サルスベリの剪定方法を徹底解説！いつ、どこをどう切ったらいいの？

ここまでサルスベリの剪定の仕方についてご紹介してきました。以降では、サルスベリの基本情報として、栽培方法や手入れの仕方と、特徴について簡単にまとめます。

サルスベリは耐暑性も耐寒性も強く、初心者でも育てやすい樹木です。小さいうちは鉢植えできますが、大きくなる樹木なので庭植えが基本になります。サルスベリは日当たりと水はけがよければ、用土を選びません。市販の培養土や、赤玉土中粒2：完熟腐葉土1で栽培できます。植え付けに適した時期は4～5月と9月です。植え替えの仕方は、3～4月に鉢土を3分の1程度落として植え替えます。

植え付けや植え替えの際には穴の底に、元肥として有機肥料か緩効性化成肥料を入れておきましょう。植え付け後1年未満の株や鉢植えは水切れに注意し、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。庭植えして根付いた株については、日照りが続かない限り水やりは必要ありません。追肥としては、2月頃に寒肥として有機質肥料を株元周辺に埋めます。

3～4月頃からうどんこ病が発生しやすくなります。剪定して間引きし、風通しと日当たりをよくすると予防に効果的です。害虫としてはサルスベリフクロカイガラムシが、開花期を含めて年に2～3回発生します。カイガラムシは樹液を吸うだけでなく、その排泄物がすす病の原因となるので注意が必要です。成虫は薬剤が効きにくいので、歯ブラシなどでこすり落とします。

増やし方は主に挿し木です。挿し木の仕方は、春に出て固まった梢から20cm程度の挿し穂を採取し、水上げ後に湿らせた赤玉土（小粒）に挿します。挿し木は明るい日陰で管理しましょう。根伏せや根挿しでも増やせますが、接ぎ木株だった場合には親木とは違う台木を増やすことになります。サルスベリは種まきでも増やせます。冬剪定で採取した種を3～4月に蒔くと、2～3週間で発芽します。

サルスベリはミソハギ科サルスベリ属の落葉小高木です。サルスベリの名前は、サルでも滑るのではないかというほど幹が滑らかなことに由来します。しかし若木のうちはざらざらした樹皮です。植え付け後5～6年を経過した頃から古い樹皮のコルク層がまだらに剥がれ落ち、2年ほどかけてすべすべした幹肌になっていきます。滑らかな肌は一人前の証なのです。

サルスベリは百日紅（ヒャクジツコウ）とも呼ばれます。新しく枝を伸ばしながら枝先に花芽を作りますが、枝の生育にばらつきがあるので、花期が7～9月（約100日）の長期間になるからです。原産地は中国南部で、元禄年間（江戸時代）以前に渡来しました。

樹高は3～10mで幹はうねるように曲がり、枝がよく伸びて定まった形にはなりにくい性質があります。葉はつややかな濃緑色で葉柄はほとんどありません。楕円形の葉の先は尖るものもありますが、少しくぼむものが多いです。葉は対生するところもありますが、2枚ずつ交互につくコクサギ型葉序と呼ばれるつき方をします。

開花時期は7～9月で、花色は白、桃色、紅、紫、それらの中間色です。枝先に直径3cmほどのフリルのような小花が房状に集まって開花します。剪定されるのであまり見かけませんが、9～11月が結実期です。1～1.5cmほどの茶褐色の実は熟すと裂けて種子を放出します。晩秋になると紅葉して落葉するのも魅力です。一年を通して見どころが多く、シンボルツリーとしても人気があります。

サルスベリの花は夏によく似合います。太陽光がたっぷり当たる風通しのよい環境さえあれば、初心者でも手入れしやすい樹木で、花期が長いのも魅力です。しかし毎年たくさん花を咲かせ、樹形を美しく保つには、適切な剪定が欠かせません。時期や樹形による剪定の違いとコツをつかんで、サルスベリを形よく維持し、花を毎年より長く楽しみましょう。