鳥の名前がついた植物<多年草>4選
カリガネソウ(雁草)
カリガネソウは、触れたり風にあおられたりすると独特な硫黄のような匂いを放ちます。花色は青紫系が一般的ですがピンク色の品種もあります。山野草ということで一般的な園芸店ではあまり流通していませんが、通信販売などで入手が可能です。
名前の由来(雁)
カリガネソウは、花の形状が雁の姿に似ていることから名づけられました。上のほうへ弧を描く雄しべと雌しべが頭~首の部分で、花弁がふっくらとした羽といったところでしょう。見る人によってさまざまな解釈ができますね。
花言葉
カリガネソウの花言葉は「誠実」「清楚な人」「楽しい思い出」です。控えめな花姿からは清楚で真面目な印象が感じられます。また、「楽しい思い出」は野山を歩き、山野草であるカリガネソウを見つけた思い出に繋がるのかもしれませんね。
ストレリチア(極楽鳥花)
ストレリチアは、鳥の頭のような花ということでよく知られています。開いた花の部分がちょうど鳥の頭と鶏冠を思わせるのでしょう。別名フウチョウ(風鳥)ともよばれる極楽鳥は、種類も多彩で華やかな美しい色の羽を持っているので、花のイメージと一致しますね。
名前の由来(極楽鳥)
ストレリチアという花の名前は、極楽鳥の姿形に似ていることが由来です。極楽鳥は美しい姿から剥製にされることが多く、運搬される際には、爪で身体を傷つけないように脚を切られたという背景があります。地上に降り立つことなく、風に乗って極楽を飛んでいるという人間のイメージからつけられた名前ですが、華やかな名前に反して悲しいエピソードですね。
花言葉
ストレリチアの花言葉は「恋する伊達者」「気取った恋」です。華やかで個性的な花姿からつけられた、イメージどおりの花言葉といえますね。そのほかにも「すべてを手に入れる」「万能」といった力強い花言葉もあります。
ホトトギス(杜鵑草)
そのまま鳥の名前が用いられた「ホトトギス」は、日本原産の多年草です。湿度の高い環境を好み、耐陰性もあることから和風庭園などで人気があります。交配種も含めてたくさんの品種がありますが、ほかの植物との生存競争には弱いため、単体で植えるのがよいでしょう。
名前の由来(杜鵑)
和名の「ホトトギス」は、鳥の杜鵑の胸の模様と、花の表面にある点描のような模様が似ていることが由来です。また、海外では「トードリリー」と呼ばれています。カエルのような斑点を持つユリのような花といったところでしょう。国が違うと名称も変わるところが興味深いですね。
花言葉
ホトトギスの花言葉は「永遠にあなたのもの」「秘めた恋」「秘めた意志」です。日陰で咲く控えめな花の裏に隠された、強い気持ちの感じられる花言葉ばかりですね。
クジャクソウ(孔雀草)
クジャクソウは、アスターとよばれるキクの仲間の多年草です。開花期間が長いうえに品種も数多く、寒さに強く栽培しやすいという万能選手ということもあり、初心者でも安心して育てられる植物です。
名前の由来(孔雀)
クジャクと聞くと、七色の花?と思われるかもしれませんが、クジャクソウのネーミングの由来は、色ではなく繊細な花弁の形状にあります。クジャクの羽もクジャクソウの花弁も、細く密になっているところがよく似ています。
花言葉
クジャクソウの花言葉には「可憐」「ひとめぼれ」「友情」「ご機嫌」「いつも愉快」などがあります。小さく繊細な花の持つイメージが「可憐」につながったのでしょう。たくさんの花をつけるところを、友だち同士で賑やかに楽しんでいるようすに見立てたのかもしれませんね。
鳥の名前がついた植物<花木>
ウグイスカグラ(鶯神楽)
ウグイスカグラは和の趣のある花木です。花の名前に鶯の名前がつくところが季節を感じられて風流なイメージですね。食用にもなる赤い小さな実をつけることから、茶花としても人気の高い植物です。
名前の由来(鶯)
ウグイスカグラの名前は、花や枝ぶりの形状からつけられたのではありません。枝と枝の間を鶯が行き交うようすが神楽を舞っているようだということと、鶯の鳴く季節に花が咲くことから名づけられました。
花言葉
ウグイスカグラの花言葉は、「明日への希望」「未来を見つめる」です。縁起のよい名前をつけられたことからも、先人たちに愛された花木だということがわかります。小さな赤い実が後世に命をつないで行く願いが感じられますね。
鳥以外の生き物の名前のついた植物も探してみよう!
鳥の名前がついた植物は、今回ご紹介したほかにも「白鳥草」「鴫草」などまだまだたくさんあります。また、植物や花の名前には鳥だけでなく、動物や虫、魚の名前がつくものもあります。「タイツリソウ」「エビネ」「ホタルカズラ」「オオイヌノフグリ」など、いろいろ探してみると楽しいでしょう。植物の和名と海外での呼ばれかたを比較してみるのも面白いかもしれませんね。
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出典:写真AC