イカリソウの育て方
イカリソウは丈夫で病気にかかりにくく、山野草のなかでは育てやすい部類に入ります。栽培環境をイカリソウの好みに整えて、基本的な手入れを正しく行えば、失敗することは少ないでしょう。ここではイカリソウの育て方のポイントを紹介します。
育て方のポイント①栽培環境
日当たりは?
イカリソウは春~秋が生育期で、冬は休眠期となる草花です。春と秋は日当たりのよい場所で育てましょう。夏は直射日光の当たらない明るい日陰で栽培します。強い日差しにあたると、葉焼けして生育障害を起こしてしまうからです。冬は寒風や霜のあたらない場所で管理します。季節ごとに適した場所へ移動できる、鉢植え栽培がおすすめです。
用土は?
イカリソウは湿気を嫌うので、水はけのよい土が最適です。土を作る場合は、赤玉土(小粒)4:軽石(小粒)4:腐葉土2の割合で作りましょう。市販の山野草専用の培養土もおすすめです。好きな方法を選びましょう。
育て方のポイント②植え付け・植え替え
イカリソウの植え付けの適期は5月下旬~7月上旬です。水はけのよい新しい土を使って受け付けましょう。元肥として緩効性化成肥料を施すと、生育がよくなります。根詰まりしやすいので、鉢植えの植え替えは毎年行いましょう。適期は春の花後か、秋の暑さが落ち着いてきた時期です。傷んで黒ずんだ根を除去し、固くなった根は軽くほぐしてから、新しい鉢に植え付けます。
育て方のポイント③水やり
鉢植えの場合は、表面の土が乾いたときに鉢底から水が出るくらい、たっぷりの水を与えるのが基本です。地植えの場合は、日照りが続く時期などに水やりをします。イカリソウは乾燥に強い植物ですが、極端に乾燥すると葉が枯れてしまいます。乾燥がひどい真夏や、水やりを忘れがちな休眠期の冬の時期は、水切れしないように注意が必要です。
育て方のポイント④肥料
イカリソウの肥料は、生育期にしっかり与えるのが基本です。春(4月~5月)と秋(9月~10月)に緩効性化成肥料を施します。さらに春~秋の生育期の間、月に1回のペースで薄めに希釈した草花用の液肥を施せばOKです。液体肥料の希釈濃度は、春と秋は1500倍~2000倍、真夏は3000倍ほどがよいでしょう。休眠期の冬は肥料を与える必要はありません。
育て方のポイント⑤病気・害虫対策
イカリソウは病気に強いので、病気の心配はほとんどありません。ただし、多湿だと白絹病などの株が腐る病気にかかりやすくなります。多湿な環境にならないように注意しましょう。害虫はアブラムシに注意が必要です。普段からこまめに観察し、発見次第捕殺しましょう。数が多い場合は、殺虫剤を散布して駆除します。
まとめ
イカリソウの花は非常に個性的ですが、色が派手過ぎず、小ぶりでややうつむき加減に咲くこともあって、楚々とした風情があります。そのため多くの日本人に好まれ、茶花としても用いられてきました。山野草ならではの素朴な美しさを持つ花を、お庭で育ててみませんか。山野草が咲き乱れるナチュラルガーデンを演出してみるのもよいでしょう。