ベニバナの利用法①ベニバナ油
紅花油(サンフラワー油)はベニバナの種子を搾ってとる油で、サラダ油などに利用されます。サンフラワー油(ヒマワリ油)と名前が似ているので間違えやすいのですが、ベニバナから搾る油はサフラワー油です。
用途
ベニバナ油はサラダ油に用いられる他マーガリンの原料としても使われます。またベニバナ油は乾燥する性質をもつ乾性油なので、油絵具の溶き油としての用途もあります。同じ乾性油のアマニ油と比較すると乾燥の速度は遅くなりますが、黄変しにくいのが特徴です。
歴史
ベニバナの花は昔から染料用に用いられてきましたが、種からとる油が食用として利用されるようになったのは近代になってからです。日本では1958年にリノール酸が豊富なサラダ油としての販売が始まりました。1957年にはオレイン酸を主成分とする変種が発見されました。
品種
ベニバナ油はリノール酸が多く含まれるハイリノール種と、オレイン酸が多いハイオレイック種の2品種に分類されます。1990年代にリノール酸の過剰摂取が問題になったことから、オレイン酸が豊富なハイオレイック品種の油への転換が進みました。
効果
ベニバナ油の主な効果として、血管壁についたコレステロールや高血圧に働きかけることがあげられます。ベニバナの種子に含まれるポリフェノールが血管のエイジングケアに効果があるのではないかとの研究も進められています。
ベニバナの利用法②生薬
乾燥したベニバナの花びらは紅花(コウカ)と呼ばれる生薬です。血行促進効果が認められる生薬として利用され、紅灸(ベニキュウ)と呼ばれるお灸としても利用されます。漢方薬としては葛根紅花湯(カッコンコウカトウ)、滋血潤腸湯(ジュンケツチョウトウ)、通導散(ツウドウサン)などに配合されます。
ベニバナ茶
生薬としてのベニバナは健康食品店や漢方薬局で簡単に購入できます。お茶としての使い方は、ベニバナ1~2gに沸騰したお湯を180mLを注いで5分ほど蒸らしてできあがりです。冷えが気になるときのお茶としておすすめです。
ベニバナ酒
ベニバナ酒は生薬としての効果をとりいれるよい方法です。消毒したガラス瓶に乾燥したベニバナの花びら50~60g、氷砂糖500g、焼酎1.8Lをいれ、2~3カ月冷暗所においたら、花びらを取り出します。ソーダ割りやレモンジュース、ハチミツなどを加えて飲むのもおすすめです。
食用ハーブ
ベニバナは中華料理の食用として利用されます。薬膳スープや豚肉や鶏肉の炒め物にベニバナを加えるのが一般的な使い方です。最近ではクッキーやケーキにベニバナが使用されることもあります。ベニバナに火を通しすぎるとえぐみがでるので、料理の仕上げに加えることがポイントです。
使い方の注意点
生理痛や婦人病に効果が期待があるとされる紅花ですが、子宮収縮作用が認められているため妊娠中の摂取は注意が必要です。必ず専門家にご相談の上ご使用ください。
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