シモツケソウの育て方③植え替え
シモツケソウは基本的には多くの多年草とおなじように冬には地上部は枯れこみ、春に向かって根が展開して大株となっていきます。そのため、庭植えの場合でも大株となっていった場合は植え替えをかねた増やし方で株間をあけて株の更新をはかります。鉢植えでは毎年か2年に1度は植え替えをして、根がのびのびと育つようにします。
植え替えの手順
芽出し後の春に葉が展開してきたころが植え替えの適期です。
- シモツケソウを掘り起こして根鉢をくずし、新しい根が出るように根を1/3程度に整理します。
- 新しい土に植え付け、水をたっぷりと与えます(鉢植えの場合)。
- 根付くまでおよそ1月は半日陰で管理します。
- 梅雨入りのころには根付いているので風通しのよい場所で育てます。
シモツケソウの植え替え
- 春の芽出しのタイミングで5月前に行う(梅雨時期に安定するため)
- 根の整理をして1/3にカットする
- 根付くまで半日陰で管理し、水をたっぷり与える
シモツケソウの増やし方
シモツケソウは5mmくらいの花が固まってボール状に開花します。5mmの花ですから種は「微細種子」で小さなものです。種まきでも増やせますが、種が小さいので発芽して大きな苗にするまで時間がかかります。そのような理由で種まきで増やす方法ではなく株分けや挿し木で増やしていきます。
増やし方①株分け
- 春の芽出しの季節に株を掘り起こし、3〜4芽で分けます。
- 古い根は1/3程度カットして新しい根が育つようにします。
- 植え付けたら、乾燥しないように半日陰で育苗して、根が張ってから定植します。
増やし方②挿し木
花が終わってから剪定をしたときに、勢いのよい枝で挿し木をします。
- 葉を多くつけずに15cmくらいの挿し穂を用意します。
- メネデール溶液などでよく水を吸わせて挿し木用の土か赤玉に挿します。
- 新しい芽が展開するまで半日陰で管理します。
シモツケソウの群落地
シモツケソウは和名であらわすと「下野草」と書きます。下野(シモツケ)は現在の栃木県を示す古い地名です。日本の山野に多く自生する植物ですので、下野の国にたくさん咲いていたのだと考えられます。
白馬五竜高山植物園
白馬五竜高山植物園(しろうまごりゅうこうざんしょくぶつえん)は長野県白馬村にある植物園で、スキー場のゲレンデのパノラマコースを利用し、高山植物を育成しています。まぼろしの青いケシやコマクサ、シモツケソウなどを、ゴンドラやリフトを使って気軽に観察できます。
伊吹山
滋賀県の伊吹山は日本百名山のひとつで、高山植物と360度パノラマで琵琶湖や北アルプスがのぞめる絶景のお花畑です。独立峰ならではの景色と雲の上のお花畑がハイカーを魅了します。シモツケソウのお花畑は夏の伊吹山のおすすめポイントです。
シモツケソウの見ごろ時期
伊吹山の夏は高山植物がたくさん開花します。シモツケソウの群落は7月下旬〜8月にかけて見頃をむかえます。
まとめ
シモツケソウは、山野草を育ててみたいガーデニングの初心者の方におすすめです。風にゆれるボール状のピンクの花房も印象的ですし、ギボウシなど同じ半日陰の好きな植物と合わせて植えるなどもおすすめです。小さな種を採取しての種まきは時間がかかりますが発芽率はよいので試す価値はあります。お気に入りのひと苗からはじめてみませんか?