シーベリーとは
シーベリーとは、「奇跡の果実」といわれるほど栄養価が高いことから、健康食品部門や美容部門で近年注目を浴びている果実です。しかし、日本で栽培されているのが北海道の一部なので、なじみが少なくあまり知られていない植物でもあります。今回は、そんな栄養価の高い万能果実シーベリーについてご紹介します。
基本情報
学名 | hoppophae rhamnoides |
和名 | 砂地茱萸(スナジグミ) |
英名 | sea buckthorn、seaberry |
科名 | グミ科 |
属名 | ヒッポファエ属 |
原産地 | 中国からヨーロッパにかけて |
性質 | ・乾燥、塩分、寒さに強い ・日光を必要とする |
シーベリーの呼び名
シーベリーは自生している場所によって、色や質、栄養素に差があります。そのためどこの産地のシーベリーなのか区別するために、国ごとに呼び名が違います。植物としては同じ種類なのですが、さまざまな呼び名があるおもしろい植物です。
シーベリー国ごとの呼び方
日本 | サジー(Saji)、ウミクロウメモドキ |
中国 | シャージ(Shaji) |
モンゴル | チャチャルガン |
英語 | シーベリー(Seaberry)、シーバックソーン |
ロシア | アブレピハ |
デンマーク | ティンブド(Tinved) |
ドイツ | サンドーン(Sanddorn) |
パキスタン | メルク(Milech) |
シーベリーは国ごとにさまざまな呼び名があるほかに、学名や和名で呼ばれることもあります。学名のHippophae Rhamnoides Rhamnoides(ヒッポファエ・ラムノイデス)というのは「馬をキラキラさせる木」という意味です。これはギリシャ神話では、シーべリーがペガサスの好物だったということに由来しています。
シーベリーの産地
シーベリーの産地は主に中国、ヨーロッパ、ロシア、北米など乾燥した砂地に多く栽培されています。もともと乾燥や寒さに強く砂漠などの過酷な環境でも根を張れます。日本で栽培しているのは北海道のみです。北海道は本州に比べると乾燥した気候であることと、シーベリーが海棲生物(かいせいせいぶつ)の化石が見つかるような、塩分を含んだ土地でも栽培できることが理由です。
シーベリーの食べ方
シーベリーは酸味と渋みが強いので、そのままだと食べにくく、ジュースやジャムなどに加工して食べます。ジュースであれば手軽に摂取できますし、ジャムであればパンやヨーグルトなどつけられるのでおすすめです。ただ、北海道でしか作られてないため、身近にシーベリーを見かけることがありません。そんな人のためにネットでは加工品が販売されています。
シーベリーの特徴
シーベリーは黄色の小さな果実で、1つの中に含まれる栄養成分が非常に高いという特徴があります。ただ、果実を実らせるために、雄木と雌木を一緒に植え花が咲いたら受粉させることや、果実の収穫は木の棘に注意するなど育てるのに手間がかかります。
シーベリーが育つ環境
シーべリーは-43℃という極寒の気候から40℃という高温な気候まで対応できる植物です。そして植物にとって塩分が強い沿岸地帯でも、シーベリーは問題なく自生できます。砂漠化しそうな栄養分がない場所でも自生できるのは、放線菌と共生して根を張る前に窒素固定を行うことができるからです。
シーベリーの味
シーベリーは栄養素が高いので、毎日でも摂取したい果実です。肝心の味はというと、ビタミンが豊富に含まれているので、酸味が強く渋みも含まれています。シーベリーを冷凍することで、渋みが少し緩和されます。