サンタンカの育て方
ここからは、サンタンカの育て方のポイントを紹介します。沖縄県に自生種があることからもわかるように、サンタンカは環境があえば、手間をかけなくても育つ丈夫な植物です。ただし耐寒性が低いため、沖縄県以外の地域では鉢植え栽培が基本になります。逆にいえば、季節の管理を正しく行えば、ほぼ問題なく育てられます。育て方のポイントをしっかり押さえて、健やかに育てましょう。
サンタンカの育て方:一年間の管理スケジュール
一年間に行うおもな作業 | 作業の適期 |
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開花時期 | 5月~10月 |
植え付け・植え替え | 4月下旬~6月 |
肥料(鉢植え) | 5月~10月 |
肥料(地植え) | 5月中旬~9月 |
上記の表は、サンタンカの一年間に行うおもな作業を、大まかにまとめたものです。ただし、作業の適期は地域の環境や、その年の気候などによってズレが生じることがあります。上記の表は、あくまでも目安程度にとどめておきましょう。また、栽培のために行う作業はこれだけではありません。水やりや剪定、病気・害虫対策など、いろいろあります。詳細は下記をご覧くださいね。
育て方①栽培環境
日当たり
熱帯地域原産の植物なので、適度に湿り気があり、年間を通じて日当たりのよい場所で育てるのが基本になります。寒さに弱く、5℃以下(コッキネア種の場合は10℃以下)になると枯れてしまう恐れがあるので、沖縄県以外の地域では鉢植え栽培が基本です。晩秋までには室内へ移動させましょう。なお、室内栽培でも、日当たりのよい場所に置くのが基本となります。
冬越しは難しい植物だから、晩秋~冬は室内栽培が基本だよ。でも日当たりが悪いと、葉が落ちてしまうなどの生育障害が出てしまうんだ。
冬の間も日照不足にならないように、窓辺など日当たりのよい場所に置いて管理してくださいね。
用土
水はけと水もちがよい、弱酸性の土を好みます。市販の観葉植物用の土でOKですが、自分で土を作る場合は、赤玉土(小粒~中粒)6:腐葉土2:川砂2の割合で作りましょう。植え付け時に元肥として緩効性肥料を混ぜ込んでおくと、よく育ちますよ。
育て方②植え付け・植え替え
植え付け
植え付けの適期は春~初夏、時期でいえば4月下旬~6月です。できれば春のうちにすませておきましょう。苗植えが基本ですが、サンタンカは全般的に流通量が少ない植物です。近くの園芸店で苗が販売されていなかった場合は、ネットショップを利用しましょう。
植え替え
植え替えの適期は植え付け時と同じです。サンタンカは生育旺盛な植物なので、すぐに根詰まりを起こしてしまいます。植え替えは毎年行いましょう。まず適期が来たら、元の鉢よりも一回り大きい新しい鉢と、新しい用土を用意します。株を元の鉢から引き抜いたら、根鉢を1/3ほど崩し、新しい鉢へ植え付けましょう。
育て方③水やり
土の表面が乾いたら水やりするのが基本です。サンタンカは乾燥が苦手なので、夏など乾燥しやすい時期は、毎日水やりしましょう。春~秋の生育期に水切れを起こすと、花が落ちるなど生育障害を起こしてしまうので、株の状態をこまめに観察してくださいね。反対に成長が鈍る冬は、水やりを少し控えます。土の表面が乾いて2日~3日経過してから、水やりするのが目安です。
育て方④肥料
まずは植え付け時に、元肥として緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきます。その後は、春~秋の生育期の間に追肥を行いましょう。2カ月に1回のペースで、緩効性化成肥料を置き肥すればOKです。それでも生育がよくない場合は、10日に1回のペースで液体肥料を与えましょう。
育て方⑤剪定
四季咲き性があるサンタンカの剪定は、花後剪定が基本です。剪定するときは、2節ほど残して切り戻すと樹形が整いますよ。一方、細くて花がつかない枝は付け根から切りましょう。花後剪定をすると、芽が出やすくなって新しい枝が伸びてくるので、先端を摘心しましょう。分枝がよくなって樹形がさらに整います。
育て方⑥病気・害虫対策
サンタンカは基本的に丈夫な植物なので、管理が適切であれば病気や害虫に悩まされることは少ないです。そのなかで要注意なのは、アブラムシとカイガラムシでしょう。アブラムシは発見次第、薬剤散布で駆除します。カイガラムシは薬剤が効きにくいので、歯ブラシやヘラなどでこそぎ落としましょう。
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光を好むサンタンカですが、真夏の直射日光などの強過ぎる日差しは苦手です。真夏の時期は明るい半日陰で管理しましょう。