カーネーションの概要
カーネーションはナデシコ科の植物で、別名「オランダナデシコ」や「ジャコウナデシコ」と呼ばれています。切り花では一年を通してフラワーショップで見かけられる花です。カーネーションが象徴的な母の日のプレゼントはもちろん、お祝いシーンの花束やウェディングブーケでも人気を集めています。
ボタニ子
カーネーションの名前は英語の「冠飾り(coronation flower)」やラテン語の「肉(caro)」が由来するといわれているよ。
ボタ爺
カーネーションの色が肉の色に似ているところからきたといわれているようじゃ。いろんな説があるようじゃの。
カーネーションの基本情報
学名 | Dianthus caryophyllus L. |
科・属 | ナデシコ科・ナデシコ属 |
形態 | 多年草 |
原産地 | 西アジア、南ヨーロッパ |
草丈 | 10~30cm |
開花時期 | 4~6月、10~11月 |
花の色 | 赤色、白色、黄色、ピンク色、紫色、グリーン色、オレンジ色など |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
カーネーションの歴史
カーネーションは地中海沿岸および西アジアで誕生したとされています。古くは古代ギリシャで栽培されていたともいわれます。美しい花姿は、イスラム教のアラベスクの意匠にも使われていました。17世紀には、ヨーロッパで盛んに栽培され品種改良が進みます。フランス人の園芸家の手によって、現在のカーネーションの本流ができあがりました。
日本のカーネーション歴史
日本にカーネーションが入ってきたのは江戸時代、鎖国の真っただ中です。鎖国中でも貿易のあったオランダから、カーネーションが輸入されてきました。別名である「オランダナデシコ」という名前の由来は、オランダからもたらされたためです。明治時代になると日本でも独自のカーネーションが誕生しました。
ボタニ子
日本でのカーネーションの作付け面積や出荷量は、長野県、長野県、北海道などが上位だよ。
ボタ爺
ちなみに、カーネーションを国の花と定める国もあるんじゃ。スペイン、モナコの国花じゃぞ。
カーネーションの花言葉【全般】
カーネーション全般の花言葉は「無垢で深い愛」です。愛する母にカーネーションを捧げたアンナの無垢な思いからつけられた花言葉なのかもしれませんね。また、西洋で用いられるカーネーションの花言葉には「魅惑」「魅力」「愛情」「卓越」「名声」などがあります。
ボタニ子
ちなみに赤いカーネーションは5月12日と11月20日の誕生花だよ。ピンク色は1月11日と5月15日の誕生花なんだって!
種類別の花言葉はつけられていない
カーネーションには1本の茎の先に花がつくスタンダードタイプや、茎が枝分かれしてその先端に花をつけるスプレータイプがあります。八重咲きやフリンジ咲きなど花びらもさまざまですが、種類ごとの花言葉はつけられていないようです。品種改良がさらに進めば、固有の花言葉がポピュラーになるかもしれませんね。
カーネーションの花言葉【色別】
種類別の花言葉はつけられていませんが、カーネーションは色別の花言葉が豊富です。ポジティブな花言葉が多く誕生日や送別会、結婚祝いなど多くのお祝いシーンで活用できますよ。
カーネーションの色別の花言葉一覧
白色の花言葉 | 尊敬、純潔な愛 |
ピンク色の花言葉 | 女性の愛、熱愛 |
赤色の花言葉 | 母への愛 |
紫色の花言葉 | 誇り、気品 |
黄色の花言葉 | 軽蔑、嫉妬 |
青色の花言葉 | 永遠の幸福 |
グリーンの花言葉 | 癒し、純粋な愛情 |
オレンジの花言葉 | 純粋な愛、清らかな愛 |
珍しい青いカーネーション
元々カーネーションの色素には青色が存在しません。青いカーネーションを生み出すために日本とオーストラリアの企業が共同開発を始めます。ほかの花々から青色色素の遺伝子を採取し、カーネーションに組み入れ研究に成功、こうして1990年代後半に世界で初めて青い花びらのカーネーション「ムーンダスト」は発売されました。百貨店だけでなく通販でも購入できますよ。
ボタニ子
ムーンダストの名前は「月のように柔らかな包容力のある花であってほしい」という由来なんだよ。
ボタ爺
月という大きな惑星の包容力や、柔らかな光の優しさからきているんじゃよ。
黄色のカーネーションの花言葉に要注意
黄色は明るい色であるため、黄色い花からは元気がもらえるでしょう。しかし、黄色のカーネーションを母の日に贈るのは要注意です。黄色のカーネーションの花言葉は「軽蔑」「嫉妬」です。なぜこのようなネガティブな花言葉がつけられたのかは不明ですが、贈る相手が花言葉に詳しいひとであれば避けるのが無難でしょう。
ボタニ子
カーネーションだけでなく、黄色い花にはネガティブな花言葉をつけられているケースが多いの。
ボタ爺
黄色いバラには「嫉妬」や「薄れゆく愛」なんてつけられているぞ。黄色い花を贈るときには慎重にな!
