イカリソウの種類・品種
種類・品種①イカリソウ(碇草/錨草)
一般的に流通している基本種です。単に「イカリソウ」と呼ぶ場合、ほとんどはこの種を指します。赤紫色の花というイメージが強いですが、薄黄色や白い花をつける品種もあります。イカリソウの交雑品種の多くは、この種を交配親に持っています。
種類・品種②キバナイカリソウ(黄花錨草)
イカリソウの変異種で、名前のとおり黄色い花をつけるのが特徴です。花色には幅があり、クリーム色のような淡い花もあれば、黄色みの強い花もあります。基本種と比べると、大型に育つものが多いのも特徴です。根茎が長く伸びる品種もあります。
種類・品種③トキワイカリソウ(常盤錨草)
東北地方~山陰地方の日本海側に自生する山野草です。イカリソウは本来は落葉性の草花ですが、この種は常緑性で、冬になっても落葉しません。名前の「トキワ(常盤)」も常緑であることからつけられた名前です。白い花が一般的ですが、薄紅色の花をつける品種もあります。
種類・品種④バイカイカリソウ(梅花錨草)
中国地方、四国地方、九州地方に分布している山野草です。花径1cmという、とても小さな白い花をつけます。最大の特徴は花の形が、従来のイカリソウとは異なるところでしょう。名前の由来も、花の形が梅の花に似ていることからきています。約1カ月間、次々と新芽をつけるため、開花期間が長いのも特徴です。
種類・品種⑤ホザキノイカリソウ(穂咲きの碇草)
ホザキノイカリソウは中国を原産とする品種で、日本へは江戸時代に伝来しました。中国漢方で古くから精力剤として利用されてきた生薬の淫羊霍は、この種の葉を天日干しにして乾燥させたものです。日本でも当初は漢方用の植物として栽培されていました。現在でも、この種の抽出エキスを配合した漢方薬品が多く販売されています。たくさんの小さな花が、穂状になって咲く特徴が名前の由来です。
江戸時代に日本へやってきたホザキノイカリソウは、当時の小石川薬園(現在の小石川植物園)に、漢方の薬草として植栽されたんだよ。
小石川植物園には、当時のホザキノイカリソウの子孫が、現在も栽培されていますよ。
イカリソウの効能・効果
効能・効果①強精・強壮
中国の薬学書「本草綱目」には、「羊がイカリソウを食べて精力絶倫になった」という話が記載されています。イカリソウから作る生薬を「淫羊霍」と名づけたのは、この話が由来です。また中国には、「イカリソウを食べると、老人も杖が不要なくらい元気になる」という伝説もあり、「放杖草」とも呼んでいます。このように、中国では古来から強精・強壮に効能がある薬草と認識されていました。
効能・効果②滋養強壮
有名薬用酒にもイカリソウエキスが配合されている
イカリソウは滋養強壮効果が高いとされることでも有名です。民間療法でも煎じて飲む、またはお酒に漬けてエキスを抽出したものを、滋養の薬用酒として寝る前に湯で割って飲むといったことが行われていました。体を温める効果もあるため、手足の冷え、冷えが原因の腰痛にも効くといわれています。販売されている薬用酒には、イカリソウのエキスを配合した商品も多いです。
イカリソウエキスは強壮効果が高いとされることから、幅広く利用されています。栄養ドリンクにも、イカリソウエキスが配合されている物があるんですよ。
薬効効果が高いといわれるぶん、人によっては逆効果とされているから気をつけてね。特にのぼせやすい人、火照りやすい人の服用は厳禁だよ。
イカリソウの花言葉
船に関する花言葉が多いのが特徴
イカリソウの花言葉は「旅立ち」「人生の出発」「君を離さない」「あなたを捕らえる」です。これらの花言葉はイカリソウの花が船の碇に似ていることに由来しています。「旅立ち」「人生の出発」の花言葉は船が港を出発する光景から、「君を離さない」「あなたを捕らえる」の花言葉は、海底にひっかけた碇が、なかなか離れない様子から生まれました。
船の碇に似た花が元になっているため、船に関係した意味の花言葉が多いです。
イカリソウの花言葉まとめ
- イカリソウ全般の花言葉:「旅立ち」「人生の出発」「君を離さない」「あなたを捕らえる」
- 種類別・色別の明確な花言葉はなし
次のページでは、イカリソウの育て方をご紹介します。
「常盤」という言葉には「常緑」という意味があるんですよ。