花の長さ
花の長さは約1.8cmと短めで、とても小さい花ということが分かりますよね。この小柄でかわいらしい花が10個から14個ほど1つの茎に咲くため、集合した姿は豪華で華やかです。緑の中にひっそりと集まった赤紫の小さな花は、とても華麗で目をひきます。
花の形
ムラサキケマンの花の形は筒状になっており、先端に行くほど開いていくラッパ形です。見た目はラッパの様ですが、花弁は上下左右で分かれており、着物のように合わさった中に雄しべや雌しべが包まれています。中には蜜もあり、花の奥へ進むほどたっぷりとした蜜があふれるという構造です。ひらひらとした花びらは先端部分だけなので、長く伸びた花弁により長細い花のように見え、また花が枯れたあとは長細い果実が実ります。
花の咲き方
特徴的な花を咲かせるムラサキケマンの花の咲き方は、20cmから30cmほどに伸びた茎の先端にいくつもの小さな花が集まって咲くようになります。そのため房状に咲いた幾輪もの花がかわいらしく、野山に咲いた天然の花束のようです。茎の周囲にぐるりと大量の花が咲くため、緑の中でとても目を引きます。
茎や葉の特徴
茎の特徴はまっすぐに立ち、大きいものは約50cmくらいまで育ちます。茎はつるつるとしており、いくつかに分かれて伸びていき、花を咲かせる茎と葉を付ける茎に分かれていきます。また葉は柄が長く、伸び回りの草に負けないように日光を吸収できるよう伸びていきます。葉の形は丸みを帯びていますが先端はギザギザしており、扇形に広がり青々と茂る構造です。葉質は柔らかく厚みはあまりありません。
ムラサキケマンの種類
ムラサキケマンには同じくキケマン属の種類がいくつかあり、キケマン類やジロボウエンゴサクなどのエンゴサク類などがあります。ここではキケマン類のうちの2つについて、それぞれの特徴を解説するのでご覧ください。
シロヤブケマン
シロヤブケマンはムラサキケマンの品種の1つで、和名は白藪華鬘と書きます。ムラサキケマンと同様にケシ科のキケマン属で、越年草という部分も同じ特徴です。シロヤブケマンの花は先端が濃い赤紫色で、そこから中心に向かって真っ白の花が咲きます。シロヤブケマンの花言葉は「あなたの助けになる」で、開花時期は3月から6月の春頃です。シロヤブケマンも日本全国に分布しているため、自生する場所もムラサキケマンと似た場所になり、戦場ヶ原や松江や北海道などさまざまな土地で見られます。
ユキヤブケマン
ユキヤブケマンも同じくムラサキケマンやシロヤブケマンと同じ品種で、和名を雪藪華鬘と書きます。開花時期は3月から6月で緑一面の山や野原に雪のような真っ白な花が映え、その様子はとても華麗です。またかなりレアな品種で、自然の中で見つけられるのはとても珍しいです。こちらも全国に分布しており、山道や平地の草地などで見かけることが多く、真っ白な花が見る人の目をひきます。
ボタ爺
シロヤブケマンもユキヤブケマンも有毒なので、植物の液が手に付いたらしっかりと洗いましょう。次ページからはムラサキケマンとシロヤブケマンとユキヤブケマンの違いを紹介します。
出典元:photo ac