芽キャベツの育て方とポイント
芽キャベツは、栽培が成功すれば1株でも約40~60個収穫できるので、家庭菜園で挑戦したいおすすめの野菜です。夏に種をまけば、収穫時期の11月から2月ごろにたくさん実を結ぶ姿が楽しめます。畑だけでなくプランターでも栽培ができるので、野菜作りが初めての人でも気軽に試せます。
育て方ポイント① 土作り
赤玉土、腐葉土、バーミキュライトを7:2:1の割合で混ぜ、石灰を土10L当たり約10g、化成肥料も同量混ぜ込んだ土壌を用意します。簡単に野菜用の培養土を使うこともできます。地植えにする場合には、幅60cm高さ10cmの平畝を作ります。プランター栽培の場合は、60cm以上の大型深底(30cm以上)タイプのものを用意します。
連作に注意!
アブラナ科の芽キャベツは、連作障害(同じ科の野菜を同じ土壌で続けて育てることによる土の酸化、アルカリ化、病害虫の増加が原因で起こる障害)を起こしやすい野菜なので、生育や収穫量、質の低下を避けるために、キャベツや白菜、ブロッコリー、小松菜、ケールなどの連作障害を起こす野菜を栽培した土を使う場合には1~2年以上あけるようにしましょう。
育て方ポイント② 環境
芽キャベツは、半日陰での栽培も可能ですが、日当たりがよい場所を好むので、日中の日がよく当たる場所を選んで栽培することが大切です。また、日照不足になると害虫被害を受けやすく、病気にもかかりやすくなり、収穫量の低下や質が悪くなる原因となります。茎を太く育てることが収穫量を増やすポイントなので、環境選びには力を入れましょう。
育て方ポイント③ 種まき
芽キャベツを種から育てる場合は、7月下旬~8月上旬に種まきをします。地植えの場合もプランターで育てる場合も株が大きくなるので、株の間隔を約40cmあけるように数粒まき、たっぷりの水をあげます。芽が出てきたら本葉3枚ほどの元気な芽を残し間引きをします。また、約2~3週間ごとの追肥と土寄せ(転倒対策)も有効です。
苗の定植と水やり
育苗ポットに種をまいて育てた場合や苗を購入した場合には、本葉が7~8枚ほどになった苗を8月下旬~9月上旬に地植えか十分な大きさのプランターに定植しましょう。また、芽キャベツは多湿を嫌うので、土の表面が乾いてからの水やりを心がけます。
育て方ポイント④ 葉かき
芽キャベツは、茎を伸ばしながら葉の数を増やし、その葉と茎の間に脇芽を作ります。この脇芽が芽キャベツになりますが、「葉かき」という作業を入れることで、脇芽に日の光が届きやすくなり元気な結球ができます。光合成が必要なので、株の先に生えている10枚ほどの葉を残し、根元の葉から取り除いていきます。
葉かきの方法
葉かき作業の際に、ハサミを使うと脇芽を傷つけて病気や傷みの原因になるので、基本的には手作業で行います。葉の根元を持って、水平に回し引っ張るときれいに取り除きやすくなります。芽キャベツを豊富に収穫するために、葉の根元に小さな脇芽を見付けたら、早い段階で葉かき作業を行うようにしましょう。
ボタニ子
次のページでは、芽キャベツの病害虫対策を紹介するよ!
病気と害虫に注意!
芽キャベツやキャベツのようなアブラナ科の野菜は、アオムシやコナガ、ヨトウムシ、カタツムリ、ナメクジなどの害虫被害を受けやすく、連作や多湿による苗立枯病や黒腐病などの病気にかかりやすいので、土作りや防虫ネットでの対策をして、害虫や病気から苗を守る体制をとっておきましょう。
防虫ネットで対策!
土作りの段階から用意しておいた不織布や寒冷紗の防虫ネットは、種まきや苗の定植と同時に高さ約1mのトンネル状に設置しましょう。隙間からアオムシや夜の間にヨトウムシに入り込まれないように裾部分を土に埋め込むように杭などで、しっかりとめることが大切です。また、寒冷紗は耐暑性のない芽キャベツの結球成長を促す暑さ対策としても有効です。
農薬
防虫ネットで対策をしていても、土の中に隠れていた害虫による被害に合うこともあります。大切に育てている野菜が被害に合うのは避けたいものです。しかし毎日、目を光らせて監視するわけにもいかないので、農薬の力を借りるのも1つの手です。適切な時期に食用に影響のない範囲で活用しましょう。野菜用の農薬を選んで安全に栽培することが重要で、特に収穫前の農薬散布は避けるようにしましょう。
芽キャベツを収穫しよう!
芽キャベツは、定植してから約3ヶ月で収穫でき始めます。結球が3〜4cmほどに成長したら、葉が開かないしっかりと閉じているうちに茎の根元の方から順番に収穫していきます。手かハサミで株や芽キャベツを傷付けないように気を付けて収穫します。
まとめ
生育時のユニークな見た目と収穫量、そして何よりそのかわいらしい姿に虜になること間違いなしの芽キャベツの魅力と育て方をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。栄養価も高く、お料理にも使いやすいので、是非ご家庭で栽培して、おしゃれなおかず、お弁当の1品に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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出典:写真AC