盆栽とは
盆栽は日本人にとって馴染みの深いものです。海外でも人気を博していて、「BONSAI」と英語の綴りとしても公認されています。苗木の成長を見ながら自然との調和や景観をも表現する、アートに似た要素を備えているのが特徴です。定期的にはさみで剪定し、手入れをしながら矯正し、環境との調和を楽しむ育て方をします。
初心者向け盆栽の作り方
盆栽作りの初心者は、比較的に丈夫で育てやすい種類を選ぶことが重要です。最初から難しい樹木や複雑な形を選んでしまうと上手に育てられなくなる恐れがあります。まずは基本的な作り方、選び方を実践し、徐々に理想の形状へ近づけましょう。
道具を準備
盆栽作りに必要な用具は、初心者がフル装備するのは難しいことです。これらは経験値を重ねる中で、必要に応じて徐々に買い揃えていきます。まずは、必要最低限の道具を揃えるところから始めましょう。
剪定用のはさみ
盆栽はさみは植物専用はさみなので、一般的な工作用はさみとは形状が異なります。持ち手が大きく空いているのが特徴です。芽摘や葉刈り、2mm以下の枝を剪定するのに使用します。初心者用から上級者用までいろいろな種類があるため、初心者は手頃な価格のものから揃えましょう。
又枝切
又枝切(またえだきり)は、通常のはさみでは切れないような3mm以上の枝を切るのに用います。枝以外に根切りやこぶ切りにも使え、盆栽にはなくてはならない道具です。盆栽はさみだけでは対応できない状況もあり得るため、又枝切も用意しておきましょう。
針金
針金は、木や枝の形状を整えるために使用します。枝がランダムに伸びないよう矯正をする道具です。盆栽用針金にはアルミ線と銅線の2種類があり、銅線は硬く縛るときに使います。また、針金を切る際の針金はさみ、ニッパーなども用意しておきましょう。
ピンセット
盆栽は繊細な園芸なので、作業中に余計な力が加わって必要だった枝を折ってしまう恐れもあります。そのため、細かい作業や手入れにはピンセットの使用がおすすめです。虫やごみ、雑草の除去、松葉抜きや芽摘などに役立ちます。
回転台
あると便利なのが回転台です。回転台は盆栽をその上に載せて、植え替えや整枝をする際に使用します。台が自由に回転するので、いちいち体を移動させる手間が省けて、効率よく作業がはかどります。
作り方①素材を選ぶ
まずは「素材」を選びましょう。素材とは、自分なりに仕立てあげる種木のことです。初心者は、ある程度まで形が整っている市販されているものなら失敗が少ないのでおすすめです。まずは手軽な素材選びをしましょう。
丈夫で知られているものを選ぶ
初心者用の盆栽素材は、生育がすでに良好で健康的な木から選びましょう。四季の移り変わりに対応できる丈夫な種類を選ぶのがおすすめです。葉が繊細で緑が濃く、表面のツヤがよいものを選んでください。
根と枝が均等なものを選ぶ
根の状態を確かめておくことも選ぶポイントの一つです。根元から幅広く山の裾野のように均等に広がっているものを選びましょう。また、根元から頂部に向かって幹が真っ直ぐに伸びて、均等に枝が細く分かれていく木が最適です。
枝数が多いものを選ぶ
傷が少なく、枝数がなるべく多いものを選ぶこともポイントです。枝数の多さは、健康に育っているバロメーターにもなります。
作り方②鉢を選ぶ
盆栽の「盆」という文字は「鉢」を意味しています。つまり盆栽とは、鉢と樹や草が一体化し成立するのが本来のあり方です。鉢の選び方も盆栽にとっては重要な作法の一つに数えられています。しかし、絵画の額縁を選ぶのと似ていて、理想的な鉢選びに正解はありません。
根の成長と全体の調和を考える
盆栽用の鉢は、成長過程の中で交換していきます。まだ始めたばかりで仕立てている最中のときは、素焼きの「仕立て鉢」を使い、成長して仕上がった盆栽には「化粧鉢」を使用することが通常の手法です。しかし初心者なら、これにこだわる必要はありません。
初心者は水はけのよい鉢を選ぶこと
鉢の中で根をすくすく育てるために、通気性や排水性の優れたもの、木の大きさに適した鉢を選ぶことがポイントです。優れた鉢なら、多めに水やりしても根腐れしません。