身近な鳥の名前がついた植物は多い
鳥の名前がついた植物はたくさんあります。なかでもスズメやカラスといった、人間の近くで生活しているものがよく使われています。また、鳥が羽を広げた姿や、頭や爪など体の部位の特徴が花弁と似ているものも、花の名前に使われやすいです。
ボタニ子
ボタ爺
カラスには「カラスウリ」「カラスノエンドウ」「カラスビシャク」があるぞ。色が黒いといった特徴のほか、食べられないなど人間にとって役に立たない植物につけられているようじゃな
鳥の名前がついた植物<雑草>4選
ハトムギ(鳩麦)
ハトムギの名称は、ヨクイニンとしての効能を持つハトムギ茶や美白化粧水でおなじみですね。ハトムギはイネ科の植物で雑草化していますが、もとは数珠玉の園芸品種として作られた植物です。数珠玉よりも実のサイズが小さく、割れやすいのが特徴です。
名前の由来(鳩)
ハトムギの名前の由来は2つあります。ひとつは大量に収穫できる意味の「八斗麦」から変化したもの。もうひとつは、鳩が好んで食べるというところからきています。
※一斗=約18L
花言葉
ハトムギの花言葉は「恩恵」です。さまざまな効能を持つハトムギからの恩恵は、まさに天と大地からの恵みといえそうですね。ほかには「祈り」「成し遂げられる思い」といったものもあります。
カモガヤ(鴨茅)
花粉症の大敵ともいえるカモガヤは、イネ科の雑草で、河原や空き地、道端などでよく見かけられます。緑化のためにヨーロッパから導入されたものが野生化しました。別名ではオーチャードグラスと呼ばれ、牧草として利用できる側面をもっています。
名前の由来(鴨)
カモガヤの英語名は「cock's-foot grass」です。日本に導入された際に、この「cock's」をカモの「duck」と聞き間違えたことが、名前に鴨の文字がつけられた由来です。ちなみに「cock」は雄鶏を意味しています。正しく伝わっていたら雄鶏茅と呼ばれていたかもしれませんね。
花言葉
カモガヤの花言葉は「神聖」です。牧草として栄養価の高いカモガヤは、繁殖力が強く、年に数回収穫できるため、家畜の食料としては神からの恵みのようにありがたい存在だったのでしょう。
カラスノエンドウ(烏野豌豆)
ピンク色の愛らしい花を咲かせるカラスノエンドウは、繁殖力がとても強く、本州~沖縄でよく見かけられる雑草です。実となる部分はサヤインゲンなどの園芸品種とくらべると味は落ちますが、同様に食べられます。
名前の由来(烏)
カラスノエンドウの名前は、黒い莢(さや)がカラスを思わせるところから名付けられました。若い状態の莢は青々としていますが、完熟して豆果が完成した状態になると黒い色に変わります。カラスの名前のイメージどおりといえますね。
花言葉
カラスノエンドウの花言葉には「小さな恋人たち」「喜びの訪れ」「未来の幸せ」といったものがあります。「小さな恋人たち」は中に入っている小さな豆果のことでしょう。黒い莢が弾けたら、中から「喜び」や「幸せ」がやってきそうですね。
スズメノカタビラ(雀の帷子)
芝生とよく似たスズメノカタビラはイネ科の植物です。地下茎で増える芝とは違い、こぼれ種で増えて株立ちで大きく育ちます。芝生との見分け方は簡単ですが、完全駆除には根気が必要な雑草です。
名前の由来(雀)
カタビラ(帷子)とは、主に一重の着物のことを指します。小穂の苞が重なりあったようすが着物のあわせのように見えることから「カタビラ」。そしてとても小さいことから「スズメ」の名前がつけられたといわれています。
花言葉
スズメノカタビラの花言葉は「わたしを踏まないで」です。スズメノカタビラの芝生からの駆除を日常としているガーデナーにとっては、ちょっと耳の痛い花言葉ですね。
鳥の名前がついた植物<一年草>3選
ラークスパー(飛燕草・千鳥草)
ラークスパーはデルフィニュームの近似種です。一重咲きのデルフィニュームとよく似ていますよ。性質は強健でこぼれ種でよく増え、華やかな花と繊細な葉は園芸品種としても人気があります。園芸店などで種を入手しやすいのが嬉しいですね。
名前の由来(燕・千鳥)
英語名のラークスパーは直訳すると「Lark」ヒバリ、「Spur」蹴爪ということで、ヒバリの蹴爪と花の形が似ているところが由来です。また、和名の「飛燕草」と「千鳥草」は、それぞれ花の咲くようすが鳥の翼を広げた姿を思わせるところからきています。
花言葉
ラークスパーの花言葉は「陽気」と「快活」です。こぼれ種であちらこちらから芽を出し、ぐんぐん育っていくようすは、言葉どおり陽気で快活だといえますね。ほかにも「軽快」や「自由きままな暮らし」など、明るいイメージの言葉が並びます。
ケイトウ(鶏頭)
夏にみごとな花を咲かせるケイトウは、上の画像のトサカ系のほか、羽のような羽毛系、球状になる久留米系、玉状に固まって咲く槍系、細長い円錐状の野ゲイトウの5つの種類に分類されています。
名前の由来(鶏)
文字どおり鳥の頭のような花で有名なのが鶏頭です。真っ赤な鶏冠(とさか)とよく似た花は、ついつい触ってみたくなるでしょう。鶏冠は毛細血管が張り巡らされているため赤い色をしていますが、ケイトウには赤のほかにも黄色やピンクといった品種もあります。
花言葉
ケイトウの花言葉は「(男性の)おしゃれ」「気取り」「個性」です。鶏冠は雄鶏のトレードマークですから、個性的な気取った男性のおしゃれといったところでしょう。ほかにも「風変り」や、開花期間が長く花が退色しにくいところから「色あせぬ恋」といった花言葉があります。
鷹の爪
鷹の爪は日本品種の唐辛子の名称です。粉末の一味唐辛子のほか、輪切りや糸唐辛子など、さまざまな形状で活用できる薬味として重宝されています。辛みはサヤである外側の部分よりも種の周囲のほうが強いので、好みにあわせて調整して使うとよいでしょう。
名前の由来(鷹)
「鷹の爪」という名前は、唐辛子の長さや、とがった先端が少し曲がっていて、ちょうど鷹の爪を思わせるところから名づけられました。なるほど!と思わず納得させられるネーミングセンスですね。
唐辛子の花言葉
品種名の鷹の爪の花言葉はないので、唐辛子の花言葉を見ていきましょう。唐辛子の花言葉には「旧友」と「嫉妬」「生命力」「悪夢がさめた」などがあります。「旧友」は古くから今日まで栽培されて世界中に広まっていることから。「嫉妬」「生命力」「悪夢がさめた」は、辛さに対する印象からきています。
ボタニ子
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スズメだと「スズメノカタビラ」「スズメノエンドウ」「スズメウリ」などがあるけど、これらはみんな花や実がとても小さいのよね