プリムラジュリアンの概要
プリムラジュリアンは、プリムラ属の植物を交配させて誕生した園芸品種です。そのため、かつてはプリムラ属に分類されていましたが。現在はサクラソウ属に分類されています。本来は多年草ですが耐暑性が低く、夏の暑さに耐えられないため、日本では一年草として扱うのが基本です。そのかわり耐寒性が高く、花色も咲き方も種類豊富なことから、冬の季節を彩る貴重な花として高い人気を誇ります。
じつは日本産の園芸品種
プリムラジュリアンは、ヨーロッパ原産の園芸品種プリムラポリアンサに、コーカサス地方原産種のプリムラジュリエを交配させて生まれた園芸品種です。日本の種苗会社「サカタのタネ」が、1970年代に作出しました。ちなみに「プリムラジュリアン」という名前は、ほかのプリムラ種との区別のために、サカタのタネが名づけた商品名です。
実際にプリムラジュリアンの系統種は、ほかのプリムラ種と比べると、花や葉や草丈が小さい品種が多かったんだ。
ただし、現在は交配が進んだ結果、他の種類・品種との判別が難しい大きさを持つ品種も誕生しています。
プリムラジュリアンの基本データ
学名 | Primula julian |
科名 | サクラソウ科 |
属名 | サクラソウ属(プリムラ属) |
原産地 | 交配種 |
草丈・樹高 | 10cm~30cm |
開花時期 | 11月~5月 |
花色 | 赤、赤紫、ピンク、オレンジ、青、白、黄、褐色、複色 |
プリムラジュリアンの特徴
特徴①花色の種類が豊富
プリムラジュリアンの最大の特徴は、花色の種類が非常に豊富なことです。「黒以外の色はそろっている」といわれています。近年では品種改良により、シックな大人っぽい色や、複色など微妙な色合いの品種が誕生しました。咲き方のバリエーションも豊富で、従来のサクラソウのような咲き方もあれば、八重咲きやバラ咲き、フリルのような花びらを持つ品種も作出されています。
特徴②耐寒性が高い
耐寒性が高く、真冬の季節にも鮮やかな花を咲かせます。開花時期は11月~5月です。季節でいえば初冬~春まで咲き続けます。このため色彩が乏しくなる冬の時期の貴重な彩りとして、パンジーやビオラと共に、ガーデニングで大人気の品種です。大きくなる品種ではないことから、鉢植えや花壇の前面によく植えられています。
草丈は10cm~30cmほどと低いけど、花の大きさは3cm~10cmと意外と大きいし、花色が豊富だから見応えもあるんだよ。
ただし霜にあたると、少なからずダメージを負ってしまいます。鉢植えにして、日当たりのよい室内で管理するのがおすすめです。
冬の寄せ植えにおすすめ
冬に開花時期を迎えること、花色が豊富であること、鉢植えにピッタリの大きさであることから、冬の寄せ植えにおすすめの品種です。同じく寄せ植えで人気の高いパンジーやビオラ、ハボタンなどと組み合わせれば、豪華な作品ができます。プリムラジュリアンは咲き方も豊富で、プリムラジュリアンだけというシンプルな植え方でも、花束のように豪華な作品に仕立てられます。
花色も咲き方も種類豊富なプリムラジュリアンは、まさに寄せ植え向きの花です。いろいろと植え方を工夫して、素敵な寄せ植えを作りましょう。
特徴③耐暑性は低い
プリムラジュリアンは耐寒性は高い反面、耐暑性が低いです。このため日本の場合は、夏を迎える前に枯れてしまいます。ゆえに本来は多年草ですが、日本では一年草の扱いです。どうしても夏越しさせたい場合は、風通しのよい場所で管理するのが基本です。開花時期にあたる4月や5月でも、気温の高い日は室内に避難させたほうがよいでしょう。
プリムラジュリアンの花は雨にも弱いんだ。だから雨が続くときも、室内で管理するのがおすすめだよ。
プリムラジュリアンの開花時期
プリムラジュリアンの開花時期は11月~5月です。寒さに強いうえに開花時期が長いので、寂しくなりがちな冬の庭をにぎやかにしてくれるでしょう。植物としては育てやすいほうですが、霜や雨、暑さや乾燥など弱点が多いことを考えると、鉢植えで育てるのがおすすめです。株が小さいため、地植えにする場合は、花壇の前方や小さい花壇に植えるほうがよいでしょう。
商品名として名づけた「プリムラジュリアン」ですが、近年では花の小さいプリムラ種の総称としても使われています。