アーモンドの栽培方法【特別な手入れ】
植え替え
アーモンドは根が伸びやすいため、1~2年に1回は植え替えが必要です。植え替えの適期は2月~3月です。大きく成長させたいときは、根鉢を軽くほぐして一回り大きい植木鉢に植え替えてください。コンパクトに育てたい場合は、根を1/3ほどの長さに切り詰めて元の植木鉢に戻します。土は使いまわさず新しいものを用意しましょう。
ボタ爺
剪定
春の剪定
春の剪定の目的は、苗や木の成長促進や間延びを防ぐことにあります。木の高さが1mを越えたら、主枝を40cm~50cmの高さにバッサリとカットしましょう。主枝を切ることで、枝が分岐して横に伸びやすくなるだけでなく、高さを低めに保てるため育てやすくなります。
夏の剪定
夏の剪定の目的は、成長促進と通気性の確保です。枝の間隔が空くように、内側に向かって伸びる枝や枝同士の重なりがひどい箇所を切り落としてください。枝が混みあっていなければ、夏の剪定はしなくても問題ありません。
冬の剪定
冬の剪定は、春に咲く花数を増やすのが目的です。1月ごろに、混みあった枝や伸びすぎている枝、内向きに伸びる枝、その年に実がつかなかった枝などを切り落としましょう。枝にはすでに芽が出始めているため、芽が5つほど残る部分を目安にして切ってください。枝を切ることで日に当たりやすくなり、花付きだけでなく成長もよくなります。
花後の管理
アーモンドの花後の管理は特にありません。桃や桜と同じように木の枝に花を咲かせ、受粉して散ると実をつける仕組みで、こまめに摘み取る必要はなく手入れは簡単です。ただし、実をつけるのが目的ではなく花の観賞をメインに考えている場合は、枯れた花や元気のない花を摘み取り、花数を増やすことをおすすめします。
夏越し
アーモンドは耐暑性に優れる植物で、特別な夏越し対策は必要ありません。ただし夏場に「直射日光にあたり続ける」「コンクリートの照り返しがひどい場所で管理する」など、極端に熱を与える環境下では枯れる危険性があるため、置き場所には注意が必要です。ベランダで栽培する方は、室外機の温風に当たらない場所で管理してください。
冬越し
アーモンドは耐寒性が弱いため、きちんと冬越し対策をしましょう。鉢植えの場合、霜が降りるような寒さの時期は室内での管理がおすすめです。特に幼苗は寒さに弱く枯れやすいため、肌寒くなってきたと感じたら冬を待たずに室内に入れてください。地植え場合は根元をワラなどでマルチングして、耐寒性を高める環境づくりに努めましょう。
増やし方
アーモンドは種でも増やせますが成長までに時間がかかるため、挿し木で増やすのがおすすめです。主幹から伸びている若くて元気な枝を10cm~15cmほど切り取り挿し穂を作ります。枝の葉は数枚残すか全て切り落としましょう。根元部分を斜めにカットしたら、水に挿して2~3時間ほど水揚げします。挿し木用の土に挿して完成です。
ボタニ子
根が生えるまではしっかりと水やりしないと枯れちゃうよ!気をつけてね!
アーモンドの栽培方法【収穫】
収穫方法
8月~9月がアーモンドの収穫時期です。果肉が割れて中身が見えてきたタイミングで収穫しましょう。アーモンドは外側から「外果皮(外皮)」「内果皮(果肉)」「核(殻)」「仁」と四重構造になっており、食べられる部分は一番内側にある仁の部分です。収穫した状態では全てついたままなので、食べたり保存したりするには処理が必要です。
処理の仕方
収穫したアーモンドをきれいに洗ったら、外皮と果肉部分をナイフでそぎ落とします。この状態がアーモンドの種であり、保管しておくと種まきにも使えます。1週間ほど湿気の少ない風通しのよい場所で陰干ししてください。乾燥したら、クルミ割り器やカナヅチ、ペンチなどを使って殻を割り、中身の仁を取り出しましょう。
ボタ爺
アーモンドの殻はとても硬いんじゃ。ケガには気をつけるんじゃよ!
食べ方
殻から仁を取り出したら、あとは調理して食べるだけです。フライパンで軽く炒ったり、油でさっと揚げたり、シンプルな食べ方がおすすめです。生の状態で殻が剥きにくい場合は、殻ごと炒るとポロっと取れやすくなります。塩やハチミツをかけて食べるのも人気があります。
簡単なロースト方法
材料(作りやすい分量)
生アーモンド300g
- オーブンを160℃に予熱する
- 天板にオーブンシートを敷き、その上にアーモンドを重ならないように広げる
- 160℃のオーブンで15分焼く
- 全体を軽くかき混ぜて、さらに5分焼く
アーモンドを育てておいしく食べよう!
アーモンドは「食べる」イメージが強く、「育てる」のは難しいように感じやすいですが、鉢植えでも地植えでも栽培方法は意外に簡単です。たくさんの花や実をつけるようになるには時間が必要ですが、自分で育てたアーモンドの花の美しさや実の味わいは格別です。ぜひベランダや庭でアーモンドを種から育ててみてくださいね。
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土の使いまわしは成長不良や病気の原因になるんじゃ!