ニオイバンマツリの育て方①基本
日当たりがよく水やりを怠らなければ、手間がかからない植物なので、初心者でも気軽にニオイバンマツリを育てることができます。育て方が身に付けば、挿し木の増やし方の方法が分かり繁殖させることができます。
育てる場所
鉢植えの場合
秋から春の期間は、日差しが当たる場所で管理します。夏の時期は、強い日差しによる葉焼けや乾燥を防ぐために、半日陰へ移動します。午前中だけの日差しでも、花は咲きます。花つきが少し悪くなってしまう恐れがありますが、枯れる原因から遠ざける必要があります。冬の時期は、状況次第で室内で管理した方が安全です。
庭植えの場合
乾燥を嫌うため、湿り気のある場所が適しています。また、冬場を考慮すると、北風が当たらない場所を選びます。また、ニオイバンマツリは、寒さに強い植物なので、霜に当たらなければ冬越しも可能です。
用土
鉢植えの用土
水はけのよい用土が適しています。市販の用土を使用するのならば、草花用培養土を準備します。用土を自作するのならば、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂1の割合です。もし、川砂がない場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3で配合します。
庭植えの用土
湿り気のある土が適しています。植え穴を掘ったら、その用土に腐葉土や堆肥をたっぷり混ぜ込みます。用土にひと手間かけることで、ニオイバンマツリの成長を促します。
育て方で苗の見分け方も大事
花なしの苗
花が付いていないポッドの苗は、よい苗か悪い苗か見分ける方法に葉の状態で判断します。この葉の状態というのは、枝葉に勢いがあるもの、そして葉色がポイントです。黄色の葉は生育が悪い状態のため、葉色が濃すぎない若々しい緑色の苗を選びます。
花付きの苗
花付きの苗の場合は、全体に張りがあるかを見ます。例えば、花の先端を見て、萎れてなく元気な状態であるかを観察します。また、つぼみを多く付けている株を選びます。
植え付けの仕方
ニオイバンマツリは、暖かい地域では庭植えでも可能です。ただし、育て方の主流としては、鉢植えで栽培されます。比較的耐寒性のある植物ですが、冬場を考慮すると移動できる鉢植えが無難です。苗植えの適期は4月~6月です。
鉢植えの場合
- 用意する鉢は、苗よりも1回り大きなものを選びます。鉢の3分の1ぐらいにまで用土を入れます。
- 苗の根に付いている土を、手で軽く落とします。鉢の中心に苗を置き、そのまわりに土を詰め株を安定させます。
- 最後、たっぷり水やりします。
庭植えの場合
- 苗よりも1~2周りの大きさの植え穴を掘ります。
- 苗の根に付いている土を、手で軽く落とします。植え穴の中心に苗を置き、そのまわりに土を詰め株を安定させます。
- 最後、たっぷり水やりします。
水やり
鉢植えの場合
土の表面が乾いたら、水が鉢底から流れ出るまで充分に水やりします。開花時期と乾燥時期の7月~9月には、毎日水やりをします。冬場は、水やりを控えます。
庭植えの場合
雨水で十分なため、水やりは必要ありません。しかし、開花時期と夏場の乾燥時期は、植物が水を必要とするため、土が乾いていたら水やりします。
肥料
成長期
成長期は4月~10月です。この時期、2ヶ月に1回緩効性化成肥料を施します。肥料を与えることで、株の生長を促します。
開花時期
花が咲く時期は、10日に1度水やりの代わりに液体肥料を与えます。
秋の期間
冬が訪れる前に、耐寒性を高めるために1度肥料を与えます。チッソやリン酸分を少なめにし、その分、根の発育を促進するカリを大目に施します。
育て方で注意すべき病気と害虫
ニオイバンマツリには、「ハダニ」「カイガラムシ」の害虫が寄り付きます。また、「カイガラムシ」によって、「すす病」などを引き起こします。
「ハダニ」
ニオイバンマツリのハダニによる被害は、夏場に葉裏で起こります。ハダニは、高温で乾燥しやすい時期を好みます。そのため、葉に水を吹きかけ予防します。また、夏になる前に梅雨が終わったら、防虫剤を事前に散布します。もし発生してしまったら、殺虫剤で駆除します。
「カイガラムシ」
カイガラムシは、硬い殻を持つ虫で、放置すると花の養分を吸い取るため早めに対処します。カイガラムシが発生した場合、ブラシなどで擦って落とします。もし、抵抗するようであれば、「カイガラムシ専用」の薬剤スプレーを使用します。また、カイガラムシが発生すると、すす病などの他の病気を引き起こす恐れがあります。
「すす病」
すす病は、枝葉が真っ黒になってしまう病気です。そのまま放置してしまうと、光合成が阻害され枯れてしまいます。一番大切な予防方法は、カイガラムシやアブラムシを駆除することです。
ボタニ子
次のページでは、植え替えの仕方や剪定方法などについてご紹介します。