパにおけるアカシア(ミモザ)の文化
最後に、アカシア(モミザ)に関連するヨーロッパの文化についてご紹介します。
ミモザの日
イタリアでは3月8日は「ミモザの日」。日頃の感謝をこめて、女性にミモザを贈る習慣があります。もともとは女性たちが参政権を求めてデモを行った日であり、「国際女性デー」という記念日にもなっています。
ミモザの花祭り
南フランスの各地で、ミモザの花が咲く早春の季節にミモザ祭りが催されます。花で飾られた山車がパレードをし、街中がミモザの黄色であふれる春のお祝いです。南仏の人々にとってのミモザは、日本人にとっての桜のような存在なのかもしれませんね。
食卓でのミモザ
- 細かく刻んだゆで卵をミモザに見立てた「ミモザサラダ」
- 黄色いふわふわのスポンジで表面を覆った「ミモザケーキ」
- シャンパンとオレンジジュースで作られる爽やかな印象のカクテル「ミモザ」
まとめ
有名な割にあまり知られていないアカシアのイメージ、はっきりしたでしょうか?ミモザは「黄色くて丸い花が咲くアカシア」のことだったんですね。ヨーロッパのイメージが強い花ですが、原産はオーストラリアやアフリカといった南半球なのもちょっと意外ではなかったでしょうか。
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(写真はニセアカシア)