キリシマツツジの育て方
ここではキリシマツツジの育て方を紹介します。日本原産種であるキリシマツツジは、元々日本の気候が合っている上に丈夫で強健なので、それほど手入れしなくても普通に育ちます。ですがきちんと管理して適切な手入れを丁寧に行えば、より強く育ち、より美しい花を咲かせてくれるでしょう。
キリシマツツジの育て方:1年間の管理スケジュール
作業の適期 | 行う作業 |
3月から4月 | 植え付け・植え替え |
4月から5月 | 開花 |
5月から6月上旬 | 剪定 |
9月から10月 | 植え付け・植え替え |
2月と9月 | 肥料 |
一年間の管理スケジュールを上の表にまとめました。ただし、品種や気候条件、環境などによっては作業の適期にズレが生じることがあります。この管理スケジュール表は、あくまでも手入れや作業の目安として考えてください。
キリシマツツジの育て方のポイント
ここからは、キリシマツツジの育て方のポイントの紹介です。植え付け・植え替えや水やりに肥料、病気や害虫の防除方法など、キリシマツツジを美しく育てるために欠かせないポイントについて説明します。各作業のやり方やコツをしっかり把握して、キリシマツツジを健やかに美しく育てあげましょう。
育て方のポイント①植え付けと植え替え
植え付け・植え替えの適期
キリシマツツジの植え付け・植え替えの適期は、休眠期が終わって根が動き出す時期と、休眠期に入る前です。月でいうと3月から4月、9月から10月が適期にあたります。反対に絶対避けなければならない時期は、開花期と梅雨時、そして気温が高い夏季です。キリシマツツジは日光を好むので、地植えの場合は、日当たりのよい場所に植え付けましょう。
キリシマツツジが好む土・用土とは
弱酸性で水はけのよい土壌がキリシマツツジの好みです。地植えの場合は、植穴に腐葉土やピートモスなどを混ぜておきます。これは土壌をキリシマツツジの好みに合わせると同時に、深植えになるのを防ぐ目的があります。キリシマツツジは深植えすると、根が呼吸できず根腐れを起こしてしまうからです。鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)4:鹿沼土(小粒)3:ピートモス2:バーミキュライト1の割合で用土を作って植え付けます。
育て方のポイント②水やり
地植えの場合、水やりは基本的には必要ありません。ただし、植え付けてすぐのまだ根が十分に生長していない時期と、真夏や日照りが続いた時など乾燥が酷い時期には必要です。鉢植えの場合は表面の土が乾いたら与えます。キリシマツツジは根の張りが浅いので、水切れに気をつけましょう。特に土が乾きやすい夏は要注意です。
育て方のポイント③肥料
肥料は植え付け・植え替えの際の元肥の他、寒肥として2月、追肥として9月、さらに花後にお礼肥として与えます。キリシマツツジは濃い肥料は苦手なので、油粕や骨粉のような、ゆっくりと効く有機肥料がおすすめです。ただし、肥料の成分が水やりの際に流れてしまうことが多い鉢植えの場合は、緩効性の化成肥料を与えてもよいでしょう。
育て方のポイント④剪定
キリシマツツジの剪定作業は、花後に行うのが基本です。遅くても6月上旬までには済ませておきましょう。キリシマツツジは7月から8月に花芽を分化させるので、夏以降に剪定すると、来年の花が咲かなくなってしまいます。キリシマツツジは剪定に強いので、適期さえ守れば強く刈り込んでも大丈夫です。
育て方のポイント⑤病気・害虫対策
キリシマツツジは強健で耐寒性に優れています。ですがその分耐暑性が弱く、梅雨時など高温が続く時期になると、もち病や褐斑病などの病気が発生する可能性が高いので注意が必要です。害虫ではハダニ、ツツジグンバイ、ベニモンアオリンガなどに注意しましょう。これらの病気・害虫対策としては、こまめに木全体を観察し、初期のうちに発見することと、定期的な薬剤散布で防除することがあげられます。
まとめ
キリシマツツジの深紅の美しさは、秋の紅葉にも引けを取りません。日本原産種ということもあって、非常に育てやすいところも人気の高い理由でしょう。名所へ足を運び、キリシマツツジの圧倒的な美しさを堪能するのもよいのですが、自分で育てる楽しみを味わうのもよいことです。自分の好きな楽しみ方で、キリシマツツジの美しさを愛でましょう。
出典:写真AC