トケイソウの増やし方
トケイソウは「挿し木」と「種まき」の2つの増やし方ができます。どちらの方法もとても簡単ですが、とくに挿し木は成功率が高いため初心者におすすめの増やし方です。挿し木や種まきで美しいトケイソウをぜひ増やしてみてくださいね。それぞれの増やし方に適した時期や方法を紹介します。
増やし方①挿し木
挿し木は5月〜7月が適期のため、剪定で切り落とした茎を使用して増やしても構いません。丈夫で健康な茎を選び、先端から2節〜3節ほどの部分で切り取ります。下についている余分な葉を取り除いてから、赤玉土などの挿し木用の用土に挿してください。発根するまでは水切れに注意し、風通しのよい明るい日陰で管理します。
増やし方①種まき
トケイソウは花後に種子をつけるため、黒く立ち枯れるまでそのまま育てて種を採取しましょう。開花時期は5月〜9月で、花が終わってから約1カ月ほどで種子が実ります。立ち枯れたら茎ごと切り取り、軽く振ると中から種が出てきます。種まきに適した時期は5月なので、それまでは種を新聞紙などに包み風通しのよい日陰で保管してください。
トケイソウの害虫
トケイソウは比較的丈夫な植物といわれており、病気にかかる心配が少ないのが魅力です。しかし、多湿の環境が苦手なため、雨が続くようなジメジメとした時期には害虫が発生しやすくなります。害虫の発生を予防するためにも葉が混み合ってきたらしっかりと剪定を行い、風通しのよい場所で育てるのが重要です。ここでは、トケイソウの害虫被害を紹介します。
ハダニ
ハダニは葉の裏側など見つけにくい場所に発生しやすい害虫で、よく観察しながら育てるのがポイントです。ハダニの被害にあった部分は白い斑点模様がついていたり、かすり傷がついたりします。数が少ない場合はガムテープなどに貼り付けて駆除ができますが、大量に発生した場合は殺虫剤を散布してください。水が苦手なため、こまめに葉水で発生を予防しましょう。
カイガラムシ
カイガラムシは1mm〜3mmほどの小さな害虫で、葉や茎に寄生して汁を吸って成長します。5月〜7月にかけて発生しやすいため注意しながら育てましょう。カイガラムシはからだが殻で覆われています。そのため殺虫剤が効きにくく、歯ブラシなどを使って払い落として駆除します。
アブラムシ
アブラムシは年間を通して発生しやすい害虫です。集団で寄生する特徴があるため、葉や茎の汁をたくさん吸われると、トケイソウが弱ってしまったり枯れてしまったりします。見つけ次第すぐに殺虫剤を散布して駆除してください。また、光り物が苦手な性質を利用して、園芸用のシルバーテープなどを張り巡らせておくと予防できます。
トケイソウの種類
トケイソウは約500種類以上の品種があり、色や大きさもさまざまです。基本的には耐寒性が弱いのが特徴ですが、品種によっては寒さに強く地植えでも冬越しできる種類のトケイソウもあります。そんなトケイソウの種類を3つご紹介します。
ピレシー
ピレシーは「クアドリファリア」と「ウィティフォリア」という品種を掛け合わせた交配種で「パッシフローラピレシー」とも呼ばれています。トケイソウの園芸品種で、約10cmほどの花を咲かせるのが特徴です。トケイソウのなかでもひときわ鮮やかな赤色の花を咲かせます。
キトリナ
キトリナは「黄花時計草(キバナトケイソウ)」とも呼ばれ、名前のとおりかわいらしい黄色い花を咲かせる品種です。半つる性で、3cm〜5cmほどの小ぶりな花を咲かせます。耐寒性が弱く5℃以下になると枯れてしまいますが、トケイソウの品種の中でも花をたくさんつける性質があり、次々と開花してくれるのが魅力です。
クリアスカイ
クリアスカイはトケイソウのなかでも寒さに強い品種で、-15℃まで耐えられるのが特徴です。そのため、地植えでも冬越しが可能で「耐寒性半常緑性宿根草」という形態に分類されています。白色の青色のコントラストが空と雲を連想させるため「クリアスカイ」と名付けられた品種です。
まとめ
トケイソウの上手な誘引方法や剪定の仕方、挿し木や種まきでの増やし方などを紹介しました。挿し木で簡単に増やせるだけでなく、いつでも美しい葉をつけている常緑性のため、つるを誘引すればグリーンカーテンとしても利用できる魅力的な植物です。色の種類もさまざまで、個性的な咲き姿が楽しめるトケイソウをぜひ育ててみてくださいね。