育て方のポイントその⑤:剪定
花芽がつく前に剪定する
野牡丹は春先に花芽をつけます。そのため、4月中に剪定を済ませておくのが基本です。花芽ができたあとに剪定すると、開花時期を迎えても花が咲かないことになってしまいます。あまり強い剪定をしてしまうと枯れる恐れがあるので、混み合っている枝を整理したり、葉が茂り過ぎて光合成ができなくなっている枝を取り除いたりする程度にとどめましょう。
咲き終わった花を摘み取る花がら摘みは、株の衰弱を防ぎ、次の開花を促すために必要な作業です。開花中はしっかり行いましょうね。
暖地は剪定時期に注意
野牡丹の花が咲かない原因の1つとして、剪定時に花芽を切ってしまった可能性があげられます。その年の気候条件によっては、剪定の適期とされる4月にもう花芽をつけていることがあります。特に関東よりも西の温暖な地域の場合、本来の季節よりも気温が高い日が続いた結果、花芽がつくのが早くなることは十分に考えられるでしょう。この場合は適期にこだわるよりも、株の様子を見て自分で判断してくださいね。
育て方のポイントその⑥:病気・害虫対策
アブラムシに注意
野牡丹は病気や害虫に強いという、非常に喜ばしい特徴を持っています。病気に関してはほとんど問題ありません。野牡丹好みの環境を整え、維持できていれば大丈夫でしょう。害虫に関してはアブラムシに注意が必要です。普段からよく株を観察し、発見したらすぐに駆除しましょう。予防策として定期的な薬剤・忌避剤散布もおすすめです。
育て方のポイントその⑦:季節ごとの管理方法
ここでは、季節の管理方法を紹介します。野牡丹は丈夫な植物ですが、季節の温度差に弱いため、夏越しや冬越しを工夫する必要があります。この管理をおろそかにすると「つぼみが落ちる」「葉が傷む」などの生育障害が起こり、最悪枯れてしまうこともあるため、しっかり管理することを心がけましょう。
季節ごとの管理方法①:冬越し
室内でも日当たりのよい場所で管理する
野牡丹は霜に当たると枯れてしまうため、冬越し対策は欠かせません。霜にあたらないように、室内や軒下で管理するのが冬季の管理方法の基本です。ただし環境の激変にも弱いので、日当たりのよい戸外からいきなり室内へ引っ越しさせると、葉やつぼみが落ちることがあります。さらに冬でも日当たりが悪いと、つぼみや葉が落ちるだけでなく枯れることもあるので、室内でも日当たりのよい場所を確保しましょう。
地植えはマルチングがおすすめ
霜の降りない暖地なら、室内ではなく地植えでの冬越しも可能です。その場合はマルチングすることをおすすめします。マルチングとは、わらやウッドチップを株元に敷いて根を寒さから守る方法です。マルチングは寒さから根を守るだけではなく、雑草や用土の乾燥を防ぎます。根が守られるので、地上部が枯れても春が来れば、また芽を出しますよ。
季節ごとの管理方法②:夏越し
野牡丹は日当たりを好む植物ですが、真夏の直射日光のような強過ぎる日差しはNGです。日照不足が、つぼみや葉が落ちる原因となることはすでに触れましたが、夏の直射日光は葉焼けして枯れる原因になってしまいます。鉢植えなら直射日光を避けられる室内や軒下に移動させて管理、地植えの場合は遮光ネットなどで日差しを和らげる工夫をしましょう。
すでに触れたように、野牡丹は環境の変化に弱いので、鉢植えを移動させる際は注意しましょう。
夏の時期に室内で管理する場合も、日当たりのよい場所に置くのは絶対だけど、カーテンなどで日差しを和らげておこうね。
野牡丹(ノボタン)の増やし方
おすすめの方法は挿し木
植物の増やし方には種まき、挿し木、株分けといろいろありますが、野牡丹の場合は挿し木が一般的です。野牡丹は挿し木の成功率が高い上に、挿し木が4月~6月、剪定が4月中と、適期が合致するので効率的に作業を進められます。
- 今年伸びた若くて勢いのある枝の中で、まっすぐでつまようじ程度の太さのものを選ぶ。10cmほどの長さに切り、下のほうの葉を取り除く。終わったら水に挿して30分~1時間ほど給水させる
- 挿し木専用土、あるいは赤玉土に挿し、乾燥しないように日陰で管理する。枝が倒れないように、水やりは霧吹きで行うのがおすすめ。うまくいけば1カ月ほどで発根する。その後は徐々に日光に当てていき、根がしっかり張るまで育ったところで鉢や花壇などに定植させる
まとめ
野牡丹の最大の特徴である濃紫色の花は、遠目からもわかるほど鮮やかで美しいです。つぼみや葉が落ちることのないように、健やかに育てて極上の花をお庭に咲かせましょう。
株の半分を切り戻すような強剪定は、植え替えや株の樹高を低くしたいときだけにしておこうね。