シャインマスカットを自宅で育てよう！鉢植え・剪定など管理のコツは？

シャインマスカットは樹勢の非常に強いぶどう品種なので、剪定は欠かせない作業です。鉢植えの場合の仕立て方は行灯仕立てか、一文字仕立てが一般的でしょう。1年目の苗は鉢植えの地上30センチで、2芽から3芽を残して切り取ります。2年目になったら行灯仕立てにするか、一文字仕立てにするか決めて剪定を行なってくのがよい剪定方法です。

剪定は遅くても2月までに終えます。シャインマスカットを剪定するときは芽と芽の間の枝を切るのではなく、残す芽の一つか二つ上の節（芽となる部分）を半分に切る気持ちで行ないます。また6月にも葉が茂りすぎていると病気の原因になるので、果実1房に付き葉を10枚から20枚残して後は取り除きます。

シャインマスカットのような欧州系白ぶどうの品種は、病気に弱い一面があります。代表的な病気は黒とう病やべと病・うどん粉病などで、葉や幹を食い荒らす害虫はコガネムシやカミキリムシ・ブドウスカシバなどに注意が必要です。

5月から6月にシャインマスカットか罹り易い黒とう病やべと病の原因となるのは、葉が茂りすぎて蒸れることや雨が原因です。薬剤をなるべく減らして栽培したいときは、鉢植えにピートモスやバーク材を敷き詰めて土の跳ね返りをさせないことが予防になります。

シャインマスカットの葉や茎、さらには蕾や花弁をも食い荒らすのがコガネムシです。カミキリムシも幹の根元に卵を産みつけ、その幼虫は幹の中を食いストローのようにしてしまいます。なるべく薬剤を使わずに栽培したいならば、6月から7月に黄色いフェロモンテープを鉢植えから離れた場所に吊るすか、または鉢植え全体をビニール袋か不織布で覆うことが予防となります。

シャインマスカットを自宅で栽培するとき、鉢植えでもできる仕立て方には行灯（あんどん）仕立てと一文字仕立てがあります。一文字仕立てはベランダの手すりを利用するして横に誘引していき、行灯仕立ての場合はリング支柱を使って枝を巻きつける方法です。

シャインマスカットは朝顔のように行灯仕立てにすると場所を取らず、鉢植えでも育て易くなります。支柱は棒状のものを3本使うか、またはリング状の支柱（90センチくらいのもの）を用意して麻ひもで枝を誘引します。このときあまり下のほうで枝を巻きつけて仕舞うと、果実が生った時に土に付いて病気の原因となるので十分に注意しましょう。

挿し木はシャインマスカットを剪定した枝を利用して行ないます。5月から6月に要らない枝を、通気性のよい赤玉土に挿して増やすことができます。冬場に剪定した枝は濡らした新聞紙などで包み、ビニール袋へ入れて冷蔵庫の野菜室で保管しましょう。

シャインマスカットの挿し木では直接赤玉土に挿しておく方法と、ペットボトルや生け花で使うスポンジ状の台を使って、先に根を出させてから植える方法があります。またちょっと上級者向けとなりますが、植わっているぶどうの枝をカッターなどで縦に割り、剪定したものを接木テープで留めておく挿し木の方法もあります。

シャインマスカットの挿し木を植え替える時期は、春4月から5月くらいが最適です。用土は苗を植えつけるものと同じ赤玉と腐葉土を使います。植え替えるときに気をつける事は、根が張っているか優しく挿し木を左右に押してみて、動かないことを確認してから根鉢を崩さないように植えていきます。

シャインマスカットを家庭で育てるのは時間も労力も要る作業です。でも、それだけ手を掛けたからこそ、収穫したときの喜びは一入でしょう。お店で購入したシャインマスカットも美味しいですが、自宅で採れたぶどうはさらに格別の味わいがあるはずです。