ズッキーニの皮は食べられる?
ズッキーニは、フランス料理やイタリア料理でよく使われている野菜です。日本では1980年代ごろから食べられるようになり、緑色の細長い形をした品種が多く販売されています。やや皮が硬いため、皮ごと食べられるのか疑問に思ったことがあるかもしれません。皮を剥くほうがよいのか、ズッキーニのおいしい食べ方を知り上手に食生活に取り入れましょう。
ズッキーニの旬
ズッキーニの旬は、初夏~夏です。ハウス栽培や露地栽培によって年間を通して流通していますが、6~9月に多く出回ります。長さが20cmほどの若い実が収穫されます。ズッキーニは、あまり大きくなってから収穫すると、皮がどんどん硬くなり繊維質が増えて食べられません。追熟はしないため収穫後、新鮮なうちに食べましょう。
ズッキーニの色と形
ズッキーニは、細長い形をよく見かけますが、ほかにも丸形や星形、円盤型などさまざまな形があります。また色も緑色だけではなく、黄色や縞模様などもあり多彩な種類がそろっています。色の違いは追熟によるものではなく、種類の違いです。さまざまな色の見るだけでも楽しめるのがズッキーニの魅力といえるでしょう。サラダなどの彩りになり食卓を華やかにしてくれる野菜です。
ズッキーニの皮は剥いたほうがいい?
皮ごと食べても大丈夫!
ズッキーニは、皮を剝く必要はありません。ズッキーニは、別名「つるなしかぼちゃ」「うりかぼちゃ」と呼ばれるウリ科カボチャ属の野菜です。きゅうりに似た見た目をしていますが、かぼちゃの仲間になり少し硬い皮に覆われています。皮を剥くか剥かないか迷ってしまうかもしれませんが、剥かずに食べても大丈夫です。皮に近い部分に栄養がたくさん含まれているため、皮ごと食べましょう。
ズッキーニの皮に含まれる栄養と効能
ズッキーニは、皮を剥かずに食べられる野菜です。開花後5~7日後にできる未熟な果実で、皮と実の間には栄養が豊富に含まれています。皮ごと食べれば、健康と美容によい栄養素を効率的に摂取できるでしょう。皮色が違っても栄養価はほとんど変わりません。夏バテを予防し、元気な身体を維持するためにおすすめの食材です。
含まれる栄養①βカロテン
βカロテンは、体内に入ると必要な分をビタミンAに変換される栄養素です。強い抗酸化力があり、目や皮膚の粘膜を健康的に保つとされ、免疫力を強くする働きが期待できるでしょう。アンチエイジングにも効果があるとされ、美容に気をつけている方は積極的に摂取したい栄養素です。脂溶性のビタミンのため、油と一緒に調理したほうが効率よく吸収できます。
ボタニ子
ズッキーニにβカロテンが豊富なことは、かぼちゃの仲間である証拠です。
含まれる栄養②カリウム
ズッキーニに含まれるカリウムは、野菜や果物に含まれているミネラルのひとつです。細胞の浸透圧を維持し、水分を保持する役割があるとされています。むくみを解消したり血圧を下げたりする働きが期待できるでしょう。また、腎臓でのナトリウムの吸収を抑制し排泄を促すことにより、正常な血圧を保つ効果があるといわれています。
含まれる栄養③ビタミンC
ビタミンCは、美しい肌を作るのに役立つ栄養素です。シミやくすみの原因であるメラニンの生成を防ぎ、紫外線によるダメージから肌を守ってくれるでしょう。また、ビタミンCには、歯は骨の生成や維持を助ける働きがあるとされ、老化の原因となる活性酸素を分解する働きがあるといわれています。ビタミンCは加熱に弱く水分に溶けて流れ出てしまうため、生のままサラダに活用するのがおすすめです。
含まれる栄養④食物繊維
ズッキーニに含まれる食物繊維は、腸内環境を整える栄養素です。エネルギーにはなりませんが、小腸での栄養吸収を緩やかにし、食後の血糖値上昇を抑える効果が期待できるでしょう。また、体内の有害な物を便と一緒に排出する働きがあり、腸内環境を改善しダイエットにもつながります。
含まれる栄養⑤葉酸
葉酸は水溶性ビタミンのひとつで、緑色をした野菜に多く含まれている栄養素です。血液を作る働きや、たんぱく質の合成を助ける働きがあります。貧血や、肌荒れを防ぐ効果が期待できるでしょう。ズッキーニの皮は少し硬いですが、葉酸を含んだ皮が大切です。貧血になりやすい方や妊娠中の方は、できるだけ皮ごと食べて力をつけましょう。
ズッキーニの皮を食べやすくする方法
ズッキーニは、皮のまま食べられる野菜です。皮に豊富な栄養が含まれていますが、やや硬いため食べにくさを感じるかもしれません。カットした後、煮たり焼いたりして柔らかくして食べるのが一般的です。生のままサラダやスティックにして食べるときは、アク抜きなどひと手間加えて食べやすくしましょう。ただし、採れたての新鮮なものは、皮が柔らかいため手間を加えず食べられます。
方法①薄切りにする
ズッキーニは、薄切りにすると食べやすくなります。薄く輪切りや半月切りにしてみましょう。薄く切ると皮の硬さが気にならなくなり、サラダにしても食感を楽しみながらたくさん食べられます。どうしても皮が気になるときは、ピーラーを使って縦に縞模様を作るように何カ所か剥くと食べやすいです。縞模様に皮を剥くと、加熱調理するときに火が通りやすくなり味もよく染み込みます。
方法②アク抜きをする
ズッキーニは、アク抜きをすると食べやすくなります。ズッキーニのヘタを切り、好みの大きさに切って塩水にさらしましょう。浮き上がってこないように小皿などで落し蓋をしておくのがコツです。約10分経ったら、流水ですすぎ、キッチンペーパーで水分をよく拭き取ります。塩によって水分が抜けて柔らかくなり、生でも食べやすいです。またズッキーニに、ほんのり塩味がつき旨みが増します。
黄色いズッキーニは生でも食べやすい
ズッキーニには、黄色い種類ものもあります。緑色のズッキーニは、皮や実が硬く少し青臭さや苦味がありますが、黄色いズッキーニは、皮や実が柔らかく青臭さがないのが特徴です。実の中心が柔らかく生でも食べやすいため、サラダには黄色いズッキーニのほうが使いやすいでしょう。
ボタニ子
次のページで、ズッキーニはどのように食べられるのか、おすすめの調理法を紹介します。
出典:写真AC