葛のおいしい食べ方
食用としての葛の利用
日本では古くから葛の根からデンプンを取り、「葛粉」として料理に利用してきました。この葛粉をお湯で溶かすと葛湯となり、加熱して溶かした後に冷やし固めると葛餅や葛切りなどの和菓子になります。あんかけやゴマ豆腐などの料理のとろみ付けにも葛粉が利用されているのです。春先に出る若いつるや夏に咲く花も食べられますよ。
葛粉の作り方
デンプンが根に集まる秋~冬にかけて根の収穫の適期です。掘り起こした根の泥を落としたら、粉砕して、真水で洗いデンプンを沈殿させます。アク抜きと沈殿を繰り返し、不純物を取り除く作業の末に良質なデンプンだけを残して葛粉が完成します。単純ですが手間暇を要する作業です。
本葛粉の見分け方
現在では、葛の根を掘り起こすことを仕事にする人は限られ、30年もの時間をかけて育った天然の葛が減り、前述の通り葛粉の生産は根気が求められるので、葛粉だけの本葛粉は生産量も少なく、大変高価な貴重品となってしまいました。葛粉と謳い販売されているものの大多数がカタクリ、ジャガイモなどのデンプンを混ぜているともいわれます。
葛の食べ方①葛湯
材料(1人分)
- 葛粉 15g
- 水 300mL
- 砂糖など 適量
- 鍋に葛粉と水を入れ、木べらでよく混ぜる
- 火にかけてなべ底からしっかり混ぜながら透明になるまで練る
- 砂糖やお好みでショウガを加える
ボタニ子
とろみが出るまでしっかりと混ぜるのがポイントです!
葛の食べ方②ゴマ豆腐
材料(4人分)
- 葛粉 80g
- 昆布だし 560mL
- 白ねりゴマ 80g
- 塩 少々
- わさび 適量
- しょうゆ 適量
- 鍋に葛粉、昆布だし、白ねりゴマ、塩少々をいれよく混ぜ10分置く
- 鍋を中火にかけて混ぜながらとろみがつくまで加熱する
- なめらかになるまでしっかり練る
- とろみがついたら型に流し入れ、粗熱がとれたら氷水で冷やす
- 好みの大きさに切り、器に盛り付けわさび醤油を添える
葛の食べ方③葛湯豆腐
材料(2人分)
- 葛粉 50g
- 昆布 10cm
- 水 500mL
- 木綿豆腐 1丁
- ポン酢 適量
- ねぎ 適量
- 昆布の表面をふき、水を入れた土鍋に加え1時間ほどおく
- ボールに葛粉と1の出汁をほど加えてよく混ぜる
- 1の鍋を中火にかけ沸騰しかけたら昆布を取り出し、出汁で溶いた葛を少しずつ加える
- 出汁に透明感が出てとろみがついたら、塩で味付けする
- 木綿豆腐を食べやすい大きさに切っていれる
- ポン酢とネギなどの薬味を添える
葛の食べ方④葛きり
材料(2人分)
- 葛粉 40g
- 水 100mL
- 黒蜜 適量
- きな粉 適量
- 茶こしやザルで葛粉をふるいにかけ、細かくしてボールにいれる
- 水を加えてよく混ぜたら、再び濾す
- 用意したバットに深さ5mmになるよう葛粉の液を注ぐ
- バットが入る大きさのフライパンに湯をわかしバットをフライパンにいれる
- バットをゆすって表面が固まったら、バット全体を湯に沈め全体を加熱する
- 葛が透明になればバットを取り出し、氷水につけて冷ます
- バットから葛きりを取り出し、食べやすい幅に切る
- 器にもって黒蜜やきな粉を添える
ボタニ子
冷蔵庫で冷やし過ぎると硬くなってしまうので、なるべく早めに食べましょう!
次のページでは漢方薬としての葛について解説します。
出典:写真AC