山葡萄の育て方
紅葉が美しく、実もつるも利用価値がある山葡萄の魅力をご紹介してきました。自然に根付いた暮らしを目指している方などは一度育ててみたいとも思われることでしょう。その育て方を見ていきます。
育て方①植え付け
植え付けの時期は12~2月の初冬です。腐葉土を混ぜ込んだ土に苗を植え付けます。先述しているように、山葡萄は雌雄異株ですので、山葡萄の実の収穫を考えている場合は、雄と雌の両方の株を植える必要があります。挿し木で育てられた苗は雄雌どちらかがあらかじめわかるので、苗のラベルなどを確認するとよいでしょう。
育て方②水やり
もともとは野山でたくましく自生していた山葡萄は、ある程度の乾燥にも耐えます。苗の植え付けを行った直後、根が付くまでは乾燥に気を付けながら水やりを続け、根が付いた後は土の乾燥がひどい場合にやる位程度でよいでしょう。鉢植えで育てている場合は、1回の水やりで鉢の底から水があふれてくるまでたっぷりとやります。
育て方③肥料
肥料は苗を植え付ける際に、速効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきます。追加で10月にももう一度同じ肥料を株元にパラパラと巻いてやりましょう。
育て方④害虫対策
山葡萄の栽培で大きな試練となるのが害虫対策です。木の根元からカミキリムシやコウモリガなどの幼虫が地面からはい出てきます。幹や葉を食べられるだけではなく、幹の中に侵入し、樹液を吸われて木そのものが枯れてしまうことがあります。
対策1.下草・雑草を取り除く
害虫の侵入を少しでも防ぐためには、土から出てきた害虫がよじ登りにくいようにまずは物理的な対策をとります。具体的には幹の回りの下草雑草を取り除きます。
対策2.殺虫剤散布
物理的な対策が追いつかない場合は、殺虫剤の散布も選択肢の1つです。ガットサイドSなどといった殺虫剤を幹の周りにあらかじめ塗っておくことで、幹の中への侵入を減らすことができます。
育て方⑤剪定
山葡萄の剪定の時期は1~2月に行います。方法は他のぶどうと同じで短く仕立てる場合は根元から1~2節残して剪定します。つるを長くしたてる場合は残す枝と切ってしまう枝に分けます。残す枝は4~5節残して短くし、その他の枝は基部から切り落とします。
育て方⑥受粉
山葡萄の受粉は、近くに雄の株が植わっていれば、風や昆虫を介して花粉がめしべにつきます。それによって結実しますが、年によっては雄雌の開花時期がわずかにずれることもあります。そんなときはシャーレなどに集めておいた花粉を刷毛などでめしべに塗って人工花粉します。
栽培して山葡萄の実が自分の庭になったらとても素敵だね。次はそんな山葡萄の利用方法をご紹介します。
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