ボタンの育て方
育て方①苗の選び方
苗木が出回る時期は9月ごろです。2年生(2年目)以降の苗で、根の張り具合のよい元気な苗を選びましょう。根の部分が覆われていることも多いですが、包みのサイズによって根の張り方を判断してください。ポットで見えない場合は、大きくて元気な葉がたくさん付いているものにしましょう。
育て方②用土・植えつけ
ボタンは、水はけも水もちもよい土で育てましょう。植えつけには9月中頃~10月下旬が適しています。庭植する場合は、粘土質ではない土壌をえらび、植えつけのときに堆肥や腐葉土をしっかり混ぜこんでください。その土を1週間~2週間ほど寝かせておくのもポイントです。鉢植えの土を自分で混ぜ合わせる場合は、赤玉土と腐葉土を6:4にするとよいでしょう。
鉢植えの植えつけ
鉢植えは時期ごとに置き場所を移動できるので便利です。まずは用意した苗木の長さを整えるところからはじめます。接ぎ木してあるところから2芽くらい残して切ってから、希釈した木酢液に30分ひたして殺菌・害虫予防をしてください。つぎに、大きめの鉢の底にネットと鉢底石をしき、用土をいれて苗木全体をカバーします。最後に水やりを忘れないようにしましょう。
地植えの植え付け
まずは、ボタンを植える場所の土づくりをすませておきます。苗木は鉢植えのときと同じように、接ぎ木のところから2芽くらい残して切ってください。そして、希釈した木酢液に30分ひたして殺菌・害虫予防しましょう。そこまで準備ができたら、接ぎ木部分がしっかり埋まるように穴を掘ってから植えこみます。最後に水やりをしたら、わらで株元をおおって乾燥防止して完成です。
育て方③日当たり
ボタンは年間をとおして戸外の日当たりがよい場所で育てられますが、鉢植えの場合は季節によって置き場所を変えるようにしましょう。春や秋の時期は日当たりがよい場所に置き、夏は直射日光の当たらない半日陰で西日も遮ります。冬は冷たい風にあたらないようにして、必要に応じて雪よけをほどこしてください。地植えの場合は、東向きの場所に植えるとよいでしょう。
育て方④水やり
ボタンはやや乾燥気味を好みます。地植えの場合、基本的に水やりをする必要はありませんが、夏の乾燥している時期には、朝や夕方に水やりするとよいでしょう。鉢植えの場合は、3月~5月は水切れしないよう気をつけてください。夏は表土が乾いたらたっぷりと水やりします。秋になると乾燥に注意しながら水やりを控えめにして、冬も水やりの回数を減らしてください。
育て方⑤肥料
ボタンは、季節ごとに十分な緩効性肥料をほどこす必要があります。根が傷つく恐れがある植えつけの直後は避けて、植えつけ後1ヶ月ほどして根元から離れたところに施肥してください。そして、2月上旬~3月上旬の発芽時期、開花後の5月上旬~6月上旬、根がのびる9月下旬~10月にに肥料を与えましょう。肥料の種類は、油かすや腐葉土を発酵した有機配合肥料や、緩効性化成肥料などがおすすめです。
育て方⑥剪定
樹形をととのえて花つきをよくするためにも、外せない手入れが剪定です。剪定の適期は9月下旬~10月下旬です。まずは、葉柄は少し残して葉をすべて落とします。そして、花芽は枝の根元側から1、2芽を残して、そこから先端側に1cmくらいの場所で切ってください。花後に芽つぶししたところなどもカットして、全体的に重心を低めに剪定すると樹形が美しく整いますよ。
花がら摘み・芽つぶし
花がら摘みは花後に種がついて株の力が落ちるのを避けるために必ず行いましょう。切り落とす場所は、花の下についている葉の下部分です。また、株の衰弱を防いで樹形を整えるために、花後に不要な芽を取り除く芽つぶしもしてください。葉柄の付け根につく葉芽を、株の根元側から数個残してあとはつぶします。
シャクヤクのひこばえはカット
ボタンは株のまわりから4月ごろに芽(ひこばえ)が出てくるかもしれません。これは、ボタンまたは台木のシャクヤクが伸びてきているためです。シャクヤクの場合、放っておくとボタンの成長を阻害するので、地表の部分でカットしましょう。シャクヤクなのかボタンなのかわからない場合は、すこし成長した葉や花芽のかたちを見て判断します。ボタンは葉先に切れ込みがあり、花芽の先が尖っているのが特徴です。
育て方⑦植え替え
ボタンは植え替えが苦手な植物なので、植えつけの時点で大きめの鉢を用意しておくと、生育上の問題がない限り植え替えする必要はありません。もし植えつけ後3年~5年たって生育状態が悪くなったら、9月~10月に植え替えてください。掘り起こした株の根を傷つけないようにしながらまわりの土を落とし、黒くなった根は半分ほどに切ってから植えつけと同じ手順で植え替えます。
ボタニ子
次のページでは病害虫対策やボタンの増やし方を紹介します。