干し柿とは
柿の果実を干すことで、栄養価や甘味を高めたドライフルーツの一種が干し柿です。冬になるとよく田舎の軒先に紐などで吊るされています。甘く食べやすい干し柿は、体にいいとか美容にいいとかいわれ、つい食べ過ぎることも多くなる食べ物です。しかし、どれだけ体にいいと言われても、栄養価やカロリー、食べ過ぎたことによる健康への害などが気になるところです。今回はそんな冬の味覚である干し柿の、栄養素や栄養価、カロリーなどを詳しく解説します。
干し柿はどうやって作られる?
干し柿にする柿は、小ぶりの渋柿です。渋柿は生のままでは渋みが強く食べることができません。しかし、日の光を浴びてゆっくりと水分を抜いていくうちに渋味が抜けて甘くなるのです。渋柿の中に含まれる苦みや渋みの成分の「タンニン」が変化し、子供でも食べやすくなります。
干し柿の成分
渋柿から干し柿にすることで、栄養価は変化しています。カロリーは水分が抜けた分かなり高く、失った栄養成分もあります。しかし、干し柿は栄養価が高く、また健康だけでなく、美容にもいい成分なども含まれています。ここでは干し柿の成分を詳しく見ていきましょう。
干し柿って甘くて大好きだけど、そのぶんつい食べ過ぎてしまうわよね。そうなると栄養価やカロリーが気になるわ。健康にいいって本当かしら。
そうだね。干し柿には健康や美容にいい成分がたくさん含まれているんだ。だから体にいいのは確かだよ。でもいくら体にいいからって食べ過ぎはいけないよ。
カリウムやビタミンCが主な栄養成分
渋柿に含まれている栄養成分としては、カリウムやビタミンCが中心であり、そのほかにもナトリウムや各種ビタミン、ナイアシン、カリウムがあります。また食物繊維は甘い柿よりも渋柿の方に多く含まれます。豊富な栄養価の多くは干し柿にしてもそのまま受け継がれ、さまざまな効能を発揮してくれます。干し柿を食べると体にいいというのは、間違いではありません。
炭水化物も豊富に含まれる
干し柿にはたくさんの炭水化物が含まれています。もともとドライフルーツはどれも炭水化物の割合が多い食べ物であり、干し柿も同じです。そのほか、食物繊維も豊富に含まれているのは、干す前と変わりありません。ミネラルやマンガン、カリウムもまた多く含まれている栄養素です。
渋柿の方が糖度が高い
渋柿は渋みも強いですが、糖分もかなり含まれており、甘柿よりも糖度は高いです。そのため、甘柿を干して渋柿同様干し柿にすることはできますが、残念ながらもともとの糖度の関係で、渋柿ほどに甘い干し柿を作ることはできません。干し柿は糖分が多く含まれるため食べすぎには注意しましょう。
干し柿のカロリー
干し柿を食べるときに気になるのは、カロリーです。生食で柿を食べるときよりも甘く、糖分が多い干し柿ですが、実際にはカロリーは高くなっているわけではありません。干し柿1つあたりは100Kcal前後です。しかし水分が減った分、重さも減って、食べやすくなっているため、ついつい食べ過ぎてしまいがちです。そのため、カロリーの過剰摂取には注意する必要があります。
干し柿の種類の違いとカロリー
干し柿には大きく分けて3つの種類があります。ねっとりとした甘みと鮮やかなオレンジ色が特徴の「あんぽ柿」、水分を3割ほど残した飴色の「ころ柿」、よく軒下につるされている、黒くてかたい「吊るし柿」です。それぞれに特徴がありますが、基本的な成分やカロリーに変わりはありません。
子供が食べるときには注意
干し柿はカロリーや糖質が多く、食べ過ぎると健康を害する恐れもあります。甘いためついつい食べ過ぎてしまいがちですが、特に子供は体が小さいため、食べるときには注意が必要です。子供に食べさせるときには、大人より量を少なくしましょう。
出典:写真AC