王林とはどのようなりんご?
王林(おうりん)は「そばかす美人」という愛称をもつ青りんごの代表品種です。爽やかな香りと強い甘みがあり人気のりんごですが、見た目にそばかすのような果点(かてん)とヒビがあり選び方にコツが必要です。そこで今回は、王林の特徴と出回り時期、選び方や保存方法とおすすめの食べ方をレシピと共に詳しく解説します。
王林の親品種
王林は、「ゴールデン・デリシャス」と「印度(いんど)」の交配によって福島県で生れたりんごです。1952年に命名され青色系りんごのパイオニア的存在ですが、農林水産省の品種登録はされていません。しかし「フジ」や「ツガル」に次ぐ生産量を誇るりんごの代表品種となっています。
王林は「りんごの中の王様」という意味が込められて命名されました。青りんごと聞いて、王林を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか?
ゴールデン・デリシャス
ゴールデン・デリシャスは、アメリカで誕生した果皮が黄色いりんごです。日本では大正時代に生産されるようになり、果肉が柔らかく果汁が豊富なのが特徴です。また、王林の他にも「つがる」や「ジョナゴールド」など多くのりんごの親品種として活躍しています。
印度
印度は、青森県で誕生した日本最初のりんご品種ですが、その種のルーツは諸説あり、はっきりわかっていません。果皮は黄緑色、甘味が強く酸味と果汁が少ない特徴があります。戦後は高級りんごとして出回りましたが、現在はあまり栽培されていない珍しい品種です。
王林の特徴
王林は、バラ科リンゴ属の黄緑色のりんごです。果実の重さは約300g程度で長円錐の形をしています。熟すにつれて表面の果点(かてん)が目立ち、細かく茶色いヒビが入ります。また独特の爽やかな香りがあり果汁が多いのが特徴です。果肉はやや硬めで甘味が強く、酸味がほとんどないため食べやすいです。また、貯蔵性に優れており日持ちする点も見逃せない特徴です。
食べたときに、サクッとした食感が楽しめます。やや果肉が硬めですが食べやすいりんごです。
りんごの果点とヒビ
りんごの表面にそばかすのような「果点」があります。この果点とは、若いころの毛や気孔などが変化したものです。また細かく茶色いヒビを「サビ」といいますが、サビが多くても味が劣るわけではありません。逆にサビが多くザラザラしているほうが甘味が増します。
主な産地と出回り時期
王林は、青森県・長野県・岩手県が主な産地です。中でも青森県の収穫量が全国の80%近くを占めています。長野県では10月中旬から収穫が始まり、11月上旬~12月下旬に出回ります。東北地方は11月上旬から収穫が始まり、11月中旬~翌年8月まで出回ります。これは王林が晩生品種で貯蔵性がとても優れているため可能な出荷方法です。
次のページで「王林の選び方と保存方法」を詳しく見ていきましょう!
出典:写真AC