カーネーションと母の日
母の日のプレゼントといえば、赤色のカーネーションの印象が強いかもしれません。日本では、母の日にはカーネーションを贈る習慣が根付いていますが、その意味や理由まで知っている人は多くないでしょう。母の日とカーネーションの関係は、ある母子のエピソードから生まれました。
アメリカの母の日の始まり
かつてアメリカでは、国を二分した南北戦争が起こりました。戦争のさ中、アン・ジャービスという女性は敵も味方もなく負傷した人々を助けたといわれます。アンが亡くなりその2年後の1907年5月12日、娘のアンナ・ジャービスは母親の死を偲んで集まった人々に白いカーネーションを配りました。翌年の5月10日、母を思うアンナに感銘を受けた人々が集い、母の日が始まったとされています。
日本にも独自の母の日があった!
昭和初期には、日本にも独自の母の日がありました。当時の皇后の誕生日が3月9日だったことからこの日を母の日としたものの、普及には至りませんでした。しかし戦後、お菓子メーカーがアメリカにならって5月の第2週を母の日とすると、日本中に普及していったのです。
母の日に贈るカーネーションの色
アンナが配ったカーネーションは白です。白いカーネーションは亡くなった母親に捧げるものとされました。そのため、生きている母親には赤色のカーネーションを贈るようアンナが提言したといわれています。一般的には赤いカーネーションですが、もちろん母親の好みの色を選ぶのもよいアイデアです。
ボタニ子
でも、やっぱり元気なお母さんに白いカーネーションを贈るのは避けるのが無難だと思うわ…。黄色のカーネーションは別の意味で避けたほうがいいね…。
ボタ爺
百貨店や通販では、グリーンや青など珍しい色のカーネーションを取り扱っているぞ。お母さんの好みも見つかるはずじゃ!
贈りたい母親の年代で色を選ぶのもおすすめ
毎年赤いカーネーションでマンネリ気味でも母親の好みの色がいまいちわからず、たくさんの花色からカーネーションを選んで贈るのが難しいというケースもあるでしょう。そのようなときは、母親の年代で選んでみるのもおすすめです。30~40代なら女性らしさを感じさせるピンク、50代ならはつらつとしたオレンジ、60代以降ならシックで上品な紫色や斑入りなどが好まれます。
ボタニ子
年代別でカーネーションを選んでみると、意外に花言葉もぴったりだね!紫の「気品」っていう花言葉は印象そのままだな。
カーネーションの花言葉に思いを込めよう!
母の日の定番の花であるカーネーションには赤やピンク、オレンジやグリーンなどさまざまな花色があります。カーネーション全般の花言葉はもちろん、色別の花言葉はポジティブなものが多く、お祝いや感謝を伝えるシーンにぴったりの花といえるでしょう。今年は花言葉をそえて、母の日にカーネーションを贈ってみませんか。
出典:写真AC