「すずな」とは?春の七草ともされる食材の概要と美味しい食べ方を紹介!

「すずな」とは?春の七草ともされる食材の概要と美味しい食べ方を紹介!

春の七草で知られるすずな。根にも葉にも栄養が豊富で、からだにとてもいい効能がつまった食材です。簡単に栽培でき、家庭菜園にも人気です。すずな以外の名前や、可愛らしい花の花言葉、栽培方法や特徴、美味しい食べ方までご紹介します。

記事の目次

  1. 1.すずなとは?
  2. 2.すずなの特徴
  3. 3.すずなの花言葉
  4. 4.春の七草とは?
  5. 5.すずなの栄養素と効能
  6. 6.すずなの美味しい食べ方
  7. 7.まとめ

すずなとは?

出典:写真AC

「すずな」とはカブの別の名前で、春の七草のひとつです。すずなは「菘」、「鈴菜」という漢字で表記される事があります。すずなの名前の由来は諸説ありますが、「すず」は錫製(すずせい)の容器の形に似ていることが由来という説と、鈴の形に似ていることが由来という説など、さまざまです。なお、春の七草でのすずなは白い根の部分ではなく、葉の部分を指しています。

すずな(カブ)の名前いろいろ

Photo bycongerdesign

すずなはカブの事ですが、カブは沢山の名前があることが特徴で、「菘、鈴菜(すずな)」「カブラ」「カブラナ」「豊菜(ホウサイ)」「大頭菜(ダイトウナ)」など、数々の名前があります。カブという名前の由来は、諸説ありますが、頭を意味する「かぶり」から来ている、根を意味する「株」などあり、江戸時代では漢語で、蕪菁(ブセイ)、蔓菁(マンセイ)、扁蘿蔔(ヘンラフク)などと呼ばれ、実に様々な名前があります。すずな、かぶらは冬の季語としても知られ、白い根を雪に例えた和歌が多く詠まれていました。

すずなの特徴

出典:写真AC

すずな(カブ)は、アブラナ科の根菜です。世界中で栽培されていますが、分類上はアフガニスタン由来のアジア系と、中近東から地中海沿岸由来のヨーロッパ系の2種に分かれています。世界的にも歴史の古い野菜として知られ、日本でも古くから食べられています。日本では、現在主要産地は千葉県、埼玉県です。根は品種によって様々な特徴・形状や色があります。

根の特徴

出典:写真AC

すずな(カブ)の品種は80種類ほどと言われていて、根が肥大する根菜ですが、根の部分の形状や、色も様々なので特徴をまとめてみました。

根の形状 球、円筒、円錐、ナシ型など
根の色 白、黄、紅、紫、灰白など変化が多い
栽培環境 冷涼な気候を好む 耐寒性が強い

色によって食べ方が違う?

出典:写真AC 

よく見かける白いカブは、煮物や浅漬け、ぬか漬けや生食も可能です。赤いカブは漬物で見かける事が多いでしょう。黃カブは西洋カブなので、シチューなど煮込む料理に向いていて、紫カブは色鮮やかなのでピクルスやサラダなどにも用いられます。色によって産地が異なっていたりしますが、カブ自体アクの少ない野菜なので、薄くスライスすれば生食が可能なものが多いです。

家庭菜園でも人気のすずな

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

すずなの花。アブラナ科なので、菜の花に似ています。

すずな(カブ)は連作障害があるため、同じ場所での栽培は1~2年避けます。3月中旬~5月ごろに種まきする「春まき」と、8月下旬~10月上旬ごろ蒔く「秋まき」があり、いずれも種まきから45日~50日程度で収穫可能になるのが特徴で、家庭菜園でも人気の野菜です。アブラムシがよくつきやすいので、虫の対策や、土を乾燥させたり雨が続くと根が裂けてしまうため、注意が必要になります。また、収穫時期が遅れると根が肥大し裂けてしまうため、あまり大きくなる前に収穫するのがコツです。

すずなの栽培注意点

  • 連作障害有り。1~2年は同じ場所での栽培を避ける
  • アブラムシや虫の対策が必要
  • 収穫時期が大事

すずなの花言葉

出典:写真AC 

すずなは野菜ですが、その花には花言葉があります。すずなは菜の花にとても似ている黄色い小さい花をたくさん咲かせます。すずなの花言葉は「慈愛」「晴れ晴れと」です。この花言葉の「晴れ晴れと」は、青い空に鮮やかな黄色の花を咲かせるすずなにはピッタリです。また「慈愛」という花言葉は、すずなにはからだに優しい栄養素が豊富な特徴から由来します。

春の七草とは?

春の七草は「芹(せり)」「薺(なずな)」「御形(ごぎょう)」「繁縷(はこべら)」「仏の座(ほとけのざ)」「菘(すずな)」「蘿蔔(すずしろ)」の事です。春の七草といえば、正月を過ぎて1月7日に、七草粥を食べる日本の風習です。この七草の「菘(すずな)」はカブの事で、「蘿蔔(すずしろ)」は大根の事です。

なぜ七草粥を食べるのか?

出典:写真AC 

古代からある若菜を摘む風習

古代より日本では、年初に雪の間から芽を出した若菜を摘む風習があり、これが七草の原点ともされています。今の七草粥の文化に至るまでは、中国の「七種菜羹(しちゅうさいこう)」という7種類の野菜を煮た、とろみのある汁物を食べ、無病を祈る文化と習合したことにより生まれたと言われています。

他にも様々な理由で食されてきた

他にも、七草粥を食べることで、①正月のおせち料理で疲れた胃腸を休める、という意味や、②邪気払いとして、また、③無病息災を祈るといった習慣もあります。④野菜が乏しい冬の時期に栄養素を補うという効能もあり、様々な理由が由来し食されてきました。

春の七草の入手方法

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七草は自生していることも

春の七草は、どう入手するのでしょうか?その辺りの公園や土手などの野草を入手するのでしょうか?実は、芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)は公園や原っぱ、土手に自生している事が多いです。ただ、その時期が問題で、春の七草は七草粥にして1月7日に食べる事が習わしですが、この5つの野草が自生するのは、一般的に2月初めと言われていて、七草粥の日には間に合わないのです。七草粥は古くからの行事ですが、当時は旧暦だったため、ズレが生じたと言われています。

現在はスーパーなどで買うことがおすすめ

自生している七草は似ている野草との見分けも難しいので、春の七草はスーパー等のお店で入手することをオススメします。すずなはカブ、すずしろは大根の事なのでどこのスーパーでも手に入れることができます。

すずなの栄養素と効能

出典:写真AC 

すずなの葉の部分

すずなの葉の部分には、カロテン、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、鉄分、食物繊維などが含まれていて、葉の部分はカルシウムがほうれん草の5倍、カロテンはブロッコリーの3倍ともいわれ、骨粗しょう症予防やウィルスからの免疫力を上げる効能があります。

すずなの根の部分

根の部分はアミラーゼ(デンプン分解酵素)、カリウム、ビタミンC、食物繊維が含まれています。根の部分にも効能があり、アミラーゼは胸焼けや胃もたれの解消、整腸効果があります。葉酸も豊富なため貧血予防の効能もあります。

グルコシアネートという成分

根、葉ともにグルコシアネートという成分が多量に含まれていて、このグルコシアネートががん予防に良いとされています。すずな100g中に約100mgも含まれているといわれ、同じアブラナ科のキャベツや、カリフラワー等に比べ、最も多く含まれている野菜です。

アブラナ科野菜はがんの予防に相乗的に役立つ可能性のある多様な栄養素や植物性化学物質の良好な供給源である。

すずなの効能まとめ

  • ガン予防にいい「グルコシアネート」がアブラナ科の中で最も多く含まれている
  • 骨粗しょう症、ウィルス免疫力を上げる
  • 胃の粘膜保護、整腸作用があるアミラーゼが豊富
  • 貧血予防の葉酸が豊富
  • 疲労回復、風邪予防のビタミン類が豊富

すずなの美味しい食べ方

葉や茎の食べ方

出典:写真AC 

葉の部分は、捨てられてしまいがちですが、栄養素でもご紹介した様に葉の部分はとても栄養が豊富です。葉や茎の部分はよく洗って細かく切り、ごま油、塩で水分を飛ばすように炒めてから白ごまを散らすと、ふりかけとしてご飯のお供にとても合います。または、お馴染みの七草粥に入れてもいいですね。葉と茎を浅漬けにしたり、炒めものにもできたり、葉や茎は加熱することで甘みが出て、美味しい食べ方のバリエーションも豊富です。

根の食べ方

出典:写真AC 

根の部分はアクが少ないので生食も可能で、薄くスライスしてサラダにしたり、ぬか漬けや浅漬けも美味しいです。味噌汁に入れても美味しいですし、洋風にシチューやコンソメスープにも合います。すずなの旬は晩秋から初冬にかけてと言われ、この時期のすずなは甘みも強くとても美味しいです。葉の部分に比べ、根の部分は様々な食べ方がありますが、アミラーゼが豊富で胃の不調を整える効能があるため、胃の不調が続く場合は、柔らかく煮たすずなを食べると良いでしょう。

まとめ

フリー写真素材ぱくたそ

すずなはスーパーマーケットなどで、簡単に手に入る身近な食材ですが、その栄養価はとても高く、からだにとても優しい食材です。その効能は古くから活用されてきたと思うと、とても感慨深いです。食べ方は漬け物や炒めもの、捨ててしまいがちな葉の部分はごま油で炒めてふりかけしても美味しいので、是非チャレンジしてみてくださいね。

Mippy88
ライター

Mippy88

イヤイヤ期に突入した娘の育児をしながらの簡単菜園、ガーデニングを試行錯誤中。 趣味は料理、家事、園芸、DIY、掃除、写真、裁縫などなど…

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