コウヤマキとは
分類 | コウヤマキ科コウヤマキ属 |
学名 | Sciadopitys verticillata |
用途 | 庭木 |
開花時期 | 4〜5月 |
樹高 | 8〜30m |
耐寒性 | 強い |
育てやすさ | そだてやすい |
コウヤマキは漢字で「高野槙」と書くマツの仲間の植物で、和歌山県の高野山に多く分布しています。水に強い性質から湯船などを作る材木として利用されているほか、育てやすく庭木にもよく使われる針葉樹です。青々とした針葉と、真っ直ぐに伸びた幹が美しいコウヤマキの自宅での育て方について解説します。庭木での剪定時期・方法や上手な株の増やし方も紹介します。
コウヤマキがガーデニングにおすすめな理由
コウヤマキは、特徴的なポイントがいくつかありますが、その特徴から「ガーデニングに向いた植物」だといえます。コウヤマキがガーデニング(庭木)向きである理由を紹介します。
理由①比較的寒さに強い
コウヤマキは寒さにも比較的強いため、樹高が低いうちは屋内や日陰でも育てることが可能です。根が付きにくく植え替えをするのが非常に困難な特徴があり、一度植えたら場所を変えることが難しいのですが、植木鉢でも育てることが可能なので鉢の場所を移動すれば問題は解決できます。害虫に狙われにくいことや、病気に強いという特徴もガーデニングに向いているポイントです。
理由②樹高が高く成長する
コウヤマキは和歌山の山奥にあるような自生のものだと、30mを超えるほどの大きさになる、樹高の高い植物です。家庭のガーデニングではそこまで大きくなりませんが、屋外で太陽の光を浴びさせて育てると、おおきく立派な姿になります。
コウヤマキの基本の育て方
比較的育てやすいとされるコウヤマキですが、間違った育て方をすると、枝枯れや変色してしまう事態にも繋がりますので注意しましょう。日当たり・土作り・水やりなど、コウヤマキの基本的な育て方や病気や害虫の対策、寒さや暑さの対策について紹介します。
基本の育て方①日当たり・置き場所
コウヤマキは比較的日陰でも育つ植物ですが、日に当てた方が枝葉の間隔が密に詰まりよりよい形になるので、日当たりのよい場所を選びましょう。夏場など、株元に長時間の強い直射日光が当たってしまう場合は、極度な乾燥を防ぐために敷きワラなどで覆います。西日などの日光が当たってしまう場合も、葉が黒っぽく変色する可能性があり注意が必要です。
基本の育て方②水やり
コウヤマキは基本的には水やりをほとんど必要とせず、手間のかからない植物です。夏場に土がカラカラに乾燥していた場合のみ、たっぷりと水やりをします。水捌けのいい土壌が適しているコウヤマキの場合、冬場の水やりは枯れや根腐れの原因になるので、自然環境にまかせて水やりはしません。
基本の育て方③土作り・肥料
コウヤマキを育てるのに適しているのは、腐葉土などの有機質が入った、栄養分がたっぷりの土壌です。極端に乾燥した土や、水捌けの悪い場所は、コウヤマキの育成環境に向きません。痩せた土地では枝葉も枯れやすく葉も色が抜けたような淡い色になってしまいますので、このような状態が見られたときには、堆肥や化成肥料を適量使用して様子を見てください。
痩せ地に植え付ける場合
痩せ地に植え付けをしたい場合には、土壌の改良をしなければなりません。秋から冬にかけて落ちた葉っぱが時間をかけて土の状態になったものを「腐葉土」と言います。堆肥の一つで通気性・保肥性・保水性を良い性質にしてくれるもので、痩せ地の改良には必要不可欠なものです。腐葉土は自分で作ることも可能で、ガーデニングで枯れてしまった葉っぱなどを屋外に置き、発酵させて作ります。
基本の育て方④植え付け・植え替え
植え付けは3月〜4月、または9月~10月に行うのがベストです。植え替えが難しい植物なので、根付いたあとに他の場所に移すのは手間も時間もかかり、長持ちもしないためおすすめしません。場所や周りのスペースをよく考え、計画性を持って植え付けを行いましょう。挿し木が根付くまでは、株元を敷きワラなどで覆い、支柱を立てておくのもおすすめです。
種まきをする場合
コウヤマキは植え付ける方法以外にも、種子から育てることができます。「松ぼっくり」によく似ている実の、傘の間にあるのがコウヤマキの種子です。種蒔は3月頃に行い、種子を冷蔵庫などに入れて低温処理をした後に、小粒の赤玉土に撒きましょう。発芽を確認したら、置き肥料として油かすを少し入れ、8月まで与えるようにしましょう。9月中旬~10月の初めまでには定植を行います。
基本の育て方⑤かかりやすい病気・害虫
コウヤマキは、それほど害虫に狙われやすい植物ではなく、特別な害虫対策はいりません。まれに葉に斑点が発生する病気にかかりますが、正常に成長しているなら、問題ないことがほとんどです。湿度が高くなっている場合には、ウィルス性の病気にかかりやすいので、病気になってしまった部分を取り除きましょう。
ボタニ子
次は、剪定の仕方や増やし方を紹介するよ。