ヒペリカムの育て方
ヒペリカムは改良された園芸品種が多く出回るようになり、自宅でも育てやすくなっています。初めてガーデニングに挑戦する方でも取りかかりやすいでしょう。実だけではなく花も楽しめ、長い間観賞できます。
育て方①栽培環境
ヒペリカムは耐寒性や耐暑性が高いことから、初心者でも育てやすいといわれています。具体的に好む環境を見ていきましょう。
日当たり
ヒペリカムは適度に日当たりのよい場所が適しています。真夏の強い日差しで葉が焼けて枯れる場合があるため、気温の高い時期には日除けで半日陰をつくりましょう。
育て方②種まき・苗植え
種まきなら4~5月頃に行い、苗植えなら春分の日を過ぎた3月~4月くらいに植え付けましょう。もしくは鉢植えで育てて、実がなる9月~10月頃に地面に植え替えするのもおすすめです。
育て方③水やり
直接植えた場合、根付いた後の水やりはあまり必要ありません。しかし、夏は温度が高く土が乾燥するため、朝や夕方に水やりをしましょう。鉢植えのヒペリカムは、土の表面が乾いている場合に、底から流れるまで十分に水を与えます。
育て方④肥料
肥料が多すぎると肥料焼けを起こして枯れる場合があります。種や苗の植え付けをする際の3~5月頃や、花が終わった後の9月~10月頃にじっくりと効果が出る緩効性肥料を土に混ぜておきましょう。翌年も同様の時期に肥料を根元に入れます。
育て方⑤剪定
剪定をする時期は、新芽が出る3月、花が終わった9~10月頃が適切です。茎を切って形を整え、伸びすぎた枝を付け根から切り取ります。鉢などで伸びすぎないようにする場合、新芽が付く前の3月頃に根元から20~30cmの長さで切るとよいでしょう。
育て方⑥植え替え
鉢植えの場合は7~8月の暑い時期と12~2月の寒い時期を避ければ、いつでもできます。よく育ちやすいため、1年に1回は大きい鉢に植え替えをしないと根詰まりするでしょう。できれば春先に行うと、寒くなる前に根が張ってより丈夫に育ちます。
育て方⑦増やし方
花が終わった5~7月に増やしましょう。横に伸びて成長するヒペリカムは株分けして増やす方法もあります。しかし、株を切り分けるのが難しいのであれば、挿し木にするとよいでしょう。
挿し木
挿し木にする場合は、育ちがよい枝を先端から10~15cmほどに切り、葉を3~4枚残して後は取ってしまいます。切り口を斜めにして1~2時間ほど水に浸してください。切った部分に発根促進剤を塗り、小粒の赤玉土や鹿沼土に挿しましょう。日陰で土が乾かないようにし、根が生えたら大きな鉢や地面に植えます。
育て方⑧病害虫
ヒペリカムは、比較的病害虫には強いです。しかし、カイガラムシが付くことがあります。硬い殻を持った成虫のカイガラムシには、薬が効きにくいため、殻を持たない幼虫のうちに薬剤をまくか、1匹ずつ駆除する方法で対処しましょう。
さび病
風通しをよくしておけば病気にはかかりにくいですが、丈の低い品種や苗はさび病にかかることもあります。梅雨のような雨が多い時期にかかり、葉や茎に茶色の斑点が出て枯れてしまうのが特徴です。変色した葉を極力取り除きましょう。
まとめ
ヒペリカムは赤い実で知られていますが、鮮やかな黄色い花もかわいらしい形をしています。実も花も切り花やドライフラワーで楽しめ、インテリアにも活用できますね。自宅で地植えや鉢植えで育てれば、花から実への移り変わりを堪能できるでしょう。