危険植物⑪ヤブガラシ
科名・属名 | ブドウ科ヤブガラシ属 |
草丈・樹高 | 50cm~2m |
開花時期 | 6月~8月 |
ヤブガラシ(藪枯らし)は、道端、林縁、荒れ地、公園のフェンスなど、日本各地でよく見かける雑草です。名前は藪を覆い枯らしてしまうほどの強い繁殖力に由来しています。根に利尿・解毒・鎮痛作用があるとされ、漢方では生薬として利用されていました。
名前どおりの繁殖力
ヤブガラシは名前の由来にもなっている繁殖力から、駆除が難しい雑草とされています。地下茎を持つため、いくら地上部を刈り取っても、すぐに芽を出して再生してしまうのです。地下茎ごと取り除こうとしても、地下茎が恐ろしく長く、全部抜き取るのは困難とされています。しかも開花時期になると、花の蜜を求めてハチなどがやってきてしまうため、ハチに刺される危険性もあります。
危険植物⑫ツルニチニチソウ
科名・属名 | キョウチクトウ科ツルニチニチソウ属(ビンカ属) |
草丈・樹高 | 1m以上 |
開花時期 | 3月下旬~6月上旬 |
ツルニチニチソウ(蔓日々草)は、つるをあらゆる方向に伸ばし成長していくつる性の多年草です。性質強健で寒さや乾燥に強く、半日陰でも育つことから、フェンスなどに仕立てたり、ハンギングバスケットにしたりと、幅広く利用されています。常緑性であることから、葉を楽しむ植物として扱われることも多いです。
ほかの植物を駆逐する繁殖力
ツルニチニチソウは可憐な花に似合わず、凶悪なほどの繁殖力を持つ植物です。いろんな方向に伸びるつるは、土に密着すると根付いて増殖するという性質を持っています。このため地植えにしていると、あっという間に庭一面に広がり、ほかの植物を駆逐してしまうのです。このため、初心者がツルニチニチソウを栽培する場合は、鉢植えが推奨されています。
危険植物⑬スギナ
科名・属名 | トクサ科トクサ属 |
草丈・樹高 | 5cm~15cm |
開花時期 | 3月~4月(ツクシ) |
スギナ(杉菜)はトクサ科のシダ植物で、日当たりがよく湿り気のある場所なら、どこでも生える雑草です。シダ植物なので花はなく、かわりに胞子茎(胞子穂)を伸ばして胞子を飛ばします。スギナの胞子茎が、春の風物詩のツクシ(土筆)です。
強い生命力を持つ地下茎
スギナは胞子と地下茎で増える植物です。しかもスギナの地下茎の生命力は非常に強く、多年草ということもあって、ほぼ一年中成長しています。地上部が枯れたり除去されたりしても、地下茎から新しい芽が生えてきます。このため、スギナが繁殖すると、専門家でも駆除が難しいといわれています。
危険植物⑭ゼニゴケ
科名・属名 | ゼニゴケ科ゼニゴケ属 |
草丈・樹高 | 3cm~10cm |
開花時期 | なし |
ゼニゴケ(銭苔)は世界中に分布しているコケの仲間で、おもに人家の北側のようなジメジメした場所に生えます。ゼニゴケは雌雄異株の植物です。雄株と雌株で有性生殖を行い、胞子を飛ばして増えます。しかし有性生殖が難しい環境下では自己増殖するという、厄介な性質を持つ雑草です。
通常の除草剤が効かない
ゼニゴケは胞子と自己増殖という2種類の繁殖方法があるため、放置しているとあっという間に増殖します。しかも厄介なことに、ゼニゴケには通常タイプの除草剤が効きません。そのかわり、ゼニゴケ専用の除草剤があるので、ゼニゴケが繁殖しだしたら、早急に入手して対処しましょう。
ミントテロ・植物テロの対策方法
ミントテロやハーブテロなど植物テロ対策は、根ごと引き抜いて処分する方法と、除草剤を使う方法があります。根ごと引き抜いて処分する場合、少しでも根を残したら再生してしまうので、根を残さないように土ごと掘って取り除きましょう。除草剤を使う場合、いきなり使うと、ほかの植物まで枯らしてしまう恐れがあります。ほかの植物を避難させてから使いましょう。
どうしてもミントを育てたい場合は?
ミントや植物テロを起こす危険性がある植物を育てたい場合は、鉢植えやプランターなど、限られたスペースで育てるのがおすすめです。ただし、鉢を地面に置いていると、こぼれた種が外に落ちたり、鉢穴から根が出たりして繁殖してしまう恐れがあります。鉢植えだからと油断せずに管理しましょう。
しっかり栽培管理してミントテロを防ごう
「ミントテロ」「植物テロ」というと恐ろしいイメージがあります。しかしミントは適切に管理すれば、よい香りで人を癒したり、料理やお菓子、お茶などに利用して生活に役立ってくれるすばらしいハーブです。ミントと並ぶ危険性を持つ植物のなかにも、きれいな花で人を魅了したり、薬にできたりする有用な植物があります。必要以上に恐れず、植える場所に注意して、上手に活用してくださいね。
出典:写真AC