名前の語源・由来
サンキライ(山帰来)の語源・由来
サンキライの名前は、前にも触れたサンキライの薬効(効果)が由来です。サンキライの実の解毒作用のように、薬効があることは古くから知られていました。山中で病気になった人が、サンキライを食べて病気を治し、無事に下山できたという話があるほどです。この話が「サンキライ(山帰来)」の名前の語源にもなりました。
サルトリイバラ(猿捕茨)の語源・由来
もうひとつの名前であるサルトリイバラは、葉柄や茎にトゲを持っていることが由来です。つる性植物のサンキライは、他の植物に絡みついて成長する性質を持っています。トゲが生えているのは、他の植物に絡みつきやすくするためです。このトゲつきのつるが絡みついた場所では猿も動けなくなってしまうことから、この名前がつけられました。
サンキライの効能・効果
効能・効果①解毒・デトックス
果実が「毒消しの実」と呼ばれていたことからもわかるように、サンキライには解毒・デトックスに効果があるとされています。このため漢方では、ニキビや吹き出物などの皮膚トラブルに効果がある生薬として用いられてきました。このことから美肌効果も期待されています。
効能・効果 | 解毒、消炎、利尿剤となり、腫れ物、出来物、ニキビ、浮腫などに用いる。 |
効能・効果②利尿作用
サンキライの根茎は、有効成分としてサポニンやタンニンなどといった成分を微量に含みます。これらの成分によって、内臓のむくみや利尿作用に効果を発揮すると言われています。実際にサンキライは利尿薬としても服用されていました。
効能・効果③便秘の改善
上記のデトックスや利尿作用から、便秘薬にも配合されています。配合の目的は、便秘による吹き出物、肌荒れ、ニキビなどの皮膚トラブルの改善です。便秘は体内の老廃物を溜め込み、皮膚の状態を悪化させてしまいます。高い解毒作用を持ち、美肌効果も期待されるサンキライの配合は当然といえるでしょう。
効能・効果④梅毒の治療
前述したように江戸時代の日本は、中国から生薬の「山帰来」を大量に輸入していました。これは中国の山帰来が梅毒の治療薬とされていたからです。当時の日本にとって梅毒は大変恐ろしい病気でした。しかし国産の材料で作る山帰来では対応が難しかったのです。1777年(安永6年)には、56万斤(約336t)もの山帰来を輸入したという記録が残されています。
効能は、ばい毒・そう毒・し つ毒・りん毒・たい毒他多数で「1ケ月で全治保証の新薬」として売り出され、俗に「一月丸(=ひとつきぐわん)」とも呼ばれています。この処方の由来は、香川氏江州の香川家方の家伝薬「香川解毒剤」からのものといわれています。
正確にいうと山帰来が用いられたのは、梅毒治療に使う水銀による中毒症状の防除のためです。
当時の梅毒治療には水銀が使用されていたんだ。水銀中毒を防ぐために、強い解毒作用を持つ山帰来を併用していたんだよ。
サンキライの花言葉
サンキライの花言葉は「不屈の精神」「屈強」「元気」です。ポジティブな意味の花言葉が多いのは、サンキライの強い繁殖力に由来しているといわれています。つる性植物のサンキライは、他の植物につるを巻き付け縦横無尽に成長していきます。その様子から、これらの花言葉がつけられました。
サンキライの花言葉まとめ
- サンキライの全般の花言葉:「不屈の精神」「屈強」「元気」
- 種類別・色別の明確な花言葉はなし
まとめ
昔は生薬として重視されていたサンキライですが、近年はリースの花材として人気を博しています。サンキライの赤いきれいな実と、しなやかなつるはリース作りにうってつけです。他の花材と組み合わせて作るリースも美しいですが、サンキライだけで作るシンプルなリースも素敵ですよ。ハンドメイドが得意な方は挑戦してみましょう。
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イバラ(茨)の名前は「イバラみたいなトゲがある植物」という意味でつけられたんだ。イバラの仲間じゃないから気をつけてね。