ツバキの利用法
古来より日本人に愛され続けているツバキの花は、茶道でも重用され、美術や音楽の分野でもツバキを題材にしたものが目立ちます。そんなツバキが、どんな風に日本人の暮らしの中で利用されてきたかを見ていきましょう。
庭木
ツバキを住宅などの生け垣として植栽することで、防音効果が得られます。また冬場に美しい花を楽しめ、日陰でも成長するので、生け垣、庭木として日本人に古くから愛され続けています。
材木
硬く緻密な木質で摩擦に強いツバキの材木は、その昔、印鑑や工芸品、木炭、染料などに用いられましたが、成長が遅く日本にあるツバキの大木はほとんど全て伐採されたため、現在は入手困難な材木となっています。ツバキの木炭の品質は最高だといわれますが、今では貴重品です。
ツバキ油
ツバキの実を絞るとツバキ油がとれます。電気のない時代には灯りの燃料油として利用され、天ぷらなどの食用、整髪料などとしても使われてきました。日本産のヤブツバキの油がとても高価なため、サザンカ、油茶から絞った油がカメリア油として輸入されています。
ツバキの品種
玉之浦
玉之浦(タマノウラ)は赤い地に白い縁の艶やかな一重のツバキです。長崎県五島列島の福江島で発見されました。
玉霞
白字に紅の小絞りが入る一重の中輪、玉霞(タマガスミ)は愛知県で作られた愛らしい姿が特徴のツバキの品種です。
乙女椿
愛らしい姿が印象的な乙女椿(オトメツバキ)は、八重咲きの中輪種で、雄しべが見えないことが特徴です。ピンク色の花が一般的ですが、赤や白、紅白絞りの品種もあります。
草紙洗
草紙洗(ソウシアライ)は、ピンクの字に紅の小絞りが入る八重咲の大輪です。江戸時代から伝わる有名なツバキの品種です。
朴伴
濃い赤の外弁に、雄しべが小花弁に変化した白い唐子弁のコントラストが美しい卜伴(ボクハン)は江戸時代から伝わる小輪の名花です。
まとめ
日本人の生活と深く関わってきたツバキについてご紹介しました。多くの種類があるので、楽しみ方もいろいろです。成長はゆっくりですが、適切な剪定を忘れず気長に育ててみてください。