白いりんごなんてあるの?白いりんごの品種や味について詳しく解説

白いりんごなんてあるの?白いりんごの品種や味について詳しく解説

りんごにはたくさんの品種がありますが、多くは赤色のものです。しかし、中には黄色や白色のものもあります。特に白いりんごはまだ生産の少ない希少品種でスーパーなどで見かけることは少ないです。そこで、白いりんごの特徴や味、品種について詳しくみていきましょう。

記事の目次

  1. 1.女子高生が開発した驚きのりんご
  2. 2.白いりんごはどんなりんご?
  3. 3.白いりんごの栽培方法
  4. 4.珍しい白いりんごの品種
  5. 5.白いりんごの食べ方と保存方法
  6. 6.白いりんごを食べてみよう!

女子高生が開発した驚きのりんご

出典:写真AC

2009年、青森県南部町の和久井農業高校の生徒によってあるりんごが開発されました。5人の女子高校生が「りんごを袋を外さないまま栽培したらどうなるのか?」と疑問を持ったことから栽培に着手したそうです。「りんごは赤くないと甘くない」という従来の考えを覆し、見事甘く白いりんごの開発に成功します。白いりんごは「サイレントホワイト」と名付けられました。現在は、地元の農家の協力を得て商品化が進んでいます。

白いりんごはどんなりんご?

白いりんごは、りんごの果皮が白くなっている珍しい品種です。「サイレントホワイト」以外にも白いりんごは開発されて誕生しており、近年はその美しさから注目を集めています。赤いりんごとセットになった「紅白りんご」は、祝い事の贈り物におすすめです。

白いりんごの味

一般的に赤いりんごは甘いといわれますが、白いりんごも甘く、糖度が15~16度になる品種もあります。果汁をたっぷりと含み、ジューシーさも赤いりんごに引けをとりません。

白いりんごの栄養素

白いりんごと赤いりんごは、含まれている栄養成分は同じですが、栄養成分の量に違いがあります。赤いりんごは、日光に当たりアントシアニンが増えて赤くなります。しかし、白いりんごは、日光に当たらないためアントシアニンが増えません。赤いりんごより脂肪の燃焼を促し蓄積を抑えるポリフェノールの一種「プロシアニジン」が多く含まれています。

白いりんごの栽培方法

白いりんごは、収穫まで袋をかけたまま日光に当てずに栽培します。皮がとても薄いため、食べるときに皮をむく必要がなく、丸かじりしやすいのが特徴です。また、葉を採らない栽培方法によって果肉の糖度が高いことも魅力です。色つきがよくなるように木の下に反射シートを敷いたり、果実が影にならないように葉を摘み採ったりしません。手間がかからないため栽培方法として生産者に注目されています。

栽培方法①りんごの袋をはずさない

白いりんごは、りんごに掛けた袋をはずさず栽培します。りんご栽培は、一般的に収穫前になると袋をはずして果皮が赤や黄色に色づくように育てますが、白いりんごは袋を収穫まではずしません。遮光は果皮だけでなく、果肉の色素まで影響を与えるため、白いりんごは果肉も真っ白です。袋から透過する紫外線の量や細胞内のエネルギーの合成を抑える保存技術など、さまざまな科学技術を使って栽培されています。

白い果皮になる理由

りんごが白い果皮になるのは、袋で遮光して育てるためです。りんごは熟してくると葉緑素が減り、日光に当てるとアントシアニンが増えて赤や黄色になります。アントシアニンは太陽の光を浴びて増えていく赤い物質です。白いりんごは、収穫まで日光に当てずに袋をかけたまま栽培するため、アントシアニンが増えず色がつきません。

栽培方法②葉摘みをしない

白いりんごは、葉摘みを行わない「葉とらずりんご」です。葉を摘み採らないのは、糖度の高いりんごに仕上げるためです。りんごの葉は、日光をたくさん浴びて空気中の炭酸ガスで呼吸をし、果実に「ソルビトール」と呼ばれる養分を送る大切な役割を持っています。果実に蓄えられた養分が糖になり、甘味が増しておいしくなります。

葉摘みとは?

葉摘みは、果実全体をきれいに着色させるために、りんごに密着している葉を摘み採る作業です。葉摘みを行うと、見た目はきれいですが、光合成が十分に行われず栄養分が低下し糖度が上がりません。葉をたくさん摘み採ると、果実に送る養分が少ないため甘くないりんごになります。

珍しい白いりんごの品種

出典:写真AC

「陽光」「むつ」「ふじ」「金星」「はるか」など赤色や黄色の品種に袋をかけたまま栽培すると、白いりんごになります。日光に当たらないため、果皮が白くなめらかで果肉が柔らかいのが特徴です。輸送中にすぐ傷がついてしまうほど薄い果皮をしています。まだ生産している農家が少なく、試験的に行っている生産者が多いようです。

珍しい品種①白い陽光

陽光(ようこう)は、群馬県生まれの鮮やかな赤いりんごです。赤くなる前に袋をかけると「白い陽光」ができます。甘みが強くほどよい酸味があり、果肉はやや硬めでしっかりした歯ごたえがあります。果皮の表面にザラザラしたサビが出やすい品種ですが、袋をかけているため艶のある白くきれいな果皮になるのが特徴です。

珍しい品種②シルバー陸奥

シルバー陸奥(むつ)は、「ホワイトむつ」とも呼ばれる青森県生まれの希少品種です。果肉は薄い黄色でサクッとした歯ごたえがあり、香りもよく大玉であるのが特徴です。収穫後に保管しておくと次第に果皮が鮮やかな黄色になります。サビがなくしっとりした滑らかな表面は、贈り物に喜ばれるでしょう。加熱すると煮崩れしやすいため、アップルパイには不向きです。

珍しい品種③白ふじ

白ふじは、赤ふじに比べて果肉が柔らかく酸味が強いのが特徴です。近年、青森県で「白雪富士」、長野県では「ムーンふじ」と呼ばれる白ふじが販売され話題を集めています。市場に出回ることが珍しい希少品種のため、店頭で見かけることは少ないかもしれません。ネット通販を利用し、赤いりんごと食べ比べてみるとおもしろいでしょう。

珍しい品種④金星

金星は、青森県生まれのうつくしい黄金色のりんごです。袋をかけたまま栽培すると、滑らかな白いりんごに育ちます。適度な歯ざわりがあり濃厚な甘味があるのが特徴です。また酸味が弱く香りもよいため人気があります。収穫前に袋を一部裂いて、その部分だけに日光を当てる「三日月」と呼ばれる種類が贈答用に販売されています。

珍しい品種⑤いわて純情プレミアム冬恋

いわて純情プレミアム「冬恋」は、岩手県産のりんご品種「はるか」の中で糖度光センサーの基準をクリアーした高品質のものを指します。蜜がぎっしり入った糖度16度以上の希少品種です。果皮は薄い黄色で、中には輝くような白さを放つものもあり人気があります。限定ブランド品種のため高い値段で出荷されますが、一度食べたら忘れられない味わいを堪能できます。

白いりんごの食べ方と保存方法

出典:写真AC

白いりんごは、皮が薄いため皮ごと食べましょう。りんごの皮をよく洗い、皮をむかずに4等分に切り芯を取ります。食べやすい大きさに切ったら、変色しないうちに食べます。切り口が赤茶色に変わるのは、果肉に含まれるポリフェノールが酸化するためです。薄めの食塩水かレモン水に浸けると切り口の白さを保てます。長い時間浸けておくと味が変わってしまうため、サッとくぐらせる程度に漬けます。

おすすめの切り方

出典:写真AC

切り方は、りんごを輪切りにして軸を星形にくり抜く「スターカット」がおすすめです。皮に含まれる栄養を丸ごと食べられ、かわいらしく盛りつけられます。おもてなしデザートにもなり子供達にも喜ばれる1品になるでしょう。

保存方法

すぐに食べない場合は、1玉ずつ新聞紙やキッチンペーパーに包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。ダンボールに入れて温度の低い冷暗所で保存してもよいです。りんごは乾燥に弱いため、水分が失われるとおいしくありません。温度と水分の管理が保存のポイントです。また、りんごのエチレンガスがほかの果物の成熟を早めてしまうため、同じ場所に置かないようにします。

白いりんごを食べてみよう!

白いりんごは、収穫まで袋をかけて大切に育てられたりんごです。りんご同士が当たるだけで色が変わり傷みやすくなるほど、薄く柔らかい皮をしています。色白でかわいらしいりんごは印象的で目をひきます。まだ生産の少ない珍しい品種のため値段も高めですが、ぜひ皮ごと食べて濃厚な甘味と香りを楽しみましょう。

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sacchi
ライター

sacchi

子育てと介護に励む主婦ライターです。信州の豊かな自然の中で、たくさんの植物に囲まれて育ちました。娘のアトピー改善のために、薬膳料理に奮闘中です。

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