朝倉山椒の鉢植えでの育て方
朝倉山椒は、もともと枯れやすく栽培がむずかしい品種でしたが、品種改良によって枯れにくい苗木が流通しています。また、普通の山椒に比べて、ほとんど棘がないため鉢植え栽培に向いています。また雌雄同種で1本植えれば実がつくため家庭で育てやすい品種です。鉢植えで栽培すれば、木の芽や実を家庭料理に気軽に使えるようになります。
育て方①植え付け・植え替え
植え付けの適期は3月です。鉢底に鉢底石を敷き、腐葉土と有機質肥料を混ぜてから苗を植えましょう。苗木は、直射日光の当たらない半日陰に置きます。まだ苗が小さいうちは寒さに弱いため、寒風をさえぎる場所に置きましょう。植え替えは、2年に1度行い根詰まりを防ぎます。朝倉山椒は環境の変化に神経質な植物なため、根を傷つけると枯れることがあります。根に土をつけたまま植え替えましょう。
育て方②水やり
朝倉山椒は、湿気の多いジメジメした環境を好みます。乾燥すると枯れるため水切れに気をつけましょう。特に夏の水やりは、毎日鉢底から流れ出るくらいたっぷり水を与えます。株元に藁(わら)を敷くと水の蒸発を抑えられます。冬の間は、土の表面が乾いてから水やりをしましょう。葉が落ちて幹だけになっても、土が乾燥しないように管理します。
水切れが、枯れる最大の原因です。乾燥に注意して水やり行うことが、上手に育てるコツです!
育て方③肥料
肥料は、5~9月の成長期に2か月に1度、有機質肥料を施します。また芽が出てくる前の1~2月に寒肥(かんごえ)をしましょう。この時期以外は肥料を施す必要はありません。肥料は、化成肥料よりも鶏フンや油カスなど有機質肥料がおすすめです。株元ではなく根の先に栄養が行き渡るように、株元から離れた位置に施しましょう。
育て方④害虫
朝倉山椒が枯れる原因の一つに「アゲハチョウの幼虫がつく」ことがあげられます。アゲハチョウは数日で葉を食べつくすミカン科の害虫です。産卵期の4~5月初旬は、必ず害虫対策をしましょう。対策としては、網目の細かい防虫ネットで木全体を覆ったり、薬剤スプレーなどがおすすめです。
アゲハチョウの幼虫は、とても食欲旺盛で小さい苗木など、数日で葉を全部食べてしまいます。できる限り対策をして被害を防ぎましょう。
育て方⑤剪定
朝倉山椒は樹形が乱れにくい植物です。しかし、ほったらかしにすると日当たりや風通しが悪くなるため「白絹病(しらきぬびょう)」にかかりやすくなります。この病気は、込み合った枝を剪定し風通しをよくすると防げます。剪定は葉が落ちている冬の間に行いましょう。花が咲く直前の3月初旬が適期です。開花直前の花芽がどこについているか確認し、花芽を切り取らないように注意して行います。
白絹病とは?
白絹病とは、根元に白い絹のような病斑ができる病気です。湿度が高い環境で発生しやすいカビの一種で、この病気に感染すると治療ができません。回復するのは不可能なため、株を堀あげて破棄するようにしましょう。朝倉山椒は湿気を好みますが、風通しをよくすると防げる病気です。
鉢植え栽培のポイント
- 直射日光の当たらない半日陰に置く
- 水切れに注意する
- 化成肥料より有機質肥料がおすすめ
- アゲハチョウ対策をする
- 剪定をして風通しをよくする
次のページで「朝倉山椒の増やし方」を見ていきましょう!
朝倉山椒は、鉢植えで育てられます。棘が無いため初心者の方でも剪定しやすいですね。