ビワの利用法①生薬
民間療法としてビワの葉が薬用に長く利用されてきました。ビワの葉を乾燥したものは枇杷葉(ビワヨウ)と呼ばれる生薬です。青々とした葉をつみ葉の表と裏の産毛をたわしなどを使って水洗いしてこすり取ります。その葉を2~3cm幅にきざみ、適量の水で煎じます。
生薬の薬用効果
ビワの葉には、ネロリドール(セスキテルペン)、サポニン、タンニン糖質などがふくまれ、咳止め、暑気あたり、胃腸病としての効果が認められるといわれます。煎じ液を薄めてあせもの部分を洗うなど、皮膚炎や捻挫や打撲などへの外用としての利用法です。
利用法②漢方薬
漢方薬としては生薬「枇杷葉」は、辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)、甘露飲(カンロイン)に配合され、鼻づまりの解消や鼻炎を軽減する消炎効果、排膿効果が期待できるといわれます。
ビワの利用法③ビワ葉エキス
乾燥したビワの葉150gほどをきざみ軽く揉んだら、35度以上の酒1.8Lに漬けこみ、週に2~3度ふりまぜながら2~4カ月おきます。濃い緑色のエキスができたら葉を取り出しましょう。取り出した葉は布袋にいれて入浴剤として使用できます。
ビワエキスの利用法
できあがったビワエキスは薄めて温湿布や切り傷、ニキビ、湿疹などに塗布したり、化粧水としても用いられます。マスクにスプレーすれば冬のケアや花粉症にも有用だといわれます。
ビワの利用法④ビワの葉風呂
ビワの葉を煎じた液をお風呂にいれたビワの葉風呂もおすすめです。お湯がやわらかくなりますし、体の芯から温まり、湯冷めしにくくなります。あせもや湿疹、かゆみのある肌に効果があるといわれ、疲労回復にもおすすめです。
ビワの利用法⑤ビワの葉湿布
ビワの葉を痛みや腫れがある部分に当てておくだけで薬用としての効果が期待できます。葉の表側のツルツルした部分を患部に貼っておくと体温で温まり、薬用成分が皮膚に浸透します。色の濃い1年以上のビワの葉を選ぶことがポイントです。
ビワの利用法⑤ビワ茶
材料
- ビワの葉:6~7枚
- 水:約1500mL
作り方
- ビワ葉の裏の産毛をタワシで取り除き水洗いする
- 4〜5日かけてしっかり乾燥するまで天日で干す
- フードプロセッサーで細かくする
- やかんに水と葉の粉を入れ15分煮出す
- そのまま冷ませばより濃厚なお茶ができる
- 葉を濾し取って冷蔵庫で保存する
ビワの利用法⑥ビワ酒
材料
- ビワ:1kg
- ホワイトリカー:1.8L
- レモン(無農薬):2個
- 氷砂糖:約250g
作り方
- ビワを水洗いして水気を取り除く
- レモンは0.5mm幅の輪切りにする
- 消毒した保存瓶に氷砂糖、ビワ、ホワイトリカーを入れ冷暗所で保存
- 2カ月したらレモンを取り出す
- ビワの実は1年後に取り出す
次のページでは、ビワのおいしい食べ方をご紹介します。