野菜のアクとはどんなもの?体に悪い?あく抜きの方法も詳しく解説

野菜のアクとはどんなもの?体に悪い?あく抜きの方法も詳しく解説

野菜のあく抜きは、手間がかかり苦手な方もいるかもしれません。しかし、野菜のアクには、栄養とあわせて人間の体に悪いものも含まれているため、取り除いてから食べる必要があります。そこで、野菜のアクの成分や体への影響、あく抜きの方法を詳しくみていきましょう。

記事の目次

  1. 1.野菜のアクは取らないとダメ?
  2. 2.野菜のアクとは
  3. 3.野菜のアクを取り除く理由
  4. 4.野菜ごとのあく抜きの方法
  5. 5.野菜のアクを抜いておいしく食べよう!

野菜のアクは取らないとダメ?

出典:写真AC

アクとは、漢字で「灰汁」と書き、木や藁(わら)の灰を水に浸し、上澄みをすくい取った液のことをいいます。この液はアルカリ性で、昔からこの性質を利用し野菜や山菜のもつ雑味を処理していました。現在は、野菜の味を邪魔する体に悪い成分を「アク」と呼んでいます。

野菜のアクとは

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野菜のアクとは、野菜に含まれる不要な渋味、えぐ味、苦味などの雑味を指します。このアクを取り除くことを「あく抜き」と呼び、野菜をおいしく調理する大切な下処理です。誤ったあく抜きを行うと、野菜の栄養素まで取り除くことになります。野菜には、にんじんや白菜のようにあくのない野菜もあり、全ての野菜にあく抜きが必要なわけではありません。アクの成分が、体に害を及ぼすかどうかで判断します。

野菜のアクの成分

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透明な泡のように見える野菜のアクは、えぐ味の正体であるシュウ酸やホモゲンチジン酸、苦味のもとになるアルカロイドや有機および無機の塩類、渋味を出すタンニン系物質を含んでいます。有機や無機の塩類物質やアルカロイド物質は、摂取するとほかの栄養成分の吸収を邪魔してしまいます。また体によくない影響があるといわれており、できるだけ取り除きたい成分です。

野菜のアクを取り除く理由

出典:写真AC

野菜のアクは、草食動物や害虫から身を守るために備えている成分です。苦味、渋み、えぐ味には刺激のある物資や栄養の吸収を妨げる物質が含まれており、微量な量でも人間が食べると体に害を与える場合があります。また味や見た目の色合いを落としてしまうため、取り除いたほうがおいしく食べられるでしょう。

理由①体に悪い成分を取り除く

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ほうれん草や筍(たけのこ)には、シュウ酸が含まれています。シュウ酸は摂りすぎるとカルシウムの吸収を阻害したり、体の中に石ができる結石の原因になったりします。毎日食べ過ぎなければ、あまり気にする必要はありません。しかし、微量な毒でも体内に溜めると体に悪い症状を引き起こす可能性があります。少しでも体内に不要な成分を溜めないように取り除いたほうがよいでしょう。

理由②味をよくする

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葉のしっかりした葉物野菜は、えぐ味が強いです。汁物や炒め物に使用する場合は、調理前に下茹でしておくと味がよくなります。たけのこや蕨(わらび)など天然の山菜は、そのまま食べると苦味とえぐ味が強すぎ、あまりおいしくありません。体に悪い成分ではありませんが、独特の風味を楽しむためにしっかりあく抜きをしましょう。

理由③見栄えをよくする

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レンコンやゴボウなどのアクは、クロロゲン酸やムチンというポリフェノールです。ポリフェノールは、抗酸化作用があり体によい成分ですが、皮をむいて空気に触れると酸化するため、野菜の切り口が黒く変色します。盛り付けたときの見栄えをよくするために、水や酢水に浸けてあく抜きをしましょう。

野菜ごとのあく抜きの方法

出典:写真AC

野菜のアクは、水や酢水に浸けたり、米ぬかを使ったりして取り除きます。茹で時間や水に浸ける時間が長くなると、野菜に含まれるビタミンやカリウムなど水溶性成分が水に溶け出てしまいます。栄養を逃がさずおいしく食べるためには、正しくあく抜きをすることが大切です。にんじんのようなあくのない野菜は、あく抜きをする必要はありません。ゴボウや大根などは野菜の特徴にあわせて、あく抜きをしましょう。

あく抜きの方法①ゴボウ

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ゴボウは、たわしや布きんで擦りながら、流水で汚れや泥を落とします。ゴボウを食べやすい大きさに切り、水の入ったボウルに30秒ほど浸けます。白く仕上げたい場合は、酢水にさらしましょう。酢水は1L に対して酢を小さじ2~3が目安です。また、熱湯で数秒間茹でてもあく抜きができます。長時間あく抜きをすると水溶性食物繊維が溶け出てしまうため、短時間で行いましょう。

あく抜きの方法②レンコン

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レンコンは、酢水にさらしてあく抜きをします。酢がない場合は、レモン汁で代用しましょう。水500mLと酢小さじ1をボウルに入れ、レンコンを1節加えて5分程度さらします。酢水にさらすと、レンコンの変色を防ぐ効果があります。彩りを白く仕上げたい料理には必要ですが、煮物やハンバーグタネに混ぜる場合は、あく抜きは不要です。

あく抜きの方法③ほうれん草

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ほうれん草には、えぐ味成分のシュウ酸が含まれています。水に溶けやすい成分のため、あく抜きをするときは短時間茹でて水にさらしましょう。シュウ酸は結石の原因となりますが、生のまま大量に食べなければ問題ないといわれています。しかし、生食用に品種改良された「サラダほうれん草」は、アクが少ないため、あく抜きをせず食べられます。

あく抜きの方法④大根

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大根は、米のとぎ汁を使ってあく抜きをすると、甘味が引き立った味に仕上がります。鍋に大根がかぶる程度のとぎ汁を入れて、沸騰したら弱火にして約10分茹でます。大根が透明になり竹串がスッと刺さる程度に柔らかくなったら、鍋からあげて流水でアクを流してください。とぎ汁がない場合は、炊く前の米粒を少量入れて大根と茹でましょう。下茹ですると、煮物などの味が染み込みやすくなります。

あく抜きの方法⑤じゃがいも

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じゃがいもは、切り口がチロシンという成分によって変色するため、水に浸けてあく抜きをします。食べやすい大きさに切ったじゃがいもを、水を張ったボウルに入れて約5分間浸けましょう。長時間水に浸けると、じゃがいもに含まれる栄養が流れ出てしまったり、デンプンが抜け過ぎたりします。ホクホクした食感を活かす粉ふき芋やマッシュポテトを作るときは、水でサッと洗う程度がおすすめです。

あく抜きの方法⑥なす

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なすは、切り口がすぐに変色するため、短時間水に浸けてあく抜きをします。変色すると見た目が悪くなり、渋みが出て料理の味が落ちます。食塩水にさらすとさらに変色防止に効果的です。しかし炒め物や揚げ物など油で調理する場合は、あく抜きは不要です。切り口に塩を少量ふっておけば、アクを含んだ水が出てきます。水分が出てきたら、キッチンペーパーでよく拭き取り油が跳ねないようにしましょう。

あく抜きの方法⑦たけのこ

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たけのこは、皮をつけたまま米ぬかと一緒に茹でると、旨みを逃がしません。時間が経つとえぐ味が強くなるため、早めに食べましょう。たけのこを大きく深い鍋に入れ、水をそそぎ米ぬかと唐辛子を加えて火にかけます。沸騰したら吹きこぼれないように落し蓋をし、竹串を刺して柔らかくなるまで弱火で茹でます。茹で時間は約1時間が目安です。たけのこを鍋に入れたまま半日ほど冷ましてから調理します。

重曹を使ったあく抜き

たけのこは、重曹を使ってもあく抜きできます。皮を全てむき縦半分に切り、大きい鍋に入れてたっぷりの湯で約40分茹でましょう。水1Lに対し、重曹3gが目安です。重曹を入れ過ぎると、においが残ってしまうため使う量に注意します。米ぬかよりも手間がかからず短時間であく抜きできます。

野菜のアクを抜いておいしく食べよう!

フリー写真素材ぱくたそ

野菜のアクには、体に悪い成分と体によい成分が含まれています。あく抜きは、野菜をおいしく健康的に食べるための下処理です。ひと手間かけることで、旨みを引き出し見た目もうつくしい食材になります。正しいあく抜きをして、野菜の栄養をしっかり摂りましょう。

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sacchi
ライター

sacchi

子育てと介護に励む主婦ライターです。信州の豊かな自然の中で、たくさんの植物に囲まれて育ちました。娘のアトピー改善のために、薬膳料理に奮闘中です。

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