ロウバイ(蝋梅)の種類
すべての種類を紹介するのは難しいですが、代表的なロウバイの種類をあげます。ソシンロウバイを育てている人が多いです。どれも黄色い花を咲かせ、中心部分や形が少しずつ違います。
ソシンロウバイ(素心蝋梅)
ソシンロウバイは、花の中心部分から周囲まで黄色いのが特徴で、花の先が鋭い形をしている物もあります。中国で花芯も花びらも同じ色の花を素心と呼ぶため、日本語読みでソシンロウバイと名付けされました。透けるようなレモンイエローで、花が広がるとともに薄めの色に見えます。マンゲツロウバイよりも開花時期が遅いですが、日当たりのよい暖かい場所なら早く咲くでしょう。
マンゲツロウバイ(満月蝋梅)
マンゲツロウバイは、花の周囲は黄色でも花芯部分が茶色を帯びています。花の真ん中に満月が浮かんで見えるのこの名前が付きました。比較的開花が早く、年末~お正月にかけて見頃を迎えるものもあります。花の形は丸いものが多いです。
トウロウバイ(唐蝋梅)
ワロウバイ(和蝋梅)
黄色の花びらで、中心部分が濃い赤みを帯びています。花びら1枚ずつの幅が広く、サイズは直径3~4cmでロウバイにしては大型のサイズのものが多いです。
「和」と付いていても、中国原産で日本産ではありません。中国の原酒に近いロウバイで、花びらは黄色でも中心部分が濃い紫色~紫を帯びた茶褐色になっています。他の種類よりも花びらの形が細長いのが特徴です。
ロウバイ(蝋梅)の近縁種
名前に「ロウバイ」と入っていても近縁種の花もあります。代表的なものや掛け合わせた品種について紹介します。
黒花蝋梅(クロバナロウバイ)
同じロウバイ科でもクロバナロウバイ属になる近縁種で、チョコレートのような濃い茶色をした花を咲かせます。ロウバイと同様によい香りがして、寒さや暑さにも強いです。アメリカ南東部原産で背丈は低く50cm~1mほど、開花期はロウバイとは真逆で5月~6月の初夏です。
クロバナロウバイにはアフロディーテという園芸品種もあります。開花時期は4月~5月でワインレッドの花を咲かせ人気があります。花びらの先は丸く、ほんのりと甘く爽やかな香りが特徴です。
夏蝋梅(ナツロウバイ)
こちらもロウバイ科クロバナロウバイ属の種類になる植物です。中国東部の山岳地帯原産で、園芸用の苗木は出回っていますが、野生の花は絶滅危惧種となっています。夏に開花することから名前がつきました。白や淡いピンク色の花で、花芯部分は黄色いのが特徴です。樹高は3mほどまで成長しますが、香りはほとんどありません。
白蝋梅(シロロウバイ)
白蝋梅(シロロウバイ)とは、クロバナロウバイとナツロウバイ、シナロウバイの3種類をかけ合わせてできたロウバイです。比較的新しく、作り出されてからまだ期間が経っていないため、他の種類の花と間違えられることもあります。
ロウバイ(蝋梅)の育て方
ロウバイは耐寒性も耐暑性にも強く、半日陰でもすくすくと育ち、初心者でも庭で育てやすいです。環境や育て方で気をつけるポイント、病気や害虫、剪定や挿し木の仕方についても紹介します。
育て方①栽培環境
ロウバイは半日陰でも枝を伸ばし成長します。ただし、花を楽しむなら日光がよく当たる方がつきがよくなるので、日当たりのよい場所がおすすめです。戸外の暑さや寒さには強くても湿気には弱いでしょう。水はけのよい土を用意して、根腐れで枯れないよう注意が必要です。
育て方②種まき・植え付け時期
種まきをするなら、暑さが落ち着いた9月頃が適しています。降雪のない比較的温かい地域では、11月~3月のうち期間を選ばず苗を植え付けできます。できれば、厳寒期を避けて落葉期の11~12月初旬頃、寒さが落ち着く2月中旬~3月がおすすめです。
育て方③肥料・水やり
肥料は特に必要ありません。心配なら成長期の4月~5月と、寒い時期に耐えられるよう12月に、固形の油かすなどの有機質肥料を与えるとよいでしょう。水やりは庭木の場合は4月~10月上旬までにし、土の表面が乾いていたら十分な量をやります。猛暑の時期や晴天続きで乾燥しているとき、乾いて土が割れていないかよく確認しましょう。
育て方④かかりやすい病気や害虫
かかりやすい病気や害虫については、特にありません。初心者でも育てやすいと評判の樹木ですので、病気や害虫に神経質なる必要はありませんよ。
病気や害虫が疑われる場合の対処法
ロウバイの葉に黒い斑点が見えたり、黄色くなったりして、病気や害虫ではないかと心配する方もいます。原因としては、水はけが悪いこと、土壌が硬く締まっていることが考えられるでしょう。根の周りに水はけのよい土を入れたり、水やりを少なくしたりして対処できます。
育て方⑤剪定の仕方
剪定は花の後の3月や落葉後の11月に行います。間延びした長く伸びた枝には花をつけないので、開花後や落葉後すぐに付け根から20cm残して短く剪定しましょう。また、短くても樹木の内側に向かって伸びている枝は、日光を遮断する可能性が高いので剪定する必要があります。根元から勢いのある枝が出てきた場合は、栄養分を分散させないために、2~3本を残して他は剪定して取り除きましょう。
育て方⑥増やし方
増やし方は種をまく方法と挿し木による方法があります。どちらかと言えば、夏から秋にかけて取れた果実から種を取って利用し、9月ころにまいた方がかんたんに増やせます。
挿し木の仕方
挿し木にするのは非常に難しく、花つきがよくない場合があるでしょう。ソシンロウバイを選ぶと、挿し木でも比較的失敗しにくいといわれています。台木には種から大きくさせて3~4年を経過した樹木を利用します。台木とソシンロウバイの親株の表皮を削って、接ぎ木用のテープで固定して密着させるとよいでしょう。
まとめ
ロウバイは黄色の梅に似た花と甘い香りで人気がある樹木です。薬や香料に利用されることもあり、江戸時代に中国から伝来してから根強い人気があります。切り花でも出回り、生け花や花瓶に挿して飾ることもできます。比較的初心者でも育てやすいといわれていますので、庭木に植えてみてはいかがでしょうか。
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