もやしの育て方その①「瓶中栽培」
一般的にもやしと呼ばれるものには「大豆もやし」、「緑豆もやし」、「黒豆もやし」があるとご紹介してきましたが、今回は「瓶中栽培」「水耕栽培」ともに一番作りやすく失敗の少ない「緑豆」を使ったもやしの作り方をご紹介します。
準備するもの
- 緑豆(種)
- 煮沸消毒したきれいな口の広い小瓶もしくは中瓶
- 蓋として使いる大きさのガーゼやネットなど
- 輪ゴム
- 瓶全体が入る蓋つきのダンボール
育て方
1. 瓶の煮沸
雑菌の繁殖を防ぐため、瓶はしっかりと煮沸消毒します。消毒した瓶を自然乾燥させ、しっかりと冷めたら緑豆を入れます。この時緑豆は瓶の底から1cm程度入れましょう。
2. 種を浸水させる
緑豆を入れたら、たっぷりと瓶の上まで水道水を注ぎます。瓶の口をガーゼやネットなどでしっかりと覆い、輪ゴムで止めます。瓶はダンボールの中において蓋をし、一晩(約12時間)そのまま浸水させます。
3. 排水する
翌日、ダンボールから瓶を取り出し、瓶をひっくり返して水をしっかりと切ります。この時ガーゼは外さずに排水すると緑豆に触れたり、緑が流れてしまうことなく排水がしやすいです。この時、前日と比べると全体的に水を含んで緑豆が膨らんでいることが確認できます。そしてもしかすると、すでに小さな足のような突起物が出始めている豆も確認できるかもしれません。
4. 暗所常温保存と洗浄
水をしっかりと切ったら、またダンボールの中へと戻して蓋をし、暗所常温で保管します。これ以降、ダンボールから出して、新たに水道水を注ぎ、瓶を揺すって緑豆を洗い、瓶をひっくり返して水を切り、ダンボールに戻すという作業を1日2回繰り返します。
5. 収穫
翌日〜数日経つと発芽し、その後著しい成長がみられます。季節や気温によって変動しますが、約3日〜1週間で見覚えのあるもやしが出来上がります。瓶の中に詰まっているもやしを取り出してさっと洗うと、緑豆の皮が取れます。新鮮なもやしですので、そのままサラダにしても、さっと湯がいておひたしにしても、炒め物に入れても絶品です。
もやしの育て方その②「水耕栽培」
次に「水耕栽培」をご紹介します。「瓶中栽培」はとても簡単で初心者には特におすすめの作り方なのですが、瓶の中で発芽、成長したもやしは、どうしても長さが短いものや成長しきれていないものもできてしまうのが難点です。一方で「水耕栽培」であれば比較的長さのある市販されているもやしに近いもやしを育てることができます。
もやし栽培キットは不要
水耕栽培できる道具として「もやし栽培キット」が市販されていますが、これを購入しなくても、家にあるものを使って水耕栽培は可能です。
準備するもの
- 緑豆(種)
- 目の細かすぎないザル
- ザルを引っ掛けることができるサイズの四角いボウルや容器
- ザルとボウルが入り、かつ上にまだ余裕がある大きさの蓋つきの段ボール
育て方
1. ザルの洗浄
まずザルはしっかりと洗浄し、煮沸消毒をします。煮沸消毒が難しい場合は、熱湯をザルとボウル全体にかけて自然乾燥させましょう。乾いたらザルの底へ緑豆同士が重ならないように平らに入るだけ入れて並べます。この「重ならないように平らに入るだけ緑豆を並べること」が大切なので、確実に行ってくださいね。
2. 種を浸水させる
ザルをボウルに引っ掛け、ザルとボウルの間にまだ余裕があることを確認し、水を注ぎます。このとき、緑豆の半分くらいが浸水する水量が適量です。水耕栽培ではこの「水加減」もとても大切です。水がこぼれないようにダンボールの中へ移し、蓋を閉めて暗い中で一晩おきます。
3. 排水と浸水
一晩暗い中で浸水させたら、その水を捨てて、新しい水を同く緑豆の半分くらいが浸かるように注ぎます。発芽しているかどうかは温度や季節にもよりますが、もし発芽していればその種を傷つけないように横に揺らして新しい水で洗います。そうすることでカビや腐敗防止ができます。新しい水を注いたらまたダンボールの中に戻します。
4. 暗所常温保存と水の取り替え
発芽して成長するまでこの作業を1日2回繰り返します。翌日から3日で発芽、さらにそこから成長を続け、浸水をはじめて数日から1週間で見覚えのある新鮮なもやしが出来上がります。ダンボールの蓋をした時に、成長したもやしがあたらないように気をつけましょう。
5. 収穫
適当な大きさまで成長したら収穫しましょう。ザルの網の目に引っかかっている部分をなるべくちぎってしまわないようにそっと抜き取れば、収穫完了です。収穫したもやしはあまり日持ちがしませんので、新鮮なうちに召し上がってくださいね!
もやしの自家栽培における注意点
もやしを家で栽培する上での4つの注意点があります。
注意点①種の選び方
もやしを家で育てる時に使う種は、必ず「スプラウト専用の種」もしくは「無消毒・無農薬」の種を選びましょう。一般的に園芸屋さん、ホームセンターで販売されている種は、農薬が使われていたり消毒されている種がほとんどです。それらを種仕事食べるもやし作りに使うのは好ましくありません。
注意点②「瓶中栽培」における育てる豆の量
「瓶中栽培」の場合、緑豆をはじめ瓶に入れた時、少なく感じるかもしれませんが、緑豆の量は底から必ず1cm程度にしましょう。発芽したあと数日間成長を続け、最終的には瓶が一杯になるほどの長さに成長します。育てたもやしは日持ちがあまりしませんので一回で食べきれる量を育てるようにしましょう。
注意点③「水耕栽培」における種子の並べ方
「水耕栽培」の場合、緑豆同士が重なっていると上手に育たなかったり、カビが生えてしまう原因になりますので必ず平らに入るだけを並べるようにしましょう。
注意点④カビなどの雑菌
もやしをはじめとするあらゆるスプラウトを家で育てる時に注意したいことの一つに、カビや雑菌の繁殖を抑えることです。前日の水を捨てなかったり、緑豆を毎日洗わずにいると空気の循環が不十分で豆が傷んでカビたり、雑菌が繁殖してしまう恐れがあります。
カビなどの雑菌を増やさないために
カビなどの雑菌を増やさないために、次のことをしっかり行いましょう。
- 使用する瓶は必ず煮沸もしくは熱湯をかけること
- 水気はきちんと切ること
- 豆を洗って新しい水を入れることは忘れずに行うこと
まとめ
もやしの育て方についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?思っているよりも簡単にもやしは自家栽培ができることがおわかりいただけたと思います。発芽のタイミングや難易度は異なりますが、緑豆以外の豆でも同じ方法・手順で作ることができます。自家栽培でとれた新鮮なもやしには、一味違う美味しさと喜びがあります。ぜひお試しいただければ幸いです!
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次は、もやしの水耕栽培ね!