冬至におすすめの食べ物「冬至の七種」とは
冬至は一年のうちで一番、昼の時間が短くなる日です。そのため、古代中国では冬至を境に太陽の力が復活する日としてめでたい日とされていました(一陽来復:いちようらいふく)。「ん」はひらがなで最後の文字のため、一陽来復の考えになぞらえ、「ん」がつく食材は縁起物とされています。特に「ん」が2回重なるとさらに縁起がよく、「冬至の七種(ななくさ)」といわれています。
ボタニ子
冬至の詳しい由来や風習については、こちらでご説明しています。
冬至の七種①なんきん(かぼちゃ)
緑黄色野菜のかぼちゃは「なんきん」ともよばれます。外国から輸入する際に中国の南京を通ってきたことが由来です。βカロテンやビタミンCが豊富で、免疫力を高められるとされ、風邪をひきやすい冬の時期にぴったりです。ビタミンEや食物繊維も含まれ、便通を整える効果があるといわれています。
冬至の七種②れんこん
れんこんには、ポリフェノールの一種であるタンニンやビタミンCが多く含まれています。細胞が酸化しダメージを受けることを防ぐ抗酸化作用があり、シミや小じわなどの老化や動脈硬化の防止に効果が期待できます。また、れんこんを切るときに出る粘り成分「ムチン」の胃腸を保護する作用とタンニンの炎症を抑える作用で、胃腸が弱ったときによいとされる食材です。
冬至の七種③にんじん
にんじんは、かぼちゃ以上にβカロテンが非常に豊富で、その量は野菜のなかでもトップクラスです。βカロテンは抗酸化作用以外にも、体内でビタミンAに変化し、粘膜や皮膚、髪などを正常に保つ働きがあるといわれています。肌荒れやドライアイ、アンチエイジングなどに効果が期待できます。煮るよりも炒めものなど油と一緒に摂取すると吸収効率がいいですよ。
冬至の七種④銀杏(ぎんなん)
銀杏は、糖質やビタミン、そしてカリウムやマグネシウムといったミネラルがバランスよく入っていて、栄養たっぷりの食材です。また、東洋医学では身体をあたためるといわれています。銀杏は食べすぎると痙攣などの中毒症状を起こすとされているため、特に子どもの食べすぎには注意しましょう。
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銀杏の効能や注意点については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
冬至の七種⑤饂飩(うんどん:うどん)
うどんは同じ炭水化物の米と違い、製粉する技術や作る手間がかかることから、古くは特別な日の食べ物とされていました。うどんには、炭水化物のほかにタンパク質やビタミンも含んでいますが、量はそれほど多くないためバランスがよいとはいえません。低脂肪で低カロリーで、しっかり煮ると非常に消化がよいとされ、胃腸炎や風邪のときにも重宝されています。
冬至の七種⑥寒天
寒天は、テングサやオゴノリといった海藻から作られ、食物繊維が豊富でカロリーもほとんどありません。特に、食物繊維は食材のなかで上位トップ3に入る含有量です。食後の血糖値を上がりにくくし、コレステロールを抑え、高血圧や動脈硬化の予防につながるとされています。また、美肌効果やお通じをよくする働きもあるといわれています。
冬至の七種⑦きんかん
柑橘系のきんかんには、ビタミンCが多く含まれていて、抗酸化作用や美肌作用、免疫力アップが期待できます。また、皮にはヘスペリジンという柑橘系由来のボリフェノールも含まれていて、ビタミンCの吸収をよくしてくれ、血管を強くする作用もあるといわれています。さらに、シネフリンという成分により、古くから咳止めとしても使われてきました。
冬至の七種以外のおすすめ食べ物
おすすめ食べ物①ゆず
冬至といえば、湯船に浮かべる「ゆず湯」が有名ですが、冬の味覚としても味わえますよ。ゆずには同じ柑橘類であるきんかんと同じように、ビタミンCやヒスペリジンが含まれています。また、爽やかな香りはリモネンと呼ばれる成分によるもので、アロマオイルなどにも使われるなどリラックス効果が見込まれる食材です。
おすすめ食べ物②あずき
古来、あずきの赤色は邪気を払うとされて、厄除けや祝い事に使われてきました。また、枕やお手玉など身近なものにもあずき製品は多いです。そんな馴染みの深いあずきは、抗酸化作用を含むポリフェノールや食物繊維が豊富で、高タンパク低脂肪です。地方によっては、冬至にあずきを入れた冬至粥を食べるところもあります。
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次のページは、冬至の七種やおすすめ食材を使ったレシピをご紹介しますよ。
出典:写真AC