ハツユキソウの育て方
初夏の時期に挿し木苗が出回るようなります。ハツユキソウは暑さに強く、水やりなどの手間がかからない育てやすい植物です。まず挿し木苗から育ててみましょう。種まきから始める場合は、植え付けの場所に注意が必要です。ここでは、種の取り方やまき方、環境や日常の管理の仕方などハツユキソウの育て方について解説します。
種
種の取り方
花が咲いた後、花序の子房が膨らみ青い実ができます。子房は最初ぶら下がった状態ですが、種の成長とともに立ち上がり、熟すと垂れ下がります。垂れた実から種を採りましょう。採った種は、種まきを行う春まで袋に入れて涼しい場所で保管します。
種のまき方
種は、少し初夏の暑さを感じる4月下旬~5月ごろにまくようにしましょう。発芽に適した温度は20~25℃です。25~30cm間隔に2~3粒づつ種をまき、1cmほど土をかぶせまます。またハツユキソウは移植を嫌う性質があるため、根を傷つけないようにする必要があります。種を鉢や庭に直接まくか、育苗ポットにまくようにしましょう。
環境
暑さに強いハツユキソウは、水はけがよく日当たりのよい場所に植えて育てましょう。鉢植えの場合も室内よりも屋外の直射日光の当る場所に置くのが最適です。日照不足になると、葉の色が悪くなり枯れてしまいます。また、耐寒性をもたない一年草のため、冬越しできません。地植えにする場合は、夏の環境を考えて植え付けるとよいでしょう。
植え付け・植え替え
地植えの場合は、種まきをしてから30日を目安に元気な芽を残して間引きします。育苗ポットに種をまいた場合は、根がしっかりと張って本葉が5枚以上に生育したころに、地植えか深さのある鉢に植え替えを行います。植え替えをする時は根を傷つけないように注意して行いましょう。
用土・肥料
土を選らばず育てやすい植物です。市販の観葉植物用の培養土か、赤玉土7:腐葉土3の割合でブレンドした用土で栽培することができます。肥料は植え付けの際に緩効性の化学肥料を少し与え、追肥も夏に少し与えるだけで花と葉の付き方がよくなります。肥料を与えすぎると、茎だけが大きく成長してしまうので注意しましょう。
日常の管理
ハツユキソウは、草丈が30cm~1mと大きく育ちますが、これは成長過程の水と肥料の量によって変わってきます。小さく育てたい場合は水と肥料を少なくし、大きく育てたい場合は水と肥料を多めに与え、調整します。花壇や鉢の寄せ植えにも向いているため、様子をみて管理するとよいでしょう。
水やり
ハツユキソウは乾燥にも強いため、毎日水やりを行う必要はありません。水やりは土が乾燥してから与えるようにしましょう。降雨だけで十分に大きくそだちますが、夏に猛暑の日が続いた場合は水をたっぷり与えるとよいです。土の乾燥状態をよく見ることがポイントになります。
摘心
枝や茎の生育がよい植物のため、成長過程で摘心を行う必要があります。草丈が30cmほどに成長したら、5~6節辺りを剪定ばさみで切りましょう。茎や枝を切るのではなく、節を切ることが摘心のコツになります。摘心を行うことで、過剰な株の成長を防ぎ形を整えることができます。切り口から出る毒性の乳液に気をつけて行いましょう。
ボタ爺
摘心とは剪定の一種で、わき芽を芽吹かせて樹形を整えながら成長させる技法のことじゃ。
増やし方
ハツユキソウは、こぼれ種や採取した種を春にまいて増やします。簡単に増やすことができますが、元気に発芽した後は間引きや摘心が必要になります。放っておくと雑草のようになってしまうため気をつけましょう。また、初夏に小さい挿し木苗が売られるようになります。これを寄せ植えにして増やしていくとよいでしょう。
ハツユキソウを育てる時の注意点
- 日当たりのよい場所に植える
- 根を傷つけないように植え付ける
- 必ず摘心を行う
- こぼれ種から増やすことができる
- 葉や茎を切る時は乳液に気をつける
まとめ
ハツユキソウは、汗ばむ暑い時期に涼しげに揺れる草花です。薄い緑の葉に白い雪が降り積もったように見え、優しい雰囲気を醸し出してくれます。根が地中にまっすぐ伸びるため、他の植物の根に邪魔にならず寄せ植えにぴったりな植物です。切り花にして他の花々に寄り添う姿も素敵です。暑さに強く育てやすいハツユキソウで、夏の庭を彩ってみませんか?
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出典:写真AC