ワインに使うぶどうの種類・特徴・育て方!生食用との違いは?

ワインに使うぶどうの種類・特徴・育て方!生食用との違いは?

ワインの原料といえばぶどうですが、ワイン用の種類と生食用の種類とでは、さまざまな面で違いがあります。品種や特徴、育て方などの観点から、それぞれのぶどうの「違い」を学んでいきましょう。きちんとした理由にもとづいた「違い」は、だれかに話したくなるおもしろさですよ。

記事の目次

  1. 1.ワインは専用の種類のぶどうで造られる
  2. 2.ワイン用と生食用のぶどうの違い【特徴】
  3. 3.ワイン用と生食用のぶどうの違い【育て方】
  4. 4.ワイン用と生食用のぶどうの違い【種類】
  5. 5.ワイン用と生食用のぶどうに違いは多かった!

ワイン用と生食用のぶどうの違い【種類】

赤ワインに使うぶどう5種類

出典:写真AC

赤ワインに使われるぶどうは「黒葡萄(クロブドウ)」と呼ばれ、黒みがかった深い紫色の皮が特徴です。この皮の色によって、赤ワイン特有のあざやかな色が生まれます。収穫時期は品種や栽培環境によって異なりますが、日本をはじめとした北半球では9月~11月にピークを迎えるものが大半です。南半球では、だいたい3月ごろから収穫が始まります。

カベルネ・ソーヴィニヨン

カベルネ・ソーヴィニヨンは高級赤ワインの代名詞的品種です。深みのある水色と、どっしりとしたタンニンの味わいが特徴。長命で、どこで栽培してもカベルネの魅力を表現できることから、世界中で絶大な人気を誇ります。「シャトー・ラグランジュ」や「パンゴリン」などのワインが有名です。カシスや杉、ハーブなどの香りがあります。

メルロ

メルロは、カベルネ・ソーヴィニヨンをしのぐ勢いともいわれる、近年人気の品種です。寒い地域でも栽培が容易であることから、世界各国に産地が広がっています。ほかの品種と比べると果粒が大きく、皮も薄いことが特徴。まろやかで口当たりのよい、親しみやすい味わいです。また、プルーンやダークチェリーのような、黒い果実が熟したような香りで有名です。

ピノ・ノワール

出典:写真AC

ピノ・ロワールを使った赤ワインとしては、ロマネ・コンティが有名です。「最も気まぐれなぶどう」とも呼ばれ、栽培地域には制限があります。若いうちはバラやチェリー、ラズベリー、紅茶などのチャーミングな香りが印象的で、熟成させるにつれて獣をイメージさせる妖艶な香りが現れます。透明感のある、ルビーのような水色の美しさでも人気です。

グルナッシュ

グルナッシュは地中海周辺地域で広く栽培される品種です。スペインでは「ガルナッチャ」と呼ばれ、フルーティーで飲みやすいミディアムボトルのワインとして人気があります。発芽が早く成長サイクルを長く確保できるため、高い糖度を得られます。ボリュームのある果実味が特徴で、赤ワインはもちろん、ロゼワインの原料としても有名です。

シラー

南フランス・ローヌ地方のエルミタージュやコート・ロティで有名な品種がシラーです。小粒で皮が厚く、ワインに濃厚な色とスパイシーな風味を生みます。産地によってまったく異なる味わいのワインが造られていて、多くの可能性を秘めた個性的なぶどうとしても人気があります。コショウの香りがあとを引く、ワイルドな味わいが魅力です。

白ワインに使うぶどう5種類

出典:写真AC

白ワインに使われる「白ぶどう」は、やわらかな黄緑色や黄色の果実が特徴です。北半球では9月に収穫を迎えます。見た目のとおりあっさりとした味わいで、ワイン以外にも料理やスイーツ、オイルなど、いろいろな分野で活躍していますよ。

シャルドネ

白ぶどうの中でも特に有名で、人気の品種がシャルドネです。ぶどう自体に際立った個性がないため、産地の特徴や醸造テクニックで変化がつけやすいという利点があります。涼しい地域では酸味が強く、温暖な地域では果実味の目立つワインになりますよ。世界各地で用いられる、白ワイン界の王様的ぶどうです。シャンパンの原料としても有名ですね。

ソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブランは鮮烈なアロマ、シャープでさわやかな酸味が人気の品種です。フランス・ロワール地方のサンセールやボルドー産が有名ですが、近年ではチリやニュージーランドでも成功を収めています。いきいきとした果実味と、フレッシュな香りが魅力です。グレープフルーツのようなほろ苦さも持ちます。気分をリフレッシュさせたいときにぴったりのワインです。

リースリング

出典:写真AC

リースリングはドイツやフランスのアルザスなどで利用される品種です。冷涼な気候を好み、伸びのある酸や上品な風味が特徴です。「最も高貴なぶどう」と形容されることもあります。辛口タイプから極甘口まで幅広く造られており、「白ワインにおけるカベルネ・ソーヴィニヨン」とも評されるぶどうです。白い花や蜂蜜、ライムなどの華やかな香りが魅力です。

甲州

甲州は世界的にも注目を集める、日本固有のぶどう品種です。栽培の歴史は非常に古く、1000年以上といわれます。独特の渋みや苦みを持ち、それがワインのコクとなっています。純粋な白ぶどうではなく、赤紫色の皮をしていることが特徴です。控えめながらシトラスやクローブのようなスパイシーな香りや、みりんに似た和の風味で人気があります。

ピノ・グリ

黒ぶどう「ピノ・ノワール」の突然変異がピノ・グリです。イタリアでは「ピノ・グリージョ」とも呼ばれます。「グリ」「グリージョ」は灰色という意味で、果皮が灰色がかった薄紅色をしていることから名づけられました。香りはおだやかながら辛口で、厚みのある味わいです。あんずやトロピカルフルーツ、蜂蜜などの香りと、長い余韻を持ちます。

生食用にもワイン用にも使われるぶどう3種類

出典:写真AC

デラウェア

小粒で種がないデラウェアは、子どもにも食べやすいぶどうです。4月中旬~9月が収穫時期で、高い糖度と濃厚な味わいを楽しめます。アメリカが原産地で、日本には明治時代に輸入が開始されました。人気の高さから、ハウス栽培も盛んです。

マスカットベーリーA

マスカットベーリーAは日本で開発された黒ぶどうです。日本の環境に合うように育成されたため、日本各地で栽培できます。厚みのある皮の下から、甘味と酸味がぎゅっと凝縮されたジューシーな果肉が現れます。8月中旬~10月ごろが収穫時期で、生食では特に8月下旬以降のものを食べます。

甲州

白ワイン用ぶどうの甲州も、日本原産のぶどうです。もともとは生食専用で栽培されていましたが、明治になってワインの醸造技術が伝わったことにより、出荷に向かない果実を中心にワイン用にも使われるようになりました。淡い見た目とフレッシュな香りが特徴です。

ワイン用と生食用のぶどうに違いは多かった!

出典:写真AC

ワイン用ぶどうと生食用ぶどうは、それぞれの用途に向いた特徴を持っています。違いを理解して味わうワインは、これまでとはまた違った印象を受けるかもしれませんね。また、ひとくちにワインといっても、使われているぶどう品種によって香りや味わいがガラリと変わるのも魅力です。料理やスイーツとの相性、いわゆる「マリアージュ」を考えるのも、ワインの楽しみのひとつですね。

赤ワインの原料となるぶどう品種16選!画像つきで特徴を解説!のイメージ
赤ワインの原料となるぶどう品種16選!画像つきで特徴を解説!
赤ワインは原料となるぶどうの種類によって、味わいに違いがあります。この記事では、定番の人気品種から珍しいものまで、ぶどうの品種を16種類見ていきましょう。それぞれの味が楽しめるおすすめの銘柄も紹介します。ぜひ、赤ワインの世界をより楽しんでみてくださいね。
おもち
ライター

おもち

幼少期、母とふたりでつくった小さな花壇が宝物でした。季節の移り変わりを色とりどりの花で知るのがとても好きです。

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