ハーブとは
ハーブとは、薬や香料、料理やお菓子の香りづけ、虫除けなど、さまざまな用途に用いられる植物です。全般的な特徴としては、独特の香りを持ち、何らかの効能効果が認められる植物が多いことがあげられます。ハーブは人間と関わってきた歴史が古い植物です。種類によっては、紀元前から薬草または香草として利用されていたものも存在します。
雑草扱いされることもある
ハーブと呼ばれる植物の多くは生命力や繁殖力が強く、園芸初心者でも簡単に育てられる種類が多いです。一方で管理を怠ると、たちまち増殖してほかの植物を駆逐してしまう場合があります。実際に迷惑な雑草として危険視されている種類があるほどです。ハーブを栽培する際は、しっかり管理することを心がけましょう。
逆にいえば、危険性を理解して正しく管理すれば大丈夫な植物なんだよ。気を引き締めながら、ハーブ栽培を楽しもうね。
定番人気のハーブの種類5選
人気の定番種類①ミント
学名 | Mentha |
科名 | シソ科 |
属名 | ハッカ属(ミント属、メンタ属) |
原産地 | アフリカ、北半球の温帯地域 |
花色 | 白、ピンク、赤紫 |
開花時期 | 7月~9月 |
このハーブは何が特徴?
ミントはハーブと呼ばれる植物のなかでも、特にポピュラーな種類です。みずみずしい緑の葉っぱ、清涼感あふれる香り、強力な殺菌作用が多くの人に親しまれ、古い昔から香草・薬草として利用されてきました。現代でも人気の高いハーブです。古代ギリシャ・ローマ時代には、入浴剤として利用されていた記録が残っています。丈夫で栽培しやすいことから、園芸初心者にもおすすめの植物です。
ミントは高い殺菌作用とすっきりした香りから、歯磨き粉やハーブティーによく利用されています。
葉っぱが美しいことから、お菓子の飾りつけにもよく利用されているよ。栽培も簡単だけど繁殖力が強過ぎるから、地植えは避けようね。
人気の定番種類②イタリアンパセリ
学名 | Petroselinum neapolitanum |
科名 | セリ科 |
属名 | オランダゼリ属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
花色 | 白 |
開花時期 | 6月~7月 |
このハーブは何が特徴?
イタリアンパセリは、名前が示すようにパセリの仲間です。通常のパセリと比べると葉っぱが縮れておらず、平たい形をしています。おもな使い方は通常のパセリと同じく、料理の装飾や風味づけの香草です。イタリアンパセリは風味や香りが柔らかくいろんな食材にあうため、肉料理、魚料理、スープ、サラダと幅広く利用されています。栽培も簡単で、初心者にもおすすめのハーブです。
イタリアンパセリは名前が示すように、イタリア料理によく利用される香草です。栄養価も高いので、積極的に使いましょう。
イタリアンパセリはビタミン類、鉄分、カルシウムなど栄養素が豊富なんだよ。彩りも栄養バランスも整えてくれるんだ。
人気の定番種類③バジル
学名 | Ocimum basilicum |
科名 | シソ科 |
属名 | メボウキ属 |
原産地 | 熱帯アジア |
花色 | 白、ピンク |
開花時期 | 7月~10月 |
このハーブは何が特徴?
バジルは熱帯アジア原産のシソ科の植物で、鮮やかな緑色の葉っぱが特徴です。葉っぱを香草として用いるのが一般的ですが、種もダイエット食品などに利用されています。バジルという名前はギリシャ語で「王」を意味する「basileus」が由来です。日本へは江戸時代に伝わり、種をふやかしたものを目薬として用いていました。この逸話はバジルの和名「メボウキ(目箒)」の由来でもあります。
バジルの葉っぱは生でもドライでも食べられます。特にイタリアでは料理に欠かせないハーブとして、とても愛されているんですよ。
バジルはトマトとの相性がとてもいいんだよ。食べる場合もそうだけど、混植すると生育がよくなるコンパニオンプランツでもあるんだ。
人気の定番種類④ラベンダー
学名 | Lavandula |
科名 | シソ科 |
属名 | ラバンデュラ属(ラベンダー属) |
原産地 | 地中海沿岸、インド、カナリア諸島、北アフリカ、中東 |
花色 | 紫、青紫、ピンク、白 |
開花時期 | 5月~7月 |
このハーブは何が特徴?
ラベンダーは、美しい花姿と優雅な香りが人気のハーブです。日本では北海道などの寒冷地で栽培されています。特に北海道の富良野のラベンダー畑は大人気で、観光名所となっているほどです。ラベンダーの学名「Lavandula」は、ラテン語で「洗う」を意味する言葉「lavo」に由来しています。品種によって見た目や性質が異なるため、栽培する際は事前に調べておきましょう。
古い昔からラベンダーには、鎮静、抗菌、防虫などの効能があることが知られていました。
古代ギリシャ時代には、ラベンダーを洗濯や入浴に利用していたといわれているよ。これが学名の由来になったんだね。
人気の定番種類⑤レモングラス
学名 | Cymbopogon citratus |
科名 | イネ科 |
属名 | オガルカヤ属 |
原産地 | インド南部、スリランカ |
花色 | 白 |
開花時期 | 7月頃 |
このハーブは何が特徴?
レモングラスは細長い葉っぱが特徴のハーブです。名前が示すように、レモンに似た清涼感のある香りを持っています。香りがよく生でもドライでも使えるため、ハーブティーやスープなどの料理に用いられることが多い人気のハーブです。香りに防虫効果があることから、虫よけスプレーやクローゼットの防虫剤にも利用されています。
レモングラスの開花時期は夏です。しかし熱帯以外では開花しにくい性質のため、温帯の日本ではほとんど花をつけません。
レモングラスは葉っぱに香りがある植物だから、ハーブとして利用する場合は問題ないよ。寒さに弱いから、冬は室内管理がおすすめだよ。
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ハーブは繁殖力旺盛で育てやすい植物が多いです。でも扱い方を間違えると、環境を壊す有害植物に変わる種類もあります